──家へ帰り着いて、カバンの中から『超イケメンホストクラブ』のカードキーをゴソゴソと取り出してみた。
お店の場所って、何処にあるのかな……。
カードに記載があるはずだよねと表と裏をひっくり返してみたけれど、それらしき表記はどこにも見当たらなかった。
カードの表には、
『超イケメン✧ホストクラブ』の店名と、『銀河』の名前、
裏側には、以前にも見た会員制のコンセプトが明記されているだけだった──。
「お店の住所すらも載っていないなんて……」
ホストクラブへの招待のカードなら、少なくとも住所くらいは明記されていても当然なように思えた。
「やっぱり、ただの出まかせだったのかも……」
『超イケメン✧ホストクラブ』なんていう、大学内でもあれほどのブームになっている噂を悪用して、ナンパの手口にでも使おうとする輩《やから》がいたって、ちっとも不思議じゃない気がした。
それに、このカードを渡してきたあの男のチャラチャラしたような外見からしても、そっちの方がより信憑性がありそうだった……。
「だけど、ナンパの手口の割りに、あいつったら意外にあっさりと引き下がったけど……」
そんな風に考えながら、もう一度カードを何気なく見やると、『銀河』という名前の下に、小っちゃく数字の羅列があるのが目に入った。
一度見たくらいでは気づけない程のあまりの文字の細かさに、顔を近づけて覗き込んでみると、それはどうやら連絡先であるらしかった。
(お店の電話番号を見えないような大きさにして、一体なんのメリットがあるんだか……)
と、半ば呆れつつ、私はその番号を一つずつ確かめながらスマホの画面に打ち込んでいった。
もし本当にいたずらやナンパ目的だったとしたら、一度電話をかけてみて事実が知れたら、後は着信拒否にでもしてしまえばいいと考えていた。
何よりこんなよくわけのわからないカードキーとやらをそのまま放置しておくよりも、本当は嘘なのか真実なのかを早く知ってスッキリしてしまいたかった……。
コメント
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ワクワクする🎵