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「あれ、凪早いな。これ朝も言ったな」
SHRが早く終わり、一番に部室前に来ていた。
滝原くんは部室の鍵を開けてくれた。
「あ、ありがとう、、あの、鍵ってどこにあるの?」
職員室に行って鍵を貰いに行こうと恩田先生を呼んだがいなかった。
「あそうそう鍵な、恩田先生の机の右下の引き出しの、一番上の段にあるねん。部室の鍵取りに来ましたーって言って勝手に取っていいって言われてるから」
「そうなんだ、、わかった」
「もしかして職員室行ってくれた?」
「あ、うん」
「ごめんな教えてなくて、これからは鍵も凪に任せれるな」
滝原くんは笑ってそう言い、荷物を下ろした。
「ほんで今日みたいに一番最初に来た日やねんけど」
滝原くんは予定表を取り出して私に見せた。
「今日は特になんもすることないんやけど、、この日みたいに『袴』って書いてる日は袴着て練習って意味でだいたいリハとかやねんけど、その日に一番早く来たら部員の袴ここらへんに出しとくっていうのがあるんよ」
滝原くんはみんなの袴が置いてある部屋に案内してくれた。
「自分のも合わせて11着持っていくの大変やけど、だいたいすぐ誰か来て手伝ってくれるから」
仲が良いのは、こういうルールや礼儀もあってのことなんだと思った。
「袴出してもらった側のときはちゃんと後で誰が出してくれたんか聞いてお礼言ってな」
「うん、わかった」
「あれ、今日袴着る日じゃないよね」
突然声がして見ると、皆川くんが顔を出していた。
「おお藍斗、凪に袴出すの教えとったんよ、今日は違うけどな」
「そうなんだ、なーぎー理解できた?」
「あ、うん、理解したよ」
「なんやねん俺が説明下手みたいななあ」
「いや、たまに下手だからね聡也」
そうなんだ、と思って笑ってしまった。
「あ、今日ないっぱい書けると思うからみんなに腕前見せたってな」
「、、そう言われると緊張するんだけど、、」
「はは、緊張しいやねんな凪は」
滝原くんと皆川くんは笑ってくれた。