テラーノベル
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「……」
保科が出ていき、再び静寂が戻った訓練室。
押し付けられたスポーツドリンクの冷たさが、熱を持った体にじんわりと染みていく。
『最強なんやろ。鳴海弦は』
あのおかっぱの生意気な声が、耳に残っている。
「……あー、クソッ」
ボクはベンチにドカッと座り込み、天井の非常灯を仰ぎ見た。
ネットの有象無象の言葉。
長官の背中。
自分の不甲斐なさ。
それらすべてが消えてなくなるわけじゃない。
この重圧を背負ったまま、ボクは生きていかなくちゃならないんだ。
ボクはスポーツドリンクのキャップを開け、一気に喉に流し込んだ。
乾ききっていた細胞の隅々にまで、冷たい水分が行き渡る。
「……見てろよ、ジジイ」
空になったペットボトルを握り潰し、ゆっくりと立ち上がった。
外野が何と喚こうが、関係ない。
次に、この基地に緊急のサイレンが響き渡った時。
誰よりも早く、誰よりも圧倒的な力で
目の前の脅威を捻り潰す。
——警報が鳴り響けば、ボクはいつだって、最強の第1部隊隊長だ。
落ちていた銃剣を拾い上げ、
鳴海弦は暗い訓練室のドアを開け、己の戦場へと歩き出した。
おわり
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うみ