溺れるクラゲ
「貴方って本当にクラゲみたいね」
と、爪を弄りながら気の強そうな美女が呟く
『私が…クラゲですか?』
「えぇ、クラゲ」
『何故?』
思わずそう言うと彼女はわざとらしく考えた素振りをして私の方を向く
「まず、クラゲって脳がないのよ、だから感情が無い。
貴方は感情の起伏があまり目立たず分かりにくい。そっくりでしょ?
それにクラゲは毒がある。毒舌な貴方にピッタリ」
軽くディスっているかの様な事をつらつらと上機嫌で言い連ねられ
私も少し顔を顰めようとしていた時
彼女が一息ついたかの様に一瞬口を噤む
すると、私の手を取りじっと私の目を覗き込むように視線を向け
口元に笑みを浮かべゆっくりと口を開ける
「それに…」
そんな事を言われ
思わず「貴方の方が綺麗ですよ」なんて言ってしまいそうになり
口を噤み、私は
「左様ですか」
と言うのだけで必死になってしまった
反対に彼女は私のそんな反応に対しても
『いつもどうりね、まぁ貴方らしいわね』
なんてこっちの気持ちしらないままサッパリとした様子で言う
今ここで
貴方の言うクラゲと私は似ても似つかないものです。
なんて、言ったら彼女は一体どんな事を言い、どんな表情をするだろうか
「何故?」と妖しげに笑うだろうか
仕方ないでしょう?
だって、クラゲは海に漂い浮かぶ生き物だが
私はもうとっくの前から
『貴方に溺れているのですから』
コメント
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(高濃度の百合によって自然消滅)
ひゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!百合ですか!?!?!?百合か!?!?!? 好きすぎるぅぅぅぅ!!!!