夜の静寂が忍術学園を包み込む。食満留三郎は、忍たま長屋の部屋で課題を終えようと灯りを灯していた。
音がしそちらを見ると伊作が衝立の奥からこちらを覗き込んでいることに気がついた
留三郎「ん?伊作?すまない、起こしてしまったか?」
伊作「ううん…ちょっと寝付けなくて…」
留三郎「そうか。…なら眠くなるまで少し話すか?今暖かい飲み物を持ってくる」
伊作「うん。ありがとう留三郎」
留三郎は立ち上がり、手慣れた様子で食堂へ向かった
しばらくして部屋へ帰って来た。
留三郎「はい、」
伊作「ありがとう。……暖かい。」
「今日はよく冷えるからな…」
伊作は両手で湯呑みを包み込み、湯気を顔に当てながら目を閉じた。留三郎は向かいに腰を下ろし、伊作を見つめる。
伊作「留三郎はなんで起きてたの?」
留三郎「俺は…ちょっと課題が残っていて。今終わったところだ。」
伊作「そっか。お疲れ様。」
留三郎「お前こそ、眠れないなら無理しなくていいんだぞ。何かあったのか?」
伊作「うーん…なんか、落ち着かなくてさ。それに、明日は実習でしょ?ちょっと不安で…また不運が起きないかなって…」
留三郎「あぁ実習か。まあ、お前なら大丈夫だろう。それに、何かあったら俺が助けるからな」
伊作「ふふ、ありがとう。留三郎がいると、安心するんだ。」
留三郎「そうか。なら、これからもずっとそばにいてやる。…迷惑か?」
伊作「迷惑じゃないよ。むしろ、嬉しい。」
伊作は微笑み、お茶を一口飲んだ。留三郎は、その笑顔をじっと見つめている。
留三郎「…そうだ、課題もちょうど終わったから伊作がそれを飲み終わったら一緒に寝るか?」
伊作「うん。いいよ。ありがとう留三郎。」
伊作はゆっくりとお茶を飲み干し、湯呑みを片付けた。留三郎は立ち上がり、衝立を端に退け、2人の布団を真ん中へ近づけた。
布団に入ると、互いの体温がじんわりと伝わってくる。留三郎は伊作の髪を優しく撫でた。
留三郎「少しは落ち着いたか?」
伊作「うん。留三郎がいてくれるから大丈夫だよ。」
留三郎「そうか。なら、今日はゆっくり休め。」
留三郎は伊作を抱き寄せた。伊作は留三郎の胸に顔を埋め、目を閉じる。
伊作「留三郎…ありがとう。」
留三郎「どういたしまして。お前が元気なら、それでいい。」
二人はしばらくの間、言葉もなく抱き合っていた。やがて、伊作の規則正しい寝息が聞こえ始める。留三郎は伊作の寝顔を見つめ、そっと微笑んだ。
留三郎「(小声)おやすみ、伊作。」
留三郎は伊作の髪をもう一度撫で、自分も目を閉じた。夜は更け、二人は温かいぬくもりに包まれながら、静かに眠りについた。
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