《牛沢視点》
us「ガッチさんゲームしよ~?」
gc「いいよ~何しよっか?」
片付けを終えたgtさんがテレビへ来る。
us「じゃあこれ!」
俺は選んだゲームを起動する。
us「はいコントローラー」
gcさんはソファーに座りながら受け取る。
gc「ありがとう」
俺はgtさんの座るソファーの前に座った。
gt「ん?ソファーじゃなくていいの?」
gtさんは俺がいつもソファーに座るからか 不思議そうに聞いてきた。
us「ん、ココが良い」
「こっちの方がガッチさん近いもん」
俺はコントローラーでゲームを選択しながら言う。
いつも距離を少し取って座らないと操作しにくいから逆にこっちの方が近いのだと最近気づいたのだ。
us「ねぇガッチさんココのコースやったことある?」
俺は上を見上げながらgtさんに話しかける。
gcさんは暫し固まり、画面を見ながら返事した。
gc「あ~…多分無かったと思う」
「ここのコースでもいいよ」
俺らははしゃぎながら楽しくゲームを進めていく。
us(なんか…甘えたくなってきたな……)
時間が経ってくるとgcさんの体温が近いからか無性にくっつきたくなった。
どうやって自然にくっつくか俺は選択画面で1人悶々と考える。
今いきなり足に顔を置いたりしたら変だよな…
酔ったら自然にできるのかな…
あれやこれやと考えているとgcさんの声が聞こえた。
gc「ねぇ罰ゲームありでやらない?」
us「え?罰ゲーム?」
タイミングがいいのか悪いのか珍しい提案をされた。
俺の頭に希望が浮かぶ。
理由を聞くと、俺にどうしてもやらせたいゲームがあると言った。
きっとホラーゲームなのだろうと予感する。
俺はすぐに断ろうとした。
gc「逃げるんだ?w」
us「はぁ!?… なわけないでしょ!」
俺は煽りに乗って快諾してしまった。
…………
………………
us「あぁ…!くっそ…負けた~!!」
「これ勝ったら俺が勝てたのに…!」
gc「いえ~い!!俺の勝ちぃ~!」
gc「約束通り俺がゲーム選ぶね?」
gcさんは嬉しそうにゲームを選ぶ。
案の定ガッチさんが選んだのはあからさまなホラーゲームだった。
us「はぁ…これ今からやるの?」
「怖ぇんだけど…」
俺はゲームを準備しながら話す。
gcさんはニコニコしながらコントローラーを置いた。
us(こんな時ほど笑顔が怖く見える…)
gc「じゃ、うっしー頑張ってね?」
gcさんは急にそんなことを言い出す。
us「は?協力じゃねぇの?」
gc「うん。これ1人プレイ用だから」
だからコントローラー置いたのかと理解しているとgcさんは強制でスタートボタンを押した。
us「あ!?ちょっ…ガッチさん!」
「勝手に押さないで!心の準備できてない!」
音が大きく流れる。
ドドーン!! <タイトル音>
俺はコントローラーを強く握り、手に汗が滲んだ。
始まってしまった。それだけで心音が耳で五月蝿く鳴っている。
「ギャアアアァァ…!!!!」
「ねぇ!これ無理なんですけどぉ?!!」
「うわぁ!!!ッえっなにこれ…」
「開かないんだけど!?ねぇこれ開く?」
俺はパニックになりながらゲームを進める
ゲームも中盤のステージになってきた頃、後ろから人の気配が消えた。
us「え…?ガッチさん?いる?」
後ろを振り向けないので画面を見ながら聞く。
更なる恐怖に心音が増す。
gcさんの返事は一向に聞こえなかった。
Game Overの音(大きい音)
「ッ…!?」
突如出てきた画面にビックリする。
クリアできずに死んでしまった。
けれど、終わることができる。と俺はホッとした気持ちになる。
us「ガッチさん…?どこ? 」
「ねぇゲーム終わったよ」
コントローラーを置いてgcさんを探す。
立ち上がって探しに行こうとしたとき、トイレのある方から声がした。
gc「駄目だよ~?クリアしなきゃ」
そう言いながらトイレから歩いてくる。
us「もう無理だって!ホントに!!」
俺は立ったまま必死に訴える。
gcさんはやれやれといった顔でコントローラーを手に取った。
gc「しょうがないな…俺がプレイ見せてあげる。その後うっしーまたやって?」
gcさんはそう言うと俺をそのまま座らせて俺の後ろに座った。
gcさんのコントローラーが俺の前にきて、フォールドされている状態になる。
ゲームしづらくないのだろうか?
俺はされるがまま画面に注目した。
耳元であーだこーだ言うgcさんの声が聞こえる。
またやるという不安を抱えながらも少し心が落ち着いてきた。
gcさんが俺が死んだエリアまでくると何食わぬ顔で通常通り進行していく。
代わりに俺が奇声を上げる。
gcさんは笑いながら「大丈夫」と声をかけてくれた。
そんな余裕まであるのかよ…
俺は少し不機嫌に感嘆の息を漏らしそうになる。
Game Clear の音が鳴る。
流石はgcさんで多少手こずりは見せたものの、すぐにクリアしてみせた。
どういう神経通ってるんだろうと思う。
gc「はい交代」
gcさんは俺にコントローラーを渡す。
俺は苦い顔をした。
gc「次は俺がアドバイスするから」
ぎゅっと抱きしめながら言う。
us「いや……」
gc「ね…?」
us「う…分かった」
今度は俺が渋々スタートボタンを押した。
またゲームの始まる音がする。
2回も見れば大方のホラーポイントは分かるが、ランダム要素が多いからきっと俺はまた奇声をあげる。
はぁ嫌だ…。
us「ガッチさんどこも行かないでね?」
「さっきみたいに居なくなったら怖いから…脅かすのも無しだよ?」
gc「え~…じゃあ今のうちに飲み物取ってきていい?もうなくなる。」
us「まだ始まってないからいいけど、すぐ戻ってきてね?」
gcさんは笑いながらはいはいと言ってゆっくりキッチンへ向かっていった。
俺は画面を見てローディングが遅れることを望む。
しかし、ゲームはgcさんが戻る前に始まってしまった。
ポージングを開いて待機する。
それでもその画面にしてもゲームは進んでいた。
くそ…進めなきゃダメなのか
こういうゲームは人がいてやっと安心して進められるのに…
俺は慎重に怯えながらコントローラーを動かした。
スッ…
いきなり横腹から暖かさを感じる。
それは人の手で、俺の膝に乗っかってきた。
gcさんが戻ってきたのだろう。
us「ガッチさん?」
俺は画面を見ながら聞くと今度は返事があった。
gc「なに?」
us「ガッチさん、戻ってきたなら声かけてよ」「びっくりしたじゃん」
gc「ごめんごめんいきなり声かけたらびっくりしちゃうと思って」「逆にびっくりさせちゃったね。」
gcさんはヘラヘラしながら言った。
けれど、この人なりの配慮だったことを知るとちょっと心が暖かくなった。
us「もう!…ガッチさん手こっちに置いて」
俺はガッチさんの左手を片手で掴み、お腹の方まで誘導した。
gcさんはもう片方の手を自分で持ってくる。
gcさんの体温が背中に広がり、安心した。
gcさんの顔が俺の肩に乗る。
俺の心臓がドキッと違う意味で音を鳴らす。
gcさんの声もより近くに聞こえるようになった。
そのせいもあってゲームに集中できない。
gc「そこ曲げたら…そう!違う、こうして…」
gcさんはずっと俺の操作をサポートしてくれる。
gcさんは俺の持つコントローラーに手を重ねて教えてくれるが俺の湿る手は更に湿り、動きが鈍くなった。
gc「うんそこ行ってから…もうすぐお仕舞いだよ」
そう言うと今までの行動全てが解除されてしまった。体温や声が離れていく。
俺は寂しさを感じた。
ゲームが終わり、gcさんがソファーに座って、水を飲むのを見る。
視線に気づいたgcさんは申し訳なさそうな顔をした。
gc「ごめんねうっしーホラー苦手なのにやらせちゃって」
「うっしーにどうしてもやってみて欲しくてさ」
「ストーリーとか分かりやすかったでしょ?」
俺の顔色を伺いながら謝ってくる。
そんなつもりでは見ていなかったけども、もっとくっついていたかったなんて言うのは恥ずかしいから俺は口を閉じることにした。
gcさんが立ち上がって歩きだす。
キッチンの方へ消えていくと俺はその後を追った。
gcさんはコップに飲み物を注いでいる。
gc「どうしたのうっしー?」
「うっしーもなにか飲む?」
gcさんはこちらを見るともう1個コップを取り出しながら聞いてきた。
us「いや、まだ残ってるし大丈夫」
gc「そう、じゃあ何か食べる?」
us「ううん…大丈夫お腹空いてない」
先程から拒否の言葉しか口にしていない。
なんのためにキッチンに来たのか疑問を持たれてるだろう。
正直に甘えたいと伝えることができなくて気まずい空気だけが流れた。
us「お、俺風呂入ってくるね」
俺は居たたまれなくなってリビングへ逃げようとする。
gc「うっしー!」
そう聞こえると俺の手は引っ張られ、引き寄せられていた。
gcさんにバックハグされる。
gc「ほんと可愛い…」
「ほんと、うっしーって自分から甘えるの下手だよね」
上からgcさんの嬉しそうな声がする。
俺が甘えようとしてたこと気づいてたのか!
俺は恥ずかしくて手で顔を覆う。
us「っ…いつから気づいてたの//」
gc「ん~、罰ゲームの提案をする前にそうかな~って思った」
「正直、確信はゲーム終わってからだったけど、罰ゲームにホラーゲーム選んだ時はその流れで甘えてきたりしないかなと思った。」
ホラーゲーム以外の候補もあったことに驚く。
us「なんでホラーゲームにしたんだよ…めっちゃ怖かったのに止めさせてくれないしさぁ…」
gc「ほら、うっしーってホラーゲームとか余裕なくなると俺を頼って甘えてきてくれるじゃん?」
「だからそのままの勢いだと甘えて来やすいかな?って」
us「…まぁ、頼るけど……//」
ゲーム中は頼り方とか甘え方だとか意識してないし、ホラーゲームはどうやって終わるか考えてるから余計に集中できてなくてよく分かんなくなってることが多いから勢いなんてできない。
今日なんか特に誰もゲーム内にいないから怖くて仕方なかった。
us「ガッチさん…甘えられたら嬉しいの?」
俺はgcさんの手を握って聞いた。
gc「うん、頼られたり、甘えられたりするのは嬉しいよ特にうっしーだからね」
「だけど、うっしーがデレデレの時もツンツンの時も可愛いし、好きだよ」
gcさんの顔が顔の横まできて、抱き締める力も強くなった。
gcさんに愛されている。それがとても実感されて幸福感に包まれ、恥ずかしさも感じた。
gc「ふふっ…うっしー耳も首も赤くなってる」
gcさんが首に吸い付いてくる。
gc「ッは…同じ色だ」
「このままの赤だったら誰も気づかないね」
us「~~っっ//」
俺は慌てて吸われた首に手を当てる。
ここまでされたら俺も何か返したいと思う
us「…俺もgcさんにつけていい?」
gc「ん、いいよ」
gcさんは俺からは手を離すとソファーに移動して俺を招いた。
gcさんは上着をズラして吸い付くスペースを空けてくれる。
俺はgcさんに手をついて首に唇をつけた。
チュゥゥッ♡
us「っはぁ…//ガッチさんは赤目立つからバレるね」
gc「うん、でもこれでうっしーのものって証がついた」
「俺はうっしーのだから我慢しないで好きな時に甘えてきていいんだからね?」
凄く恥ずかしいし言葉だが、gcさんの声で紡がれると身体が熱をもち、gcさんが好きだと教えてくる。
us「っ//…うん…俺もガッチさんのだから好きに甘えてきてね?//」
gc「ふふっ…うんそうする」
外から5時半を知らせる放送が鳴る。
us「もうそんな時間なのか…」
gc「ご飯作らなきゃね」
俺達は窓の外を見た。
gcさんがこちらに向き直ったのに気づく。
gc「一緒に作ろうか」
us「うん」
俺達は手を繋いでキッチンへ向かった。
俺はgcさんの首を見ながら思う。
俺はgcさんに求められてるし、求めていいんだ。
いつ甘えられるかは分からないけど、今度はちゃんと恥ずかしがらずにできたらいいな
コメント
2件
なんだろう…途中で幸せすぎて○にそうになった… 出会ってくださりありがとうございます😭 フォロー失礼いたしますッ!
うおぉぉぉぉぉぉ!!!!!! もし子供が産まれたら私は転生して二人の子になるよ…