テラーノベル
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2人の男女が旅をすることになった。
旅の祝福を願って、神様から2人には贈り物が渡された。
女性には開けた者の願いを叶える変わりに、全てを不幸にするという箱を。
男性には真っ黒く錆び付いた剣が贈られた。
2人は唖然としたが、何が考えがあるのだろうと、出発した。
旅の中2人は色んな物を目の当たりにした。戦争・貧困・飢え・疫病。とても悲しく辛い世界だと知った。
そんな世界を知ったせいか、2人の仲は悪くなって行った。女性は困っている人を助けようと手を差し伸べるも、男性は厄災が自分の身に降りかかるのを恐れ、女性の手を引き、助けようとする女性の手を剥がした。
そんな日々が続き、男性はフッと贈り物の箱を思い出した。男性は女性から箱を奪い取り、開けてしまった。箱を開けた途端、箱から悲鳴とも爆発音とも言えない音が流れ、それは世界中に轟ろき、恐怖を与えた。女性は男性から箱を取り上げ、閉じた。だが、箱から音は消えたが、音は人々の耳に残ってしまった。
そこから2人は別れ。男性はとある国の王となった。数年は繁栄したが、国は滅び、男性は神様から貰った錆び付いた剣で自害をした。だが、錆びた剣では上手く切れず、男性は苦しみながら死んで行った。
対して女性は、静かな森に身を寄せ、事の顛末を見届けると、自分の余命がある内に、森の精霊に頼み箱を隠すよう言い残し、亡くなってしまった。
数年がたち、森も枯れていき。森の精霊はその箱を海へと投げ捨てた。箱は今では深い深い海の底に沈んだいると言う。