「うわぁ…すごくきれい。あのクラゲは聖さんみたい。あのサメなんか劉磨さんそっくり。」
「もう!僕といるのに他の男の名前なんか出さないでよ。」
「ごめんなさい…桃瀬さんの顔フグみたいになってる。」
「フグ!?なんで?」
「怒って頬っぺた膨らませてるからです。あ、イルカショー……。」
「見たいの?」
「うん。…あ、でも外だから日が当たるかも……それに水も飛んできそうだし…。」
「いいよ、行こ!」
「でも体が…。」
「少しくらいなら大丈夫だよ。せっかく来たんだもん。思い出作っていこうよ。」
そのあとイルカショーが行われる広場へと向かった。でも正直不安だった。日光が苦手な吸血鬼がいくら夕方とはいえ大丈夫だろうか…
「もしかして僕のこと心配してくれてる?そんな心配、しなくても平気だよ。今日は快晴ってほどの天気じゃないし…もし辛かったらどうにかするからさ。」
そう言う彼の頬には僅かに汗が流れていた。
「もし何かあったらすぐ言ってくださいね。絶対無理しちゃだめです。」
「ありがとう。」
おでこにそっと柔らかい感覚。彼のキスはとても温かかった。
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