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みぅです、読みました…🥀 もう、最初から最後まで胸がいっぱいになりました。指輪直して戻ってくる展開、分かってたのに「おかえり」って渡辺が呟いたところで泣きそうになりました。形変わっても同じ指輪、っていう涼太の想いが本当に優しくて。一週間の沈黙があったからこそ、このサプライズがめちゃくちゃ刺さりました。メンバーみんな巻き込んで笑いもあって、愛しい作品です…🤍✨
指輪が二人の左手からなくなって、一週間。
指輪が直るまでには後一週間かかる。
その日はメンバー全員で、ケーキの食リポ撮影だった。
色とりどりのケーキが次々と運ばれてくる。
「うわ、これ美味い。」
「クリーム軽いね。」
「フルーツめっちゃ乗ってるやん!」
いつも通り賑やかな収録。
渡辺もカメラが回っている間は、いつも通りだった。
「これ甘すぎなくていい。」
一口食べて。
きちんとコメントして。
笑うところでは笑った。
けれど。
「……。」
カメラが自分から外れた瞬間。
渡辺の表情から笑顔が消えた。
後、一週間。
たった一週間なのに。
左手を見るたびに、まだ落ち込む。
何もない薬指。
宮舘からもらった大切な指輪。
修理に出しているだけ。
戻ってくる。
分かっているのに。
「翔太。」
隣の宮舘が小さな声で呼ぶ。
「何?」
「ケーキ、食べられてる?」
「……食ってる。」
「本当に?」
渡辺は小さく頷いた。
でも。
ほとんど喉を通らなかった。
次に運ばれてきた皿が。
渡辺の前に置かれた。
「……え?」
渡辺の動きが止まった。
皿の中央には。
小さなガトーショコラ。
その隣には季節のフルーツ。
そして。
その周りを囲むように。
チョコレートで丁寧な文字が描かれていた。
『翔太 これからも俺の隣で笑っていてください』
「……。」
渡辺は。
その言葉を知っていた。
忘れるはずがなかった。
視線を少し動かす。
メッセージの隣には。
小さなリングケース。
「……嘘。」
渡辺の声が震えた。
「これ……。」
宮舘がサプライズでプロポーズしてくれた日。
あの日と。
同じデザートだった。
「え!?」
最初に大きな声を出したのは佐久間だった。
「待って待って!」
康二も驚いている。
「これ、あの時の写真のケーキ!」
「舘さん!?」
深澤が宮舘を見る。
岩本も状況を理解したらしく、目を見開いている。
「聞いてないんだけど。」
阿部も驚いたまま宮舘を見る。
ラウールはすぐにリングケースへ気付いた。
「……もしかして。」
でも。
渡辺には。
もう周りの声が聞こえていなかった。
「……涼太。」
涙が落ちた。
カメラが回っていることも。
メンバー全員がいることも。
スタッフが見ていることも。
どうでもよかった。
「なんで……。」
次々と涙が溢れる。
宮舘はそんな渡辺を見て。
優しく笑っていた。
「一週間、よく頑張ったね。」
「……何それ。」
「ずっと落ち込んでたから。」
「だって……。」
渡辺は何もない左手を握る。
「大事だったから……。」
「知ってるよ。」
「だからサプライズ。」
宮舘がリングケースを手に取った。
「翔太。」
そして。
ゆっくり開ける。
中には。
二つの指輪。
「……。」
渡辺は涙を拭うことも忘れて、それを見つめた。
前の指輪とは。
石の留め方も。
リングの形も。
変わっていた。
でも。
渡辺には分かった。
「……これ。」
宮舘を見る。
「前の指輪?」
「うん。」
渡辺の目から、また涙が溢れた。
「新品じゃないの?」
「違うよ。」
宮舘は一つを手に取る。
「二人の指輪を、作り直してもらった。」
なくなった石は新しいものになった。
でも。
リングそのものは。
二人が今まで身につけてきたもの。
「もう同じことが起きにくいように、石が外れにくい作りに直してもらったんだ。」
「……。」
「だから少し形は変わったけど。」
宮舘は笑う。
「翔太が大切にしてた、あの指輪だよ。」
「……涼太。」
渡辺は顔を覆った。
「無理……。」
「翔太?」
「俺、今絶対ひどい顔してる。」
「大丈夫。かわいいよ。」
「うるさい……。」
完全に泣いていた。
メンバーも。
さっきまで驚いていたのに。
今度は何人か目元を押さえていた。
「舘さん、それはずるいって……。」
深澤が呟く。
「俺まで泣きそう。」
阿部も目元を拭う。
佐久間はもう普通に泣いていた。
「だってずっと翔太落ち込んでたじゃん!」
「佐久間まで泣くなよ……。」
そう言う渡辺も泣いている。
目黒が宮舘を見る。
「これ、いつから考えてたの?」
「翔太の指輪を修理に出した日から。」
「え?」
渡辺が顔を上げる。
「じゃあ……。」
宮舘は少しだけ申し訳なさそうに笑った。
「俺の指輪の石が取れた時、ちょうどいい機会だと思ったんだ。」
「……。」
「二つとも同じように直してもらおうって。」
渡辺は呆然と宮舘を見つめた。
宮舘は。
リングケースから渡辺の指輪を取った。
「翔太。」
渡辺の左手を取る。
「直ったら、また俺がつけるって約束したよね。」
「……うん。」
「だから。」
宮舘が笑う。
「左手、貸して。」
渡辺は。
震える左手を差し出した。
薬指に。
ゆっくり指輪が通される。
一週間ぶり。
ずっと寂しかった場所に。
大切な指輪が戻ってきた。
「……おかえり。」
渡辺が小さく呟いた。
宮舘が笑う。
「おかえりだね。」
渡辺は何度も指輪を見る。
少し形は変わった。
でも。
間違いなく。
自分の大切な指輪だった。
「涼太も。」
渡辺がもう一つの指輪を取った。
「つけてあげる。」
「翔太が?」
「俺がつけるって約束したじゃん。」
「そうだったね。」
今度は宮舘が左手を差し出す。
渡辺は。
宮舘の薬指へ、ゆっくり指輪を通した。
二人の左手に。
もう一度。
お揃いの指輪が並んだ。
「……もう壊れない?」
渡辺が聞く。
「前よりずっと丈夫だって。」
「そっか。」
「うん。」
「……よかった。」
ようやく。
渡辺が笑った。
一週間ぶりに。
心から安心したような笑顔だった。
宮舘はその顔を見て。
渡辺の涙を指で拭った。
「これからも俺の隣で笑っていてください。」
皿に書かれた言葉を。
今度は直接伝える。
渡辺は泣きながら。
それでも笑って答えた。
「……いるよ。」
「うん。」
「ずっといる。」
___________
しんみりした空気の中。
阿部がぽつりと言った。
「……ところでこれ、食リポ撮影だったよね?」
「そうだった。」
目黒が笑う。
「完全に忘れてた。」
スタッフからも笑い声が聞こえる。
佐久間が渡辺の皿を指差した。
「翔太! 最後にガトーショコラの食リポ!」
「今!?」
「仕事だから!」
「こんだけ泣かせといて!?」
全員が笑った。
渡辺も涙を拭いながら、ガトーショコラを一口食べる。
「……美味い。」
「感想それだけ?」
「今は無理!」
また笑い声が広がった。
渡辺は左手の指輪を何度も眺める。
なくした石は戻らなかった。
形だって少し変わった。
それでも。
二人の思い出を重ねてきた指輪は。
前より少し強くなって。
もう一度、二人の左手へ帰ってきた。
そしてその日から渡辺はしばらく。
指輪を見るたび、嬉しそうに左手を眺めてしまうようになった。
三文小説
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