〜side小柳〜
約束の火曜日
俺は一足先に家に帰り、ウェンの到着を待つ
インターホンが鳴り、ウェンが到着した
手には大きな紙袋を携えて‥‥
「これ‥‥なんだ?」
「これ?お呼ばれしたからには手ぶらでは行かないでしょ。俺も何品か作って来たよ」
「え?お前料理とかすんの?」
「初めて作ったから味の保証はしないけど、うちの家族は美味しいって言ってくれてる」
「へぇ、凄いな」
「ウェン君いらっしゃい!一旦キッチンへ運びましょ。さぁ、上がって」
「はい!おばさん!」
「仲良くなり過ぎじゃない?」
俺の側を通り過ぎる2人を見て思わず口から出てしまう
「だってお祝いの料理なら俺も手伝いたいじゃん?」
「え‥‥お前俺の誕生日って知ってたの?」
「当たり前だろ?俺の事なんだと思ってんだよ」
いや、ウェンなら知らなくても仕方ないかと思ってたよ、俺
「さぁ、冷めないうちに食べましょう」
「俺唐揚げ作って来たんだぜ」
「それが一番の驚きだよ」
家族と一緒にウェンがいる誕生日
なんだかとても不思議な感じだ
料理も食べ、風呂も済ませて俺達は2階の部屋に上がって来た
まだ起きてはいるが、眠る前なら温かい飲み物が良いかと思い、ココアを入れに下に戻る
飲み物を作り2階に戻ると、俺の部屋のテーブルの上には大きな水色の箱にピンクのリボンが掛けられたプレゼントが置かれていた
「ロウ、ハッピーバースデー!」
「え‥‥?」
「なんでそんなに驚いてんの?」
「いや‥‥だって‥‥」
「ほら、こっち来て開けてみてよ」
ウェンに手を引かれ、隣同士で床に座る
「‥‥ありがとう」
「どういたしまして」
「開けるよ?」
「気に入るかなぁ」
「何‥‥入ってんの?」
「自分で見てみてよ」
リボンに手をかけ解くと、包装紙を丁寧に剥がす
中から出て来た箱に思わず大きな声が出る
「ええぇ⁈‥‥嘘‥‥」
「これで合ってた?」
「合ってるも何も‥‥欲しかった物より良い物なんだけど‥‥」
「夏前くらいに一緒に家電見に行った時、ロウが店員さんと話してたの見てたから、同じ店員さんに相談して選んで来たんだ。俺PCの周辺機器とか疎いからさ」
「だからってこんな高い物選んで‥‥だからか?だからバイトしたんだな‥‥」
「バイトもしてみたかったし、丁度良かったんだ。しかもロウとも一緒に働けたしさ。嫌な事件はあったけど」
「あんな事‥‥不可抗力だし」
「傷は?治ったか?」
「えっ?おいっ!」
ウェンは急に俺の服を捲り、体を見はじめる
「もう大丈夫だからやめろよっ!」
「ん?なに?」
聞こえない訳がないのに、はぐらかしながら電気のリモコンを手にて電気を消した
「なんで電気消すんだよ!見るんじゃないのか?」
「見るよ‥‥じっくりとね」
スルッと服を脱がされ床に押し倒された
「おい‥‥ウェン‥‥?」
「‥‥しても良い?」
親もいるのに‥‥
俺がチラッと気にするように下を向く
「バレないようにするから」
「‥‥大きな音‥‥立てるなよ」
「出すのはロウじゃない?」
「‥‥じゃあやめよう」
「もう捕まえちゃったから無理」
「ウェン‥‥今日はありがとう」
「いいえ、俺こそ生まれて来てくれてありがとう」
両親以外から言われたその言葉
それが一番のプレゼントだよ
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コメント
2件
うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 最高かよ~あぁ~好き~(語彙力どっか行った)