kyng side
「ねぇねぇ小柳くん、犬になってくれません?」
「は?」
何を急に言い出すんだコイツ。イチャつきながらベッドの上でダラダラというただのカップルだったのに、急にSM?になってしまう所だった。
「なんか〜、犬欲しいけど世話は面倒臭いし…。ってことで小柳くんを俺のワンチャンにしちゃおっ!ってことですよ。」
そうだ、最近星導は俺の目の前で動物、主に犬の動画や写真を見て「可愛い〜♡」とかほざいてたな。俺が居るのに。
「て、俺犬じゃねえよ。白狼な?」
今思い出したかのように目を泳がす星導。白狼だからな?
「ま、まぁ…。兎に角!、お願いしますよぉ…。ね?可愛い恋人のお願いでしょー!!」
ここまで粘られるとは…。
「しょうがねぇな…。だけど、次はお前が犬になれよ?」
「!っやったぁ!じゃあ首輪付けてください!」
目をキラキラ輝かせて子供のようにはしゃぐ星導。なんで首輪持ってんの?
「はい、付けたぞ。」
「わぁっ!小柳くん…。なんか、似合うねぇ…」
似合うってなんだよ。マジで犬じゃねえから。狼だから。
「小柳くんっ!お手!」
「はぁ?!! 」
「いや、普通でしょ。俺の犬なんだから。」
そっか、そうだったわ。呆れたように首を振り、「ほら、お手は?」と楽しそうにする星導。
「はぁ…。ん。」
「やーん!可愛い!かっこいい!好き
!!!!」
仕方なくお手をしてやると幼児と女オタクの狭間のような喜び方をした。チョロすぎないか?
「飽きた。」
そろそろ犬をやるのは飽きた。それより、星導を犬にしたい。
「えー…。しょうがないですねぇ、」
ムスッとしたかと思えば笑顔で「付き合ってくれてありがとうございました。」と言うものだから、己の加虐心に火がつく。
「次は、星導が犬になるよな? 」
「え、?」
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