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#カラフルピーチ
Ayaka0826
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#カラフルピーチ
しぁ@krpt
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第37話 一緒に
――俺たちは、学校を飛び出した。
カラフルな街が、瞳を虹色に染める。
冷たい風が頬を撫でる。
ヒロくんの右手には俺。
左手にはたっつん。
ヒロくんは俺とたっつんに引っ張られるようにして走っている。
🩶「……ねぇ!」
隣から、ヒロくんの声。
🩶「ほんとにどこに向かってるの?」
💚「ん?」
🩶「だから……どこに行くの!?」
💚「さあ?」
🩶「さあ!?」
ヒロくんが、少しだけ不安そうな目をしている。
すると、追い討ちをかけるように、たっつんが口を開いた。
💛「俺らも知らん。」
🩶「たっつん先輩まで!?」
💚「まあまあ。」
俺は笑いながら、ヒロくんの手を引いた。
💚「とりあえず、行ってみよー!!」
🩶「とりあえずって……。」
💚「細かいこと気にしない!」
🩶「いや、気にするって!」
💚「ほら!見えてきた!」
俺が指差した先。
そこには、小さなカフェがあった。
カラフルな屋根がついたお洒落なカフェ。
大きな窓ガラスにキラキラと光が反射している。
💚「ここ!」
🩶「……カフェ?」
💚「そう!」
💛「カフェかー…お金あるん?」
💚「あるある!多分!」
🩶「なんでカフェなの?」
💚「なんとなくだよ!」
🩶「なんとなく!?」
ヒロくんのツッコミが、少しだけ大きくなった。
――でも、さっきより表情が柔らかい。
それだけで、ちょっと嬉しくなった。
* * *
カフェに入ると、暖かい空気に包まれた。
💚「うわー!あったかーい!」
💛「お前は子どもか。」
💚「だって外寒かったんだから仕方ないじゃん!」
たっつんが呆れたように笑う。
俺たちは席に座り、メニューを開いた。
💚「ヒロくん、何にする?」
🩶「え?」
💛「好きなの選んでええで!奢ってあげる!」
💚「それはズルくね!?」
🩶「……い、いやそんな…俺はいいよ。」
ヒロくんが手を振り、遠慮をする。
💚「ダメ!」
🩶「え?」
💚「今日はヒロくんの日なんだから!」
🩶「……俺の日?」
💚「そう!それにせっかく奢ってもらえるんだからさ!」
💛「いっぱい食べ?」
俺はメニューをヒロくんの前に置いた。
パンケーキ、メロンソーダ、プリン、コーヒー。
色とりどりの美味しそうな食べ物がずらりと並んでいる。
💚「これ!全部ヒロくんが決めていいよ。」
🩶「でも……。」
💚「ほら。好きなの選んで。」
ヒロくんは少し困った顔をしながら、メニューを見る。
めちゃくちゃ迷ってそう。
でもこういうところもヒロくんらしい。
🩶「えっとー…」
しばらくして。
🩶「……じゃあ、これ。」
メロンソーダのフロートを指さしている。
💚「おっ! それ美味しそう!」
💛「じゃあ俺も同じのにしよ。」
💚「たっつんまで?」
💛「なんとなくー。」
💚「じゃあ俺も!」
三人で顔を見合わせる。
そして。
🩶「……ふふっ。」
ヒロくんが少しだけ頬を赤くして、小さく笑った。
――よかった。
ちゃんと笑ってくれた。
注文したメロンソーダがテーブルの上に置かれる。
一口飲む。
💚「うまっ!」
思わず声が出た。
💛「ほんまやな。」
🩶「……美味しいね。」
💛「甘党王子?」
ヒロくんはさっきよりも、ずっと楽しそうな顔をしていた。
俺はそれを見ながら思った。
……こういう時間も、悪くないかも。
何か答えを出さなくても。
ただ一緒にいるだけでも。
人の心って、少し軽くなるモノなのかもしれない。
💚「じゃあ、次行こ!」
🩶「え?」
💚「次!」
💛「もう出るん!?」
💚「だって早くしないと日が暮れちゃうじゃん!」
💛「どこ行くんや?」
💚「それは――」
俺は窓から見える、カラフルなぬいぐるみやおもちゃが見えるお店を指差した。
💚「ゲーセン!」
💛「急やなぁ……。」
🩶「…いいね。」
💚「えっ!?」
俺が驚いてヒロくんを見る。
さっきまであんま乗り気じゃなかったのに!
🩶「……なんか、楽しそうだし!」
ヒロくんが目を細める。
💚「よーし!」
俺は立ち上がった。
💚「じゃあ行こう!!」
* * *
―――ポトッ。
💚「わぁああ!!」
💛「じゃぱぱ、うるさい!迷惑やって!!」
💚「だってあとちょっとだったんだよ!?」
ゲームセンター。
俺はクレーンゲームでヒツジのぬいぐるみと戦っていた。
💚「たっつんもやってみて!」
💛「えー…」
🩶「がんばって!」
💛「よし、ヒロくんのために絶対にとるわ。」
たっつん、ヒロくんに甘くない??
チョロいやつだなぁ。
たっつんがお金を入れ、アームを動かす。
💚「そこじゃない!もうちょっと右!」
💛「右ってどっち?」
💚「こっち!」
🩶「これ取れるの?」
決定ボタンを押す。
💛「……あ…ごめん。」
まだ終わってないのにもう謝ってる。
アームがぬいぐるみを持ち上げる。
…ポトッ。
ぬいぐるみが取り出し口の端を掠めて落下する。
💚「…………。」
🩶「…………。」
💚「……もう一回!」
💛「出た。」
🩶「じゃぱぱさん、さっきからそればっかりじゃない?」
💚「だって悔しいじゃん!」
🩶「でも、もう何回も……。」
💚「取れるまでやる!」
🩶「……ふふ。」
ヒロくんが笑った。
💚「なに?笑」
🩶「いや……。」
ヒロくんは少しだけ俺を見る。
🩶「じゃぱぱさんって、本当、諦めないね。」
💚「え?」
🩶「何回失敗しても、もう一回って。」
💛「こいつはずっと諦め悪いで。」
💚「あー……。」
俺はクレーンゲームを見ながら笑った。
ヒツジのぬいぐるみと目が合う。
💚「だって、取れるかもしれないじゃん。」
🩶「……。」
💚「やってみないと分かんないし!」
その言葉を聞いて。
ヒロくんは、少し黙った。
🩶「……そう、だね。」
💚「よし!」
俺はまたお金を入れた。
💛「アホやなぁ…」
💚「いや、今度こそ――!」
アームを動かし、決定ボタンを押す。
ゆっくりアームが降りる。
ガシャン。
アームが景品を掴む。
💚「おおっ!?」
景品が少し持ち上がる。
💚「いける!!いける!!」
そのまま。
取り出し口の真上へ。
―――ポトッ。
💚「取れたぁぁぁぁぁ!!」
💛「うるさ!」
🩶「すごっ!!」
💚「やったー!!」
ヒツジのぬいぐるみを取り出し口から取り出す。
🩶「ほんとに取れるんだ。こういうの!」
俺はヒツジのぬいぐるみを抱えて、ヒロくんに近づく。
💚「これ、ヒロくんにあげる!!!」
🩶「え!?なんで!?」
💚「いいじゃん!細かいこと気にしない!」
🩶「え?でも…」
ヒロくんにぐいーっとぬいぐるみを押し付ける。
ヒロくんがぬいぐるみをやっと受け取る。
💛「あはは、そっくりやん笑」
💚「ほんとだ!」
🩶「そ、そっくりって…」
ヒロくんがぬいぐるみをじーっと眺める。
🩶「…確かに。」
💛「やろ!」
ヒロくんがぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる。
その横顔は。
耳が赤くて。
でも、今日初めて見るくらい、楽しそうだった。
* * *
しばらく遊んだあと。
俺たちはファミレスに入った。
席に座る。
💚「楽しかったね〜!ヒロくん!!」
🩶「うん!」
💛「ヒロくんの相談なのに、じゃぱぱが一番遊んどったな。」
💚「たっつんだって楽しそうだったじゃん!」
💛「俺は付き合ってただけや。」
たっつんがぷいっとそっぽを向き、ヒロくんの方へ近寄る。
💚「ほんとかなー?」
💛「ほんま。」
💚「ほんまかぁ。」
大丈夫。
お金はまだある、はず。
💚「何頼むー?」
💛「さっき食べたばっかだからお腹いっぱい。」
🩶「えぇ!たっつん先輩少食。」
💛「ちゃう逆。ヒロくんとじゃぱぱが食べ過ぎ。」
💚「じゃあこれ頼も!!」
フライドポテトを注文する。
💚「…」
💛「…」
🩶「…」
少しだけ静かになった。
さっきまでずっと笑っていたから。
その反動なのかもしれない。
注文したフライドポテトが届く。
でも、誰も手を伸ばさない。
🩶「……今日。」
ヒロくんが口を開いた。
🩶「めっちゃ楽しかった!」
💚「うん!」
🩶「なんか……久しぶりに、何も考えずに遊んだ気がする。」
ヒロくんが軽く目を伏せる。
顔を少し赤らめて。
その表情がなんだかサマになってる。
まるで王子様みたいな。
俺は笑った。
💚「じゃあ、成功だね!」
🩶「成功……?」
💚「ヒロくんが、年相応に、子どもらしく遊べて。」
💛「そうやなぁ。」
🩶「…でも。」
ヒロくんの声が小さくなる。
少し俯く。
前髪が顔にかかっていて表情が読めない。
🩶「……夢のことは、まだ怖い。」
たっつんが静かにヒロくんを見ている。
どこか、心配そうに。
🩶「先生になりたいって思っても。」
💚「……。」
🩶「俺なんかにできるのかなって。」
💚「……うん。」
🩶「子どもたちの前に立って、ちゃんと話せるのかな。」
ヒロくんが顔を上げる。
不安そうに瞳が揺れている。
💚「……。」
🩶「勉強だって、もっと頑張らないといけない。」
ヒロくんが、自分の手元に視線を落とす。
🩶「俺より向いてる人なんて、いっぱいいる。」
💚「……。」
🩶「だから。」
少しだけ笑った。
――卑下するように。
🩶「やっぱり、諦めたほうがいいのかなって。」
さっきまでの明るい空気が。
少しだけ、重たくなった気がする。
俺はヒロくんを見る。
その目は虚無。
モノクロで、色がない瞳。
そして。
たっつんを見る。
たっつんも、俺を見る。
目が合う。
カラフルで、向日葵色の瞳。
言葉は交わさない。
でも。
――分かる。
俺たちがここに来た理由は。
ただ遊ぶためなんかじゃない。
最初から、『目的』があった。
💛「……ヒロくん。」
たっつんが、ゆっくり口を開いた。
💛「不安になるのは、普通やで。」
🩶「……え?」
💛**「夢ってのは、大きければ大きいほど、怖くなるもんや。」**
ヒロくんは黙って聞いている。
💛「大きければ大きいほど、現実味が薄くなって、空虚な妄想に見えてくるもんや。」
🩶「…。」
💛「やからさ、簡単に叶うなんて、俺は言わない。…言えない。」
🩶「……。」
💛「勉強せなあかんこともあるやろうし。苦手なことも、これからいっぱい出てくると思う。」
たっつんは、まっすぐヒロくんを見る。
💛「でも。」
少しだけ、優しく微笑んで。
💛「怖いからって、今すぐ諦める必要はないんちゃう?」
🩶「……。」
俺も、口を開いた。
💚「そうだよ。」
ヒロくんが俺を見る。
💚「不安でもいいじゃん。」
🩶「……。」
💚「できるかなんて、分からなくてもいい。」
俺は笑った。
たっつんも笑う。
💚「だって、やってみないと分かんないんだからさ!」
🩶「……。」
💚**「理由なんていらない。」**
俺は、拳をぎゅっと握った。
💚**「一緒にやってみよう!」**
ヒロくんの目が、少しだけ見開かれた。
瞳に光が映る。
🩶「……一緒に?」
💚「うん!」
🩶「でも……。」
💚「大丈夫!」
ヒロくんの肩に手を添える。
💚「俺は、なんでも相談部だからね!」
🩶「……。」
💚「君をどこへだって連れて行くよ!」
💚「困ったら相談して。分からなかったら一緒に考える。疲れたら休めばいい。」
そして。
💚「それでもダメだったら――」
俺はニッと笑った。
💚「また考えればいい!」
たっつんが呆れたように笑う。
💛「相変わらず、勢いだけはすごいなぁ。」
💚「勢い大事!」
🩶「……ふふっ。」
ヒロくんが笑った。
今度は。
瞳に色が付いた。
水色がかったグレーの透き通った瞳。
ヒロくんだけの色。
🩶「……ありがとう。」
💚「うん!」
窓の外を見る。
いつの間にか、空は少し朱色になっていた。
もうすぐ日が暮れる。
💚「あ、待って。ポテト全然食べてないじゃん!」
💛「冷める前に早く食べなきゃ!」
🩶「えぇ!?」
急いでフライドポテトを口に詰め込む。
💚「…よし、行こっか。」
🩶「どこへ?」
ヒロくんが聞く。
俺は少し考えて。
笑った。
💚「………公園。」
🩶「公園?」
💚「うん。」
たっつんも立ち上がる。
💛「最後の寄り道やな。」
俺たちは店を出た。
💛「あの…公園な。」
たっつんが少しだけ懐かしむような、寂しそうな表情をしている。
冷たい風が吹いている。
でも。
さっきより、少しだけ。
暖かく感じた。
――まだ、答えは出ていない。
ヒロくんの不安も。
夢も。
何も解決していない。
それでも。
俺たちは、もう一歩だけ。
前に進んでいた。
あとは――。
最後の場所へ。
あの、公園へ。
三人で歩いていこう。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
間に合わなくて、ほんとにごめんなさい笑
アンケートもありがとうございました!
第38話は多分間に合わせます、今配信聞きながら書いてます!!!
次回 第38話 ?? ♡100↑
コメント
2件
次がめっちゃ楽しみ!
うわ、第37話、めっちゃ良かったです……! カフェで三人が黙って同じメロンソーダを選ぶところとか、ゲーセンでじゃぱぱさんが絶対に諦めない姿とか、一つ一つのシーンに「一緒にいることの意味」がぎゅっと詰まってる感じがしました。特に、たっつんが「夢は大きいほど怖くなる」って現実を認めた上で、でも今すぐ諦めなくていいって言った言葉、すごく響きました。ヒロくんの瞳に少しずつ色が戻っていく描写が綺麗で、続きがすごく気になります!