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暑い真夏の日
私と彼しかいない
二人きりの海
海の向こう側で誰かが動いてる
高い岩の場所から
海を覗き込んでるうちに
身体が海の中に沈んでいた
彼と一緒に
首を絞められて
息ができない
___「ゴポッ…」
「ニコ…」
でも嫌じゃない
私が彼で染まっていった
あの日の夏の始まりの日を
未津「ムッス~…」
唯月「……」
kyo「ッッ…ww」
フジコ「そんな顔しても許さないわよペラ…」
未津「フジコの高年期~」
唯月「オババ~」
フジコ「そんなに言っても骨しか残さないわよ~?ニコ」
未津「ほぉらwす~ぐ拳一筋じゃん…w」
唯月「怪力ゴリラで草~」
美術部Dクラス
今日もやらかし二人組は
絶賛フジコに説教され中だ
未津「てかさ~?そもそも私悪くなくなぁ~い?」
唯月「あれはフジコが外したのが悪いってゆーか?」
フジコ「アンタ達が全部悪い」
未津「理不尽ってこれのことか」
唯月「みっちゃん、またそんなこと言ったら高年期なんだから…」
フジコ「処す…今度こそ…シュ~…」
唯月「こわ、口から煙出てるんだけど」
「フジコ先生~!」
フジコ「なにかしら?ニコ」
唯月「こわ」
未津「フジコじゃない、誰だお前😶」
フジコ「ゴンッ!」
未津「いッッッッたぁ゙!」
唯月「…w」
「はッ!またシバかれてるとか…それでも先輩なんですかぁ゙ ?w」
未津「ん、でも実力では千颯ちゃんより上だよ?w」
千颯「んだとッ…!💢」
Cクラス
国内で銀賞などを採る少女
唯月と同じコンクールに出るものの
毎度天ヶ瀬唯月により金賞は取れず
また
未津や唯月などの天才に嫌悪を抱く
唯月「まあまあ…w千颯ちゃんも上手いと思うよニコ」
千颯「え、え~///」
千颯「じゃなくてッ!!」
千颯「ぜッッッッッッッたいに見下してますよねぇ゙?!」
未津「あッははははッ!w」
フジコ「千颯さん…この子達の相手はやめなさい…」
フジコ「それで?話があるんでしょう?」
千颯「あ…これなんですけど…スッ…」
唯月「どれどれ~?ヒョコ」
未津「どれどれどれ~?」
フジコ「ん~…何か足りないわ…」
未津「うわ~…なんだろ…この気持ち悪~い感じ…」
唯月「何か…変?な感じが…」
千颯「フジコ以外の人は愚弄しにきたんですか??????」
未津「いやいや…率直な感想だよ~」
未津「だってこれ海でしょ?」
未津「なのに何か…不自然?」
唯月「何だろ~…」
フジコ「…岩と貝殻じゃないかしら?」
フジコ「嫌でも…これは私にとっての海と違う…?」
未津「あ、それかも」
千颯「?」
千颯「でも岩のない海だって(((」
フジコ「きっとそれが千颯さんの”海”なんでしょう」
フジコ「良くも悪くも千颯ちゃんと私達とじゃ違う、」
千颯「グッ…!」
フジコ「そのさらに想像を超えなくっちゃ…ね?」
フジコ「ただの砂浜だったら面白くない…スッ」
フジコ「未津、今から海を描けるかしら?」
フジコ「特に制限はなしよ」
未津「ん~…ポリポリ」
未津「別にいいけどさ~…」
未津「明日まで待ってくれるなら、全然いいよ~」
唯月「じゃあ私も描こっかな~」
フジコ「じゃあ、今日の課題はそれ」
フジコ「いいわね?」
対比組「「り~w/りょ~」」
未津「~~~♪」
kyo「めっちゃ楽しそーやん…w」
イヤホンをかけながら
音楽を聞く
夜に描くのと
朝に描くのとではまた雰囲気が異なってくる
未津「そう見える~?w」
kyo「おんw」
でもだからこそ描くのは楽しい
明日の朝に描いたらどんなふうに出来上がるのかなって
楽しみで楽しみで
未津「あぁ……」
そこに映るのは溺れる青年と少女
その海の底は星々が散らばっている
その星の数々の後ろに薄っすらと見える
観客席に座る人間
未津「ダメ、いまいちだな~…ポリポリッ」
kyo「え~?めっちゃ上手いのに~」
未津「つまらない…全然出来てない…」
kyo「……思い込みすぎちゃうか?」
未津「それくらいが丁度私にはいいんだよw」
未津「海…海…」
そんなことをつぶやきながら
ふと昔のことが頭によぎる
嫌な思い出というより
私の中の美しい思い出
溺れる青年
私の神様
未津「……海か~…スッ」
未津「忘れられない…結果的には未練ありまくりじゃないッw」
kyo「???」
未津「はぁ゙~…描き直そ…グシャッ」
フジコ「はい、じゃあ二人共」
フジコ「昨日言ってたやつは持ってきたかしら?」
唯月「はいは~い」
未津「ん~」
フジコ「じゃあまず唯月から…」
フジコ「……」
千颯「はッ…?これッ…」
唯月「海でしょ?海には生き物も居るからね」
唯月「クラゲの光る幻想さを表した」
フジコ「うん、良いと思うわ」
フジコ「相変わらずの想像力ねw」
唯月「まあまあってとこかな…ヘラw」
フジコ「じゃあ次未津」
未津「はいよ~ガタッ」
フジコ「?2つ描いたの」
未津「ん~…朝と夜に描くとまた色々違うんだよ~?バサッ!」
唯月「これ…」
未津「夜は海は真っ暗で何も殆ど見えない」
未津「けれどほのかに月光が深海に映り込む」
唯月「この溺れてるのは?」
未津「え~っとね…神さん?みたいなやつ…w」
唯月「……ただの男の子にしか…スッ」
フジコ「……どっちもいい感じね~…」
フジコ「朝はどうなの?」
未津「朝はね~…」
未津「はい、どーぞ」
フジコ「……」
フジコ「却下よ、この絵は…”普通の人々”に表すものじゃないわ」
千颯「ッ…」
未津「どんな絵を描こうと私の好きでしょ?」
フジコ「これが…これが何を意味するか分かってていってるの?」
唯月「絵画は…影を映す…」
唯月「それがみっちゃんの影なんだよ、」
唯月「もし…みっちゃんの影を…それを否定するなら…」
未津「ッ…w」
フジコ「無理ね、だって貴方は私の教え子じゃないもの」
フジコ「私は誰にも勝てない代わりに」
フジコ「誰にも私に勝つことはないのよ」
フジコ「ただし…もし私の”美”を否定するなら…」
唯月「……」
未津「はいは~い、終わりにしよ~」
未津「まあ二度とこの系統の絵を書かなきゃ良いんでしょ?」
フジコ「別に個人で描くのは良いとしてよ…はぁ…」
フジコ「後輩の目の前はやめなさいね」
未津「へーへー…w」
千颯「私はッ…まだ辿り着けないッ…ボソッ」
唯月「……千颯ちゃん…?」
千颯「やッッッッッぱりアンタ達天才が憎いッ…!」
未津「天才…はて、それは何処から何処までが?クル…」
未津「天才とは…本当は何処にもいない」
未津「私も唯月も…フジコさえも…スタスタ」
千颯「じゃあッ!アンタ等は何なのさッ!バッ!」
未津「君達と同じさ、」
未津「子供の描く絵に価値をつける」
未津「そんなクソッタレな奴らが幼い子供に叩き込んだ」
唯月「……」
未津「結果…大抵の人間は本来の自分を見失った…スリッ…」
触れる冷たい窓ガラスは
私の体温を奪っていった
少しずつ少しずつ
まるで何かを欲しているように
未津「千颯ちゃん、お前もその1人だよニコ」
千颯「ッ!!」
あぁ、今にも壊れそうな顔をしている
これもまた…
フジコ「千颯ちゃん…Cクラスに戻って続き描いてきなさい、」
千颯「ッ……はい…スタスタッ…」
ガララ…
唯月「言い過ぎだよ…あの子頑張ってるのに…ジッ…」
未津「だからこそだよw」
未津「期待してるんだ…エムにも千颯にも…」
唯月「……させない…そんなの私だけでいい…ボソ」
未津「……チラ」
彼女のその言葉の深さは
きっと触れてはいけないことだとわかった
恨みがあるわけでもない相手の秘密を探るほど
私は感情深さはない
ただ
寂しそうだなと思っただけにしておくとしよう
次回➳愛 情 表 現
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