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こはる
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#切ない
こはる
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コメント
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お疲れさまです、こはるさん!第11話読み終えたよ〜🌸 ニルスくんの「だから嫌い…だから人付き合いって辛い」って台詞、胸が痛かったよ😢 家族にも無理して強がってるところが切なくて…でもリナが詮索せずに紅茶淹れてくれて「何気ない話が好き」って言える空気が本当に尊すぎる…✨ 日常の優しさが沁みる回だったよ💕
第10話
マルティン様から、何となくリナのあの日の事は聞けた。
それと、その護身のための魔石と……その他諸々。
「本日は遅くまでありがとうございました」
「あぁ。こちらこそ夜分遅くまでありがとう。どうぞよい夜を」
「はい。お互いよい夜を」
俺はマルティン様を最後まで見送った。
二階へ上がると、夜ご飯のスープが鍋に入ってて、ソファーの上でリナがウトウトしていた。
父さんは、風呂場の方にいて、母さんは部屋で多分道具の修理をしている。
俺は、ぬるいスープを飲んでから、リナを部屋運ぼうとしたらむくっと起き上がった。
「ん〜…………ニルスさん……?」
眠い目を小さな手で擦りながら黒い瞳で俺の事を見た。
「もう、遅い。寝てろ」
「え? もう、そんな時間ですか……?」
そう言ってリナは窓の外を見た。
今はもう太った半月が傾いている。深夜となる頃だろう。
「いつの間に……」
「あぁ。だから、早く寝ろ。風邪をひくぞ」
「はい。ふぁぁ〜……」
大欠伸をしながら階段を上がって行った。
俺はそれを見届けてから自分に回復魔法をかけた。
それと同時に、父さんが風呂から上がって出てきた。
「ニルス。学校から連絡があった。何でそんな事になったのか話を聞きたい」
その話か……嫌だな。
「大丈夫。もう治したから問題はないから気に……」
「傷だけの問題じゃない。お前、リナを看病している時、殆ど寝てなかったんだろ。それだけじゃない。孤立してるんじゃないのか? その前にも裏路地で嫌な話があったと聞いた」
あぁ、もう!
嫌な話って……俺だって辛い。
戦力は皆無。
体術、剣術は出来ないし、体力だって無いし、攻撃魔法だって苦手。
だから、必死こいて得意な治癒魔法とか、光魔法を伸ばしてきた。なのに、あいつらがっ……
「父さん。もうその話はしないで。俺は大丈夫」
冷たい声で吐き捨てるように言ってから俺は部屋に戻った。
❂
学校の放課後。
俺は、いつも通りラルフと途中まで帰ってそのまま帰ろうとした。
ふと、後ろに魔力があると気づいて振り向くと後ろを振り向くと殺気を帯びたノエルとハンスがいた。
二人とも組手ではトップクラスで強い。
「ねぇ。何、呑気に欠伸なんかしてたの?」
「人の事情も知らずに口を出すのは辞めてくれないか?」
「もしかして、反撃できるように、夜遅くまで練習してたりするのか?」
ハンスが鼻で笑いながら俺の胸ぐらを掴んで裏路地へ投げた。
いつもの光景。
俺は、魔道具師の息子という肩書きを産まれながら持ってる。それが気に食わない奴らがこうして毎日のように絡んでくる。
でも、ここからは初めての領域だった。
俺が起き上がる前に、腹を踏んで身動きが取れなくされた。苦しい。
次は脇腹を蹴られ、頭も殴られた。
……だから嫌い。
だから、人付き合いって辛い。
その後は、掃除当番だった隣のクラスの女子が見つけて学校に報告した。
傷は自分で治したし、制服の傷は時空魔法で何とかした。
先生には、色々言われたけど、面倒だった。要らないお節介。
でも、まだ傷は治しきれてない。最近、寝不足だったからか、ボロが出た。
二人の両親は呼び出されていたけれど、俺は軽く許した。親に恥かかせたらもう、やれないだろう。
それから、マルティン様と話をしてリナの話を聞いた。
❂
……本当、嫌。なるべく、一人にしてほしい。
ダサいじゃん……負けるなんて。父さんまでそんな事を……
俺はベッドの中で、心身の疲労がどっとのしかかってきてぐっすり眠れた。
翌日。
今日は、学校休み。
いつもより遅く起きて、いつもより遅い朝ごはんを食べた。
「あれ、今日は休みなんですか?」
リナがそう言いながら紅茶を出してくれた。
「あぁ」
リナが俺の顔を見つめながら「傷……」と呟いた。
え? どこ?
「首元……これで見てください」
そう言って手鏡を渡してくれた。
俺は、鏡の中をみたらしばらく固まった。
昨日は、首元が隠れる服で見えなかったらしい。
切傷と痣が無数にあった。
「すまん。気付かなかった」
「私に謝られても……あ、ほら、紅茶が冷めちゃいますよ」
「そうだな」
俺は少しぬるくなった紅茶を飲んだ。
リナが紅茶を淹れると美味しい。茶葉がいいのかと自分で淹れてみたけど、いまいち上手くいかなかった。
「美味しい。どうやって淹れるんだ? 俺にはどうやっても、こんな美味しく淹れられないんだ」
俺は首元の傷を癒しながら何気ない話を始めた。
リナも、その話に乗ってくれる。この空気がとても居心地がいい。
詮索されない、この何気ない話が好きだ。