kitchen,ハウス
’““ 扇状 スキコ ‘”“(センジョウ スキコ)
31歳で独身、住宅は新築一戸建て。身長168でスレンダー,小綺麗で整った顔立ち,父親の融資による2社のハウスメーカーを媒体とした建設会社で、インテリアデザイナーとして働いている。
性質は、人に優しく笑顔で接し、親切で穏やか。仕事は、絶えず冷静沈着で父親の息が掛かるとはいえ、流儀に基づくプロフェッショナルである。理不尽なクレームにも真摯に対応し、決して声を荒らげる事は無い。
スキコは,都心から少し離れた場所に念願のマイホームを建て、デザイナーとしてのノウハウを余す事なく発揮し、自分だけの城を持った。
取り分けキッチンには、全ての英知を結集して他に類を見ない仕上がりを求めた。
素材には、最高級の大理石を使用し、輸入物の高級仕様の天火やコンロ,そしてグラスと食器を分ける2種類の食洗機を設置し、4通りの水質と、高度な浄水システムを設け、コの字型で、通常の2倍の幅と広さのシステムキッチンを作り上げた。
大理石のkitchenそのものが、家の中心を占め、存在感たるや、かつて見たことも無い程のものである。
都心から離れた場所であっても,元々ネットを媒介としている仕事が大半な為、不便は無い。少しでも広い土地が良かったからだ。
スキコは、朝、キッチンに入ると先ずは特別なアルカリ洗剤で全てを洗浄し、消毒し、乾拭きし、大理石の艶を念入りにかける。
朝食は、冷蔵庫の市販のヨーグルトと、冷凍のモーニングセットのエッグマフィンをレンジでチンし,自動’”“コーヒー淹れたて☕️’”“の機械でコーヒーを飲む。
そして、最後に,ほとんど使用していないキッチンを、洗浄し、また消毒し、乾拭きし、艶出しする。
そして、つかの間の仕事を片付けて,ランチに出掛ける。
近くの小高い丘の上に有る、清潔感漂うブルーの建物のカフェに入ると、スキコはなるべく景色を眺めたいと思い、一番奥の窓側を所望した。
席に座ると、一面のガラス張りに映える紺碧の空の下、樹々の合間にオレンジ色の屋根が覗いている。スキコは父親の伝手で今の地位を得た身の上だが、マイホームは自分の力で建てるのだと、頑なに結婚話も蹴って財を成しやっと建てた’”” 我が城 ’““マイホームである。
取り分け憧れだった理想の我が家のキッチンを思い浮かべ、幸せを存分に噛み締めながら、顔が綻ぶスキコだった。
仔牛のソテーとサッパリとしたレモン風味のサウザンドPastaサラダ🥗を味わった。 味もさることながら、盛られた容器が全て、ポルトガル製,コスタ,ノヴァ等、センスが良いワとスキコの気分は上昇中。
スキコは視線を感じ辺りを見廻すと、斜め後ろの1人席で、中年の男性と目が合い、男性が軽い会釈をしてきた。
( アレ、何処かでお会いしたかしら?……アッ,ソウ! 引っ越しの時に、声を掛けていただいた方だわ。ご近所さんネ)
「どうも、真前の総煉瓦造りハウスの主 、
’”” 新井 タイヨウ ’““です。イヤア、此処でお会いしたのも何かのご縁、お近づきと言いますか、宜しければ、お勧めのデザート、是非僕にご馳走させて下さいませんか?」
普通なら体よくお断りする所だが、高揚した気分の為か、男性の雰囲気が、彼女の好みだった,とかは知らないが、スキコは同席をOKした。
「 ケーキ🍰の下の、此方の皿❗️……これ、この国では、なかなか手に入らない品物なんです、ご存知で?そ、そうです、コスト,ノヴァの皿なんです。この滑らかな触り心地と程良い厚み、波形,そして、マリンブルーな色合い,タマラナイナア!…アッ、済みません、実は食器マニアなんです。
まして家には数千種類の珍しい食器があります。高額と言うのでは無く、デザイン重視のセトモノや硝子製品を集めています。
仕事はシガナイ弁護士で、今は民事裁判を専門に扱っています。5年前に妻と離婚し、独り身になってから食器にハマり始めました。唯のショウモナイ趣味ですよ、ハハハ」
スキコは、と言えば、
勿論、自慢のキッチンの話を始めると、もう止められなかったし、彼は常に相槌を打ち、只々真剣に彼女の話を聞いていた。
スキコは、そんなタイヨウの態度に感動し、ツイ,ランチの礼を兼ねディナーに招待した。((してしまった、、)) 💦ʕ⁎̯͡⁎ʔ༄
スキコは、約束の時間の1時間前にはキッチンに立ち、大理石に合うクリーム色のフリルのエプロンを着て,先ずは念入りに洗浄し、乾拭きし、丸く丸く特殊なWaxで,見事な艶感を出す。
食材も午前中に,1時間は掛かる都心の高級スーパーまで車を飛ばし、おもてなしの買い物は全て揃えてある。
約束の時間通りに、目の前の家に住む ’”“新井 タイヨウ’”“氏が、自慢のジバンシー洋皿とバカラのグラスを土産に持ってやって来た。
中へ通されたタイヨウは,唖然として言葉にならなかった。1階の建物面積40坪に対し、半分近くキッチンが占めていて、あまりの豪華さに呆然とするばかり、、、、、それでも「す,す,凄いナア〜❗️素晴らしいですよ!!これ程のキッチンは見たことが有りません。聞きしに勝る、ここまで存在感溢れるキッチンとは、驚きました!」
申し訳程度にダイニングが有り、スキコはディナー用に蝋燭と装飾したTableにタイヨウを案内した。
先ずは、シャンパン🥂で乾杯し、スキコはキッチンの奥の小部屋に入って行き、door🚪を閉め、少ししてオードブルを運び、Tableに置き、又,奥の部屋に行き、暫くして料理を運んでくる、こんな感じで、繰り返し、繰り返し奥の部屋から、料理を運ぶ。
流石に疑問を持ったタイヨウが、
「スキコさん、奥の部屋はパントリーのようなお部屋があるんですか?宜しければ運ぶのをお手伝いさせて下さい!
私だけが,ひとり頂いているみたいで、スキコさんは余り召し上がっていないじゃないですか?何だか申し訳無い感じです。其れに、、、アノオ〜…、矢張りキッチンを汚したく無いと思われているとしたら、もしそうだとしたら、私はとても理解出来ます❗️本当です。
正直にお話ししますが、実は私も家に有る大事な食器は、今まで1度も使っていません、恥ずかしい話ですが、思い切って打ち明けます、、、、、、、私は紙皿と紙コップで日々飲食しているんですよ。
矢張り!引きましたよネ…」
スキコは奥の部屋の⇆往復で、大分疲弊していた。タイヨウの話しを聞くなり、直ぐに立ち上がり、最後のデザート🍮🍨が有るから、手伝って下さいと告げ、タイヨウの手を引き奥の部屋へと連れて行った。
ドア🚪を開けると、何とそこは、
トイレ⁉️ トイレ付きバス風呂一体型の部屋であった。 洗面所の前に長Tableを置き,全ての料理を並べ、レンジもコンロも配線し、温めて運んでいたのだ。
タイヨウは、予期していたのか、余り驚くことは無く、 ”’私達は、似た者同士かもしれませんね、どうか、これからも宜しくお願いします❣️”“ と言うと、二人はお互いの顔を見合い、急に笑いが込み上げ、爆笑の渦にハマり…した。
後話
二人はその後、お付き合いが始まり、食事を作る時には、スキコが食器を持ち込み、タイヨウの家のkitchenで思う存分料理をし、食事を楽しんだとサ、、、、、、、、、、、、、、
完
コメント
4件
有難う御座います。
絶対面白いから読むべき!
最後まで読まないとこの作品の面白さがわかりません!