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調理用手袋をはめた北斗がそれぞれ手で測って、ジンジャーパウダー・パプリカパウダー、オニオンパウダー・チリパウダー
、ニンニクを二片けすりおろし、塩・コショウ全部をボウルにぶち込む
最後にすりおろしリンゴを加え、丁寧にスパイスとスペアリブを揉みこんでいる。アリスは見てるだけでお腹が空いてきた
明はトウモロコシに刷毛で醤油を塗り、スマートフォンほどある大きさの、マシュマロを串に刺し、バーベキューコンロで焼いている
アチチッと二人でマシュマロをとろーりと伸ばしながら食べる
「ふぉいしい!!生クリームみたい!」
アリスが歓喜の高い声をあげた
北斗は笑った
それでそんなに感動するなら、北斗の本気のカントリー料理を食べさせたら、どうなるんだろう
一気に楽しい気持ちが膨らむ
明はアリスとずっとしゃべっている、明が直哉と北斗以外の人間と、話すことはほぼないのに、アリスと話すことに夢中で
北斗にはまったく話しかけない
明がアリスにとても懐いていることに、驚きを隠せないしとても嬉しかった
北斗の用意したランチは
テニスボールほどある、北斗の牧場で取れたジャガイモをホイルで包んで焼き、塩コショウと特製バターの「じゃがいもバター」
それと淡路島産の玉ねぎのソテー、香りづけにローズマリーが散りばめられたスペアリブというメニューだ
クーラーボックスから色んな食材が登場するたび二人は
「わぁ!」
とか
「ほほぉ~~!」
とか嬉しそうに叫んでいる
突然決まったピクニックだったから、食料品庫からテキトーに見繕って来ただけなのに、こんなに喜んでくれるなら、もっと色々持ってくればよかったと北斗は思った
やっぱり自分はアリスの喜ぶ顔が見れるならなんでもしそうだ
アルミ製の大きなランチ皿に、それぞれ盛られた料理を前に、アリスは秘密が開かされるのを待つようにじっと北斗と明を交互に見つめている
生まれてから、一度も手づかみでものを食べたことが無いアリスは、明らかに北斗がナイフとフォークを持ってきていないのも知っていた、それとお箸も
北斗はスペアリブの骨の端と端を、両手でつかんでかじりついて見せ、柔らかくてジューシな肉汁を、噛み締めながらほくそえんでいる
明もこれ以上ないほど大口でかぶりつき、骨の端でジャガイモバターをすくって食べている
北斗はアリスが二人を見て、指先でおそるおそるつかんだスペアリブに、どう口をつければいいか思案している様子を眺めていた
可愛くて笑いそうになる
そして次の瞬間には勇敢にも、アリスがスペアリブに顔を突っ込んで、歯で肉を噛みちぎると、北斗と明が思わず歓呼する
うっとりと誇らしげに肉を噛み締めるアリスの、上唇と鼻先にはバーベキューソースがついている
北斗は笑いながらウェットティッシュでアリスの口を拭いてあげた
穏やかな日だった
風は暖かく
トラ猫母さん達はお裾分けの、大きなスぺアリブの肉を、喧嘩しながら歯でひきちぎっている
猫と義弟と愛しい妻・・・・
最高だった
シロツメクサで花冠を作りたいという明に、アリスが遠くの方で茎の長いものを、摘みに行くように勧めた
二人きりになれるチャンスだ
明が勢いよく立ち上がり仔猫を脇に抱えて、背の高い草むらの方へ駆けて行った、その後を怒ったトラ猫母さん達が続く
誰もいなくなった野原で、二人は熱く見つめ合った
二人とも同じ気持ちだった、北斗がレジャーシートの上の、アリスの隣に座って、アリスの首筋に片方の手を当てがった
アリスが狙い澄ましたキスをした、北斗が待ってましたとばかりに、舌を差し入れるとアリスは息を呑んだ
そしてその肉厚の彼の舌を吸った、吸って、絡めて、また吸った
北斗はアリスがその小さな舌を、自分の口の中で一生懸命転がし、キスに応えてくれる仕草が、どうにも心臓と下半身にぐっと来た
彼女とキスをするといつもこんな気分になる。きっと自分はアリスといる分だけ寿命が縮まってるはずだ
どこかで小鳥のさえずりが聞こえる、それとも北斗の頭の中で鐘が鳴ってるだけなのかもしれない
キスを返すけれどアリスのほうが、もっとキスをしたがっている気がして、北斗は受ける側に優しくまわった
上流階級の令嬢にキスをされるなら、こうあってもらいたいという、お手本のようなキスだ
甘くて、濃厚で、二人して夜明けの荒野にいるような、実際髪が風に吹かれて、なびいているのだから笑ってしまう
アリスが相手だと瞬間湯沸かし器のように、いとも簡単に燃え上がってしまう
彼女をこの腕に抱き、ガチガチに硬くなった股間を、彼女に擦りつけるのは無礼かもしれない。それでも北斗は自分を抑えられなかった