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**美月ゆめか🌸** 第248話、読み終えたよ〜!✨ 研究が着実に進んでて、大泉先生のアホ毛ピーン&ドライヤーぐるぐるがもう可愛すぎて🤣💕 アフターバーナーたとえ、俺には通じたけど朝日奈と彩花が「?」って顔してたのウケたw そして先生が探索者資格持ってないっていう衝撃の事実…!研究者と探索者は別案件ってスタンス、めっちゃ納得。朝日奈が送り狼にならずに案内してるのも良いコンビだね〜!次の展開が楽しみすぎるっ🔥
時間になり、彩花も合流したところでほぼタイミングを同じくして大泉先生が教壇……と言ってもホワイトボードの前だが、そこに立つ。小学校の頃に使っていたような机と椅子を人数分並べた小さな教室が、俺達のゼミであり、学び舎だ。
「では、先日の三勢電力の久保田さんとの成果発表会に基づいた、三勢電力側からの感想と要望、そして今後について話していくこととする」
アホ毛がピーンと伸び、元気よく跳ねる。そして、アホ毛を揺らす、先日朝日奈が改造した基盤に括りつけられたドライヤーがゴーっという音とともに回り続けている。どうやらカメラも無事に回り続けているらしい。
「先方の評価は上々、継続して予算……と呼べるほどのものではないが、引き続き研究用の魔石といくつかの研究用の設備について、肩代わりしてくれることで話が付いた。これも無事にプレゼンを済ませることに協力してくれたみんなと、次のステップへの弾みをつけられたおかげだ、ありがとう」
「で、このドライヤーは予定ですと後どのぐらいで止まるんですかね? さすがにちょっとうるさい気がしますが」
研究中なので迂闊に触ることもできないが、送風口から温風が出ていることを確認すると、ヒーターは壊れていないし無事に千ワットぐらいの出力で稼働を続けているらしい。これ、先にドライヤーの温め機能が壊れる可能性もあるんだよな。
「そこについてはある程度予測は付いている。予定通りなら今夜あたりにすべてのエネルギーを使い切って、温風から冷風に、そして停止する予定だ。私は一応起きて観察の一部始終を確認しなければならないからね。今夜は徹夜だ。だが、君らにそこまでの物を求めるのは難しいというか時間が勿体ないし、ただ時間が来るまで暇をさせる、というのも悪いからね。だから付き合いは不要だ。後日、というか次回、動画の編集と各種データの取りまとめをして、再び三勢電力側に提出できるように体裁を整える予定でいる」
今夜終わるのか、意外と早かったような長かったような……まあ、まだ研究は途中の段階なのだからここで一区切り、というわけにもいかないだろうが、何にせよ、一つ段階をまた越えることができたのはいいことではないだろうか。
「そこで、次のステップへ移るべく内容を吟味する。具体的にはこのあと我々が解決するべき話題なのだが、二通りの仕組みを提案することになろうかと思う。発電方法の仕組みについてだ」
「先生、それは既存の発電システムに組み込む形の発電方法なのか、それとも魔石くずだけを発電機として別設置するか、ということですか」
朝日奈が質問する。アホ毛が……いや、合法ロリが前後に揺れ、その通りだと告げる。
「うむ。おそらく一番スマートなのは、既存の発電所にサブシステムとしてエネルギーボルトを発動させた魔石を投入して、追い炊きのような形にして自己保持回路を組み込んで行う、というのが最も改造点や経費が少なく発電に持ち込めるシステムだと思う。現代航空機のエンジンにおけるアフターバーナーのような形と言えば伝わるだろうか、無理か。無理そうだな。ヨシ、これは私のたとえが悪かったということで、他の言い方を考えておくとしよう」
一人で納得してまた別の言い方を考え始める合法ロリ。俺には通じたからそれでいいんだけどな……と隣を見ると、アフターバーナーって何? という顔をしている朝日奈と彩花。この二人に一から説明するのはちょっと難しそう。この顔を見ながら話をしていたなら、無理そうだな、と早めに見切りをつけるのは仕方がなかったかもしれないな。
「ざっくり言うと、航空機のエンジンって酸素を黄金比で燃やそうとしても材料の問題で作れないから、後から燃料だけ噴射して更に酸素を燃やして推力を得る……っていうのがアフターバーナーの基本原理なんだ。これを発電システムに言い換えると、部分的にエネルギーボルトで再利用、再燃焼された魔石を追加して放り込むことで、他の魔石にも追随させてエネルギーを搾り取れるようにできるかどうかの実験が必要……というところでしょうか」
「ザッツライトだ本条君、私が考えていた方法で一番楽そうなのがそれ。火種を放り込んで他の魔石に伝染していってくれたら非常に便利だねえ、というところだ。本当はそうなってくれればいいんだが、それが可能なら最上級のメインウェポンということにして、サブウェポンとしての用意もしておかなければならない。そっちは、魔石くずだけを入れ込んだ発電炉にエネルギーボルトを直接ぶち込んで、全ての魔石くずを発電に向かせるようにする、というものだ」
「その場合、魔石くず全体に直接力を込める必要がありますから、そこにある自己保持回路の豪勢な奴を一つ作る必要が出てきますし、専用の発電施設が必要になる分だけコストとしては高いものになりますね。連続して使用し続けるか、合間合間で使用することによってベースロードにならなくてもピークタイムのスポット発電には使えそうな気がしますね」
「だからサブウェポンだ。ただ、こっちのサブウェポンの良いところは既に試作品が完成していて、今夜にかけて実働実験が終わりそうなことだな。これについては来週まとめてから、私が三勢電力に掛け合っておこう。今日のところはおさらいとここまでのデータがちゃんと取れているかどうかの確認、それから……コーヒーの時間だな。正直今日はあまりやることがないのだよ」
何とも和むひと時ではあるが、こんな進捗で良いのだろうかとも思うが、先週まともな成果を出して顧客や今後の取引先、それから未来の大企業に対してプレゼンを行ったところなのだ。
「やることがないと言われるとだらけるのが普通ですが、真面目に考えることもあるのでちょっと調べものをしていたい気分ですね」
「ほうほう、それは研究に関わることかね? 」
「関わると言えば関わりますが、もっと大きい問題になる可能性もあります。探索者じゃなくてもスキルスクロールに何かしらの仕掛けを施すことで、スキルスクロールを消費せずに、もしくは消費してでも誰でもエネルギーボルトが使えるようになれば人材難やスターターが誰であっても扱えるようになるかな……という方面の調べものをしようかと思います」
今のところ我がゼミでも、俺か彩花がスターターとしてよわよわエネルギーボルトを発射しなければ研究のけの字も進まないのだ。それが誰でも……まあ、朝日奈も金さえあればエネルギーボルトを覚えることができるが、そういえば……大泉先生は自分でエネルギーボルトを覚える、という気持ちにはならないんだろうか。自分の研究なんだから自分で終えられるならそれに越したことはないとは思うが。
「そういえば大泉先生は自分でエネルギーボルトを覚えないんですか? さすがに研究経費にならないからとはいえ、自分でできるのが一番便利だとは思うんですが」
「それはだね……私はまだ探索者証を持ってない、探索者資格を取ってないのだよ。だからエネルギーボルトのスキルスクロールがあっても、覚えることができないのだ。あっはっは」
「あっはっは……って、地味に大事な所じゃないんですか? 自分で実験を進められるかどうかは進捗にもかかわってきますし大事な所でしょうに」
「うむ……そう思うところなんだけれどね。研究者は研究が仕事であり、ダンジョンに潜ることは別案件……という話は本条君にはした覚えがあるんだけどね、その自分の覚えを守っていた結果、私は今日まで探索者講習を受けずに来た、という形になってきたんだ。でも、この結果を見る限り私も探索者登録をして、スキルが使えるようになっていた方がいいような気がしてきたよ」
「だったら早いほうがいいでしょうね。次の探索者講習日は……今からだな。早速放り込みに行くか」
「昨日の今日どころか、たった今からかい。物事が早く進むのは構わないが、ほどほどにしてほしいところではあるね。でもまあ、丁度やることもないとは言えるし、私が居ない間自習ということで部屋の中の研究誌や研究結果、これまでの研究成果なんかを見やすく並べておくので、これまで私の研究について見やすく整理しておくことにしよう。その間、ぜひとも私の研究を見比べて、私の努力の成果をしっかりと目に焼き付けておいてくれると嬉しいね」
「じゃあ、僕は大泉先生を見送ってくるから一時的に席を外すね」
「うむ、朝日奈君、どこで行われているか案内を頼むよ」
送りオオカミが大泉先生を見送っていくが、さすがに途中で襲って帰って来ないということはないだろうし、朝日奈は時々ねじ曲がっているところがあるが基本的に紳士だ。このまま二人帰って来ない、ということはないだろう。
さて……残った俺と彩花で何をするか。データのとりまとめでもしておくか。時間ごとに区切られてファイリングされているデータをグラフ化し、ほぼ安定して電力消費……つまり魔石から電力が出力されている状況を観察し、電力発生量に上限があることを確認する。
「これ、ドライヤーをもう一つ繋げたらちゃんとそれに基づいて電力消費量も上がるんだよな」
「LED電球の時よりも出力が大きいドライヤーでやってて今夜決まるって話だし、各家電製品の許容量目一杯までは使える形になると思うのよね。魔石一つでどこまで出力限界を出せるかが分からない所だけど。後、さっき言ってた方法だと、一つの魔石にエネルギーボルトで電力を出力させて、その後同じように魔石くずの山にそのエネルギーボルトを付加したものをそこに混ぜ込んで、ちゃんと自己保持回路内部で作動してくれるかどうかの確認も必要よね」
たしかに、エネルギーボルトで活性化した魔石に他の魔石が感化されて同様に出力をしてくれるかどうか、という点については未確認だったな。
「よし、先生が戻ってくるまでにそれを試してみるか。実験素材はいっぱいあるらしいから二、三個ガメて、生徒の自主勉強精神についてやる気を発揮させることは教師としても願ったりの状況に違いないからな」