テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
1,363
#溺愛
908
無性に文句が言いたくなった。
この勢いのままなら電話できると思ってスマホの発信画面を開く。この際思ってることを全部ぶつけてしまおうか。
時刻はもうすぐ午後三時。
呼び出し音が五回鳴っても出なかったら切ろう。
プルル……と呼び出し音が鳴り、心の中で数える。何で出ないの。お願いだから出てよ。
「もう!」
このイライラをどこにぶつけていいのか分からないまま切った。昨日は電話しようと思っても出来なかったし、タイミングが悪すぎる。今は話さない方がいいってことなのかも。
「隼人君のバカ。もう知らない」
スマホを放置して部屋を出ようとした時だった。着信音が鳴ったから慌てて駆け寄る。
「はい、もしもし!」
『よぉ』
その声を聞いて画面を確認した。
そこには表示されていたのは、隼人君じゃなくて石川健太の文字。力が抜ける。
コメント
1件
ああ、もうこのもどかしさ! 出るか出ないかの呼び出し音のカウント、わかります。そして「隼人君のバカ」って呟いた直後に着信で飛びつく心情、すごくリアルで胸がぎゅっとなりました。……でも出たのは石川健太。ここで「力が抜ける」というラスト、絶妙です。相手を間違えた脱力感が、逆に隼人君への想いの大きさを浮き彫りにしてる。続きが気になります!