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羽海汐遠
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麗太
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#一次創作
ruruha
618
ふぃる汰
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「 好きだよ 」
その言葉は 、
酷く静かな教室に響いた 。
一瞬 、 私は何を言われたのか理解できなかった 。
伏せられた瞳 。
僅かに乱れた呼吸 。
酷く苦しそうな顔 。
その顔を 、 私はいつか
見たことがある気がする 。
何時だろう 。
貴方のその苦しそうな顔を
初めて見たのは 。
『 … ぇ ? 』
思い出せないまま
腑抜けた声が漏れる 。
その声は 、
自分でも驚くほど小さかった 。
貴方はそれから何も言わない 。
ただ 、 いつもの優しい瞳で
私を見つめ
静かに息を吐いた 。
その表情を見ていると 、
段々先程の疑問が
解かれていった 。
あの日 。
“ りくちゃん ” が
消えた日の前日 。
貴方は同じ顔をしてた 。
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引っ込み思案の私にできた
最初の友達は 、
茶髪のポニーテールと
学校指定のスカートが似合う
背の高い女の子だった 。
その子は優しくて 、
どんな時も頼りになって
皆の事をよく観察してて 、
話し方がとても優しい人 。
そして 、
私がずっと密かに
好きな人だった 。
でも 、
その子が一度私に好きだと
言ってくれた時
私は “ 友達としての ”
好きを返した 。
するとその子は 、
とても寂しそうで
苦しそうな顔をした 。
その次の日 。
私の大好きだったその子は
消えてしまった 。
翌日 、
その子の綺麗だった長い茶髪は
短く 、 男の子みたいに
切り揃えられていた 。
長い足が映え 、
とても似合っていたスカートは
ズボンに変わっていた 。
その姿は 、
周りにいる男の子より
難も何倍もかっこよく見えた 。
それでも 、 何故こんな風に
なっちゃったんだろう 。
そんな疑問とその子への
変わらない好意だけが
密かに心に残るまま
私はその子の隣に居続けた 。
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意識が現実に戻ると気づいた 。
今目の前に 、
消えたあの子がいる 。
小さい頃の貴方が 。
そこから改めて
今までの記憶が一つずつ
頭の中に浮かんできた 。
私が忘れ物をした日は 、
いつも何も言わずに
待ってくれた事 。
私が落ち込んでいた日は 、
何も聞かず隣にいてくれた事 。
くだらない話にも
最後まで付き合ってくれた事 。
私が「優しいね」と言った時 、
少しだけ照れたように
柔らかく微笑んでいた事 。
全部大好きな貴方から漏れた
私への気持ちだった 。
ずっと隣にいたのに 。
ずっと大好きなのに 。
ずっと貴方を見ていたのに 。
私はそんな事も
気づかなかった 。
気づけなかった 。
私は自分だけがその様な感情を
持っているものだと思い
ただひたすらに 、
貴方へ貴方の話をしてきた 。
誤解されるように
丁寧に言葉を濁しながら 。
貴方を苦しませないように 。
でも 、
それが逆に貴方を苦しめてた 。
「 急にこんなこと言ってもあれだよな 」
「 だけど 、 気づいたら僕は
大津さんの事が好きになってた 」
好きという2文字を放ち
吹っ切れたのか 、
優しく言葉を紡ぐ貴方に
とても胸が痛む 。
嬉しいはずなのに
とても苦しく 、 悲しい 。
嗚呼 。
全部私のためだったのか 。
髪を短くしたのも 、
制服をズボンにしたのも 。
全部 、 逃げてきた
私を振り向かせるために 。
そんな貴方がやっぱり 大好き 。
なんて思う 。
何時も平気な顔で前に
立ってくれる貴方が
震えながら 、 私の返事を
待つようにしている 。
今 、 ほんとは弱虫な貴方が
私に立ち向かってくれている 。
私も 、
私も大好きな貴方に
りくちゃんに伝えたい 。
『 私も好きです 』
コメント
1件
ああ、やっと繋がった……そういうことか、って。冒頭の「好きだよ」から一気に過去の場面が甦って、りくちゃんが自分を変えた理由が全部「私」に向けてだったと分かる構成、本当に憎いですね。ずっと隣にいたのに気づけなかった——そのもどかしさと、それでも最後に「私も好きです」と伝えたいと思える強さに、胸が詰まりました。伏線の設計が丁寧で、感情の置き所がとても巧みなエピソードでした。