「レ・イ・ンくーん!」
「げッ…」
廊下の奥から軽薄な声が聞こえてくる。こんなにイラつく声はただ1人、デリザスタという1つ上の先輩だ。
こいつに構うとロクなことがないので一旦無視して歩く、だがそう簡単に行かせてくれないのがデリザスタで…
「あれれ〜?レインくんは一つ上のの先輩に挨拶もできないんですかぁ〜??」
こういうところだ、俺の嫌いなところは
「…はぁ…..おはようございます、」
「うん、おはよ〜」
何故俺なんかに付きまとってくるのか、聞いてもはぐらかされるため未だに理由が分からない。こいつは世間一般でいう「陽キャ」というヤツだ、俺からしたら鬱陶しくて仕方の無い相手なのだ。
それなのに、こいつは毎回毎回、うんざりするほど付きまとっている。
気がついたら目の前にいるのだ。
正直言ってウザイ。
「そういやさー」
「…なんです」
「弟くん、元気?」
「…..は、?」
何故、何故こいつが俺の弟のことを知っている?俺は1度も、こいつに弟がいるなんて話したことは無い、1度もだ。
「お前…何故俺の弟のことを…!」
「あはは!超必死じゃん!ウケ〜」
「はぐらかすな!正直に…!」
もし、弟になにかしていたら、俺は一生こいつを許してやれないだろう。
俺のたった1人の大事な弟、手を出させる訳には…
「オレね、レインくんのことならなんでも知ってんの」
「…ッ」
俺はまだ、こいつと知り合って1ヶ月ほどしか経ってない。
確かに、不思議な事が沢山ある。
初対面なのに何故か俺の名前を知っていたり、「アスカロン!なんちゃって〜(笑」とか意味不明なことを木の枝を振り回しながら言ったり…と、俺が過去を振り返っているとデリザスタが口を開いた。
「まずはね〜、真面目!とにかくマジメくん!でも所々天然なの、”前”なんか目からウロコって言ったらほんとに出んのかーとか、超ウケたわあれは(笑」
そんなこと、交わした覚えは一切ない。
「あとはなんと言っても弟くん思い!あとちょーぜつうさぎが好き、これは新情報!」
「な、んで…!」
「オレはね、レインくんに会えたこと運命だなーと思ってんの」
「オレ、言ったよね?”次会ったらグチャグチャのズタズタにしてやる”…ってさ」
END
コメント
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控えめに言って最ッ高です、神です、、♡