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ご本人様関係✕
地雷🔙
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今日はハロウィン。
毎年九月三十日に行われる行事。
魔女やおばけに仮想して菓子を貰う、という行事。
昔は、自分も仮想をして大人たちに菓子を貰ったこともあったなと、過去の記憶を掘り出しながらベットに向かう。
『ハロウィンなんてバカバカしい』
外が騒がしい。
子どもが大量な菓子を持って友だちに見せている姿は見ているだけで腹が立つ。
こんな行事、早く終われよ
最低な言葉を発するが、誰にも聞こえやしない。
『とんだ馬鹿な行事でもしてろよな』
俺はおばけなんて居ないと思っている。
だって非現実的すぎるだろ?どこに居るという証明なんかあるんだ
だから俺は信じない。何も信じない。
『もういいや、寝よ』
今夜は満月で月が何倍も明るい。
俺は窓をほんの少し開けて寝た。
「…」
寝ようとした最中、開けた窓が動いた気がした。
気のせいか?
『そこに誰か居るのか?』
そう言った瞬間、月と重なって、大きな影が一つできた。
「トリック・オア・トリート!!」
『は?』
意味がわからない、ここは3階、人なんて上がって来れない。
そして何よりこいつはギョンシーの格好をしている。
「お菓子ちょーだい!」
話は急展開で進む。
小さな手でキラキラとした目でこちらを見て、お菓子を欲しいだの、頭が混乱する。
『ここ3階だぞ?!それに話進みすぎてわからん!!』
聞きたいことが山程ありすぎて、一つ一つ喋ることなんてできない。
「そうだったごめんね!」
すんなりと謝ってくれ、その衝動で言葉を返しにくく、つい無言になる。
「こさめはキョンシーで名前は雨乃こさめだよ」
『あのキョンシーか?嘘も程々にしたほうがいいぞ』
「違うよ こさめは本物だよ」
嘘だろ、と茶化すとこさめは目を尖らせた。
そして本物だと
『本当なのか?』
「嘘と思うのなら札を剥がしたら?」
中国語で書かれた札。
札を剥がすとキョンシーは凶暴化すると聞いたことがある。
妙にリアルだな…
俺は仕方なく信じることにした。
『なぁなんでここにきたんだ?』
「ん〜暇そうだったから?」
暇そうってなんだよ…
けれど暇人なので何も返す言葉がない。
「まぁとりあえずお菓子ちょーだい」
『はいはい』
戸棚の奥にあるキャンディやガムを渡した。
「わーい」
上げたキャンディは早速袋をあけ、口の中に入れてコロコロと舐めだした。
嬉しそうに食べるところを見ると俺まで食べたくなる。
「そーだ、こさめ帰る場所ないからここ住んでいい?」
急だな…
機嫌がいいのか、はりはりとした声で提案してくる。
『好きにすれば』
何か盗まれるのではないか、食べられたりするんじゃないか、不安はあったがなぜか嫌な気はしなかった。
気づけばこさめは俺のベットへ入り込んだ。
キョンシーなのか、暖かくはない。
あのハロウィンが嫌いだった俺は何処に行ったのだろう。
おばけはもしかしたら本当に居るのだろうか。
こさめはここにずっといるのだろうか。
気になることは山程あるが、今夜はただ明るい月に照らされ、まぶたを閉じた。
おまけ
『なぁ、こさめはキョンシーだろ?一回死んだのか?』
「そうだよ〜」
『何が原因で死んだんだ?』
「タンスで小指ぶつけた」
『嘘だよな?』
「うん」
『…』
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トリック・オア・トリートです🎃👻
お菓子とかいう甘いものよりも、瑞さん受けのクソ甘めぇものが欲しいと思う今日この頃です。
(長編作成中…)