テラーノベル
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家臣たちの無言の見守りの中で、
セイカとユイは朝も昼も夜も、互いを強く求め合った。
人目を忍ぶ夜、帳の内で重なる吐息。
抱き寄せた腕の力ひとつで、言葉など要らないと分かるほど、
二人の心と身体は深く結びついていた。
ユイが声を抑えきれずに身を震わせるたび、
セイカはその存在すべてを包み込むように抱きしめる。
可愛くて、愛おしくて、失うことなど考えられない。
それは弟であった頃から変わらぬ想いであり、
いまや伴侶としての情が重なった、どうしようもない愛だった。
背後から抱き寄せたときに伝わる体温も、
胸元で漏れる小さな声も、
すべてが、かけがえのないものだった。
二人の心は、すでに夫婦のそれだった。
二人は、確かに幸せに暮らしていた。
—–ところが、ある日。
セイカのもとに、一通の見合い話が舞い込んでくる。
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