──────八幡さん視点──────
私が、そんなにぼーっと昔のことを考えながら天秤に鎮座する。走馬灯、と言うやつだろうか?始めてみたなー、なんてそんな呑気なことを思っている。
私は、もう真面目に生きないことにした。私は神に祈るぐさおさんをもう1回見る。
──────あぁ、やっぱり嫌いだ。
神に頼ることしか出来なかった愚かな自分を思い出して。無意識に、重ねてしまう。見たくない。見たくなかった。
───だから、私は。天秤を揺らした。
「───ッッ!?何やってッッ!?」
ぐさおさんのその驚きの声とともに、その祈りは中断される。彼女は、私のことを忘れてるみたいだから、もう一度だけ、自己紹介をしてあげる。
「私は初代5大龍のひとり。地の龍。第1の名をハーデン・ベ・ルギア。第2の名を御膳前八幡宮と言う。あなたを殺す名前だ。一語一句覚えておけ。」
私は、その言葉と共に天秤を揺らす。揺らす。揺らす。私は、自分の立っているこの天秤を「地」だと認識した。ならば、それは私の支配下である。ならば、地震を起こすことも容易い。
地震は長引けば、地が震える以外の脅威ももたらす。例えば───地割れだ。
私は、自身の立っている地、天秤を破壊する。決して破壊できない訳では無いだろう。どんなやつにも例外は存在する。
寿命は私には無いし、空は常に青色の訳では無い。空を飛ぶことも不可能ではない。
私は、常に【例外】である。悪魔を2人殺し、神を欺き、仲間を裏切る。強欲で、傲慢な龍。その、汚く、汚れた肩書きこそ私である。
私は、見事天秤から脱する。無論、誰もいなくなった天秤は重い方───誰かがいる方に傾く。そう、それは誰か?
「───ありえないッッ!私の天秤からどんな方法でも抜け出すことはッッ!!!」
「神を欺いてからいいな。ぐさおさん」
───無論、あんなにも忠誠を誓っていた相手を裏切ることは出来ないだろうが。あの天秤が効かない例外がおそらくいる。それは、神だろう。神に効くのならば、神はそれを恐れ、すぐにでも排除するだろう。何故ならば神が恐れるのは自身を脅かす反逆者だ。あいつら貪欲だ。地位も、名誉も、力も、知能も、何もかもてっぺんじゃなければ気が済まない。汚い奴ら。私は、それを知っている。
だからこそ、いくら、天使や悪魔のトップでも神より勝る力は与えない。私は、神を欺いた【例外】。私は、どんな出来事も例外なのだ。
「───なら、私も例外ね」
そう言って、私は背中に衝撃と同時に痛みが走る。───全く気づかなかった。今、この瞬間まで。
「はぁ゛ッッ!?」
私は思わず口調を荒らげる。その切りかかった相手は───ぐさおさんだからだ。
「自分の技でやられるやつなんているわけないでしょ?いたらとんだおバカさんだわ。」
そういって、更に刀を振り上げる。───さっきよりも数段早く、そして一撃一撃に致命傷を負わせてやる、という殺意が乗せられている。
───どういうからくりか、ぐさおさんには天秤は効かないみたいだった。いや、もしかしたらもう片方がいなくなったら自動的に天秤が終わる…?
私は思考を巡らしたかったが、目の前の刀をさばくだけだ精一杯だった。ひとまず、ぐさおさんをやらなければ…ッッ!!
そんなことを思っていると、突然、ぐさおさんの姿勢が崩れる。その、ほんの一瞬を、私は見逃さなかった。すかさず、渾身の蹴りをくらわす。おそらく、かなり大きな攻撃ができた。畳み掛けるッッ!!
そんなことを思いながらぐさおさんに急接近───する直前に、私は踏みとどまり、そのまま数メートル離れる。今、寒気がした。私がこのまま突っ込んでいれば確実に【死】だったと。
「あ゛ーあ゛ッ!あと少しだったのにッッ悪運が強いなw」
そう言いながら、ぐさおさんはどろりと溶け、かわりに、天空から先程に逃げたダークが現れる。そして、どろりと溶けたものはダークによって取り込まれていく。
「まさかなぁ…バレるとは想定外だ。」
ダークは私をじっと見て、にひひっと笑う。
「お前さえ手に入れればぐさおなんて捨ててあげるんだけどなぁ。」
罠だ。一瞬で理解する。おそらく、私を鏡に取り込みたい、とでも考えているのだろう。お断りだ。ぐさおさんをだしにすればすぐに食らいつくとでも思ってんのか。なんて、少し舐められているように思う。
「───逃げるなッッ!!」
そう言って、ひとっ飛びで空中に行き、剣を振るいながらそう叫ぶのは───なんと、あの人間、いえもんであった。…いつもとは雰囲気が違うと感じる。
「チッ追いつくのがはえぇんだよッッ!!!」
そう言いながら刀を取り出し、乱雑に振るう。その一撃一撃をいえもんは受け切り、なおかつ反撃を振るおうとする───が、その前に落下する。
「ははッッやっぱり空は飛べないんだな!!」
?私は頭にハテナを浮かべる。何故ならばいえもんは飛べるからだ。何回か飛んでいるところを見たことがある。───なるほど、私はそう思う。その作戦を、私は読み取り、そして、無言で合図を行う。
───いえもんは、ニヤリと笑い、そして、頷く。
「空中は任せろッッ!!下にたたき落としていえもんがやれッッ!!」
「そう簡単に落ちると思うなよッッ!!」
───茶番が始まる。
ここで切ります!
んー自分でもなんかこんがらがってきました…。一体誰と誰が戦ってるのか…。カオスすぎるよー!!書く側を配慮しろ!
「お前が書いてんだろ」
はい、久しぶりのレイマリさんの登場は無視しまして…。
「わざわざこの為だけに私に喋らせてるの…?」
メタいなぁ。れいまりさんはこっちを認識してるんだから使いたくなる気持ち、わからん?
「わかるわけないだろ。悪魔が。」
神ですが何か?
まあ、こんな茶番は置いておいて…しばらくここのあとがきコーナー?をレイマリさんに丸投げします!久しぶりに登場させたいので!
ご理解よろしくお願いします!それでは!おつはる!
コメント
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マジックの使い手(椎名ちゃん)の扱いが可哀想なことに…w
rimrさん可哀想ですよ師匠!! あと普通にストーリー天才っす
あぁ…ついに最後の所壊し始めたw