へら、と笑ってまたブランコに座り直す
分厚いぐるぐるのメガネもふわふわの煤色の髪の毛もあの時とぜんぜん変わらない。
身体だけ大きくなってしまったみたいだ
ci「あしたからずーっと一緒やな!」
チーノがにぱっと笑う
syp「…んふそやなぁ」
ci「ねえしょっぴはさ、ちいさい時の約束おぼえとる?」
syp「…結婚しようみたいなやつ?」
ci「…ねえしょっぴまだおれのこと好きよな」
花の冠も四葉のクローバーも全部チーノのために作ってあげた。
折り紙で作った指輪も女の子が行くようなお店で買ったキラキラの水色の指輪も全部チーノのためだった
でも、今はどうだろう?
あの時俺たちは本当に好き同士で友人同士だった。
じゃあ今の俺たちは?ばいばいと手を振ったらもう全ての関係がリセットになる?
syp「…今は友人としてお前のことが好きや」
ci「……そうなんや …へぇ…」
チーノの眉が眉間に寄る。
syp「…おれのことすきだった?」
ci「…すきっ、すき…っしょっぴのこと大好きだよ…?」
あぁ、ほんまに俺のこと好きなんや。
赤いブランコに乗る2人の影が夕陽に伸びる
syp「…まだ友達でいよう」
ci「俺の事きらいにならんの?」
ぽかんとした顔でこちらを凝視する
syp「なるわけないやん」
ci「しょっぴだいすき」
syp「あそ」
火照った頬も分厚いメガネの中に映るくりくりの瞳も全部チーノだった。
あのころ離れていったチーノが目の前にいるんだ、そう思うとなんだか安心してほっと一息つく
syp「お前明日遅刻すんなよ、迎えくるから」
ci「…一緒に登校してくれるん?」
syp「おん」
ci「へへ、なんか嬉しいな」
恥ずかしそうに首の付け根を摩る
syp「じゃあもう俺帰るから」
ci「…ぁ、ばいばい!!」
…
丸い街頭だけが公園のブランコを照らした
今日のお月様は満月だ、ずっと整備されていない公園のフェンスの周りには草が生い茂っている。
毎日楽しくなくてぼうっとしているだけで過ぎていく時間がたまらなく退屈に思えた。
もういっその事死んでやりたいと毎日思った。
きっと小学校までのあいつが居た時が楽しすぎたんだ
泣き虫で弱虫な俺のことをやさしくしてくれたしょっぴが好きだった、ずっと好きだった。
お母さんに怒られて泣いちゃった時もクラスの人にいじめられた時も1番に心配して慰めてくれたのがしょっぴだった
いまの俺に1番必要なのはやっぱりしょっぴなのかもしれない
頭一つ分俺より身長が小さくて、白くて細い腕も薄い腹も触ったら折れてしまいそうだけど、でも俺を守る背中は誰よりもかっこよくて優しかった。
ねえ俺しょっぴのことずっとずーっと大好き
絶対にまた好きって言わせるから振り向いてね、絶対に友達以上の関係になろうね
ね。
…
夕日の下のブランコに佇む影はやっぱり見覚えがあった
大股で街頭の光ひとつもない住宅街を歩く
可愛らしい声もくりくりの目も俺より頭ひとつ高い身長も昔から変わってない。
でもやっぱり俺の前になるとデレデレで、泣き虫になる。俺の前で弱い姿を見せてくれるのが信用してくれてるようでどこか嬉しかった。
「っくしゅん!!」
冬になる前の生ぬるい風が肌寒さを感じさせる
1秒でも早く家に帰りたいという気持ちを加速させるように後ろから冷たい風が背中を押した
チーノが今でも俺の事を本気で好きだとは思ってもいなかった。
あの時、好きって言われた時、俺がそれを受け入れたらチーノはどんな反応をしていただろう。
あのまま家に行ってそれで…
あぁ!!もうだめだこれ以上考えてしまっては頭がパンクしてしまいそうだ
一先ず今日は風呂に入って直ぐに寝よう
玄関の扉を開けた
…
「…おれの方がぜったいにあいつのこと好きだもん」
ブランコに座る2人を後ろからじっと見つめた
1人の背中は憂鬱そうでそれでもどこか嬉しそうで隣の奴が話す度に全身で嬉しさを体現した
1人はいかにも無という感じだが、背中から優しさとこいつのことはいちばん俺が知っているというオーラがひしひしと伝わった
気づいてないだけできっとお互いのことを想いあっている関係なのだろう
でも、俺だってあいつのこといちばんわかってるし…クラスだって一緒になるし…!!
これからきっと振り向いてくれる。
ふたりが両片想いでも、まだひとりは気づいていないだろう。だからまだ間に合う。
今のうちに、今のうちに
はやくおれのものにしないと!!!
…
せんせい。今書いてる途中です‼️
今回もまた文字数が少ないですがよろしくお願いします‼️
いんまさんも書いてる途中です‼️
週一投稿はがんばります‼️
コメント
6件
何故こんなにも天才的な話がかけるのだろうか……。 続き待ってます!!( ̄^ ̄ゞ
まじでこの話大好きなんですっ!!!!!続き早く!!!!!
神様がかく神小説まってます!