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ni「 そんじゃ、出かけてくる 」
「 おん、いってらっしゃい 」
そうniさんに声をかけ、送り出す
毎日俺の様子を見ながら仕事なんて殆どしていなかったのか、今日は流石に仕事へ戻らなければこのままでは彼奴等への物資等が不足したりしてしまうらしい
…俺のことは気にせんくてええのに
そう言いたいがniさんは意地でも俺と一緒に居ようとするだろう
俺とniさんが会ってから、あの日から1ヶ月経ったぐらいの日
何もすることが無かったので普通にゴロンと布団で仰向けになって今は見慣れた天井をボーッと眺める
昔は、彼奴等の近くに居たときはこうやってゆっくり出来んほど忙しかったけど今はそれすら忘れるほど退屈すぎて逆に落ち着かない
色々今日は何をしようか考えていたらいつの間にか寝ていた
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『 ─────、───……──────。 』
特徴的な声を持つ目の前の人物は何を喋っているのかわからない
俺の今、目の前で喋っているのは見慣れた”あの人”
『 ─────、!─────…──!!! 』
そしてあの人を囲むよう、近くに居るのは”彼奴等”
みんな、何かを喋っているようだが俺には何も聞こえない
人の声は聞こえないのに、何故か小鳥が囀る声、木々が風に乗って揺れる音、何処からかは不明だが響き渡る銃声のような鈍い音
……銃声、?
『 ─────……───、────! 』
『 ────?!?!?w───…─────!!! 』
皆の声を聞きたい、なんて言ってるか分からないからゆっくり邪魔しないよう近づく
だんだん近づいて、絶対皆の視線に入る筈なのに誰も俺が近づくのに気付かない
まるで俺が幽霊みたいな感じで、透明人間になった感じで
何を喋っているのか聞き取れる程の距離まで近づいた途端、
『 本当に、彼奴が居なくなって良かった 』
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「 は、はぁッ…… 」
”また”、見てしまった。
同じ夢、ずっと繰り返される
一ヶ月前ぐらい、niさんと会って間もない時だろうか……その時からだんだん味覚が戻ってきて感情も前みたいに分かるようになってきて、なのにこういう悪夢みたいなものを見てしまう
今は怖いって思っていないのに、…いや、嘘なのかも知れない
それでも、最近の悪夢はやけにリアルっぽくて脳内で現実と錯覚してしまう程鬱陶しい
それも起きている時、たまに脳裏に過ったりするので非常に面倒くさい
夢というものは、起きた時はあまり覚えていないのに悪夢は何故か鮮明に覚えてしまう
本当に、人間とは不思議な生き物だ。と思ってしまう
「 ほんま……なんなんこの夢… 」
まぁでもメンタルは鋼ぐらいと呼ばれている俺なのでそういうのは全然耐えること出来るんですけどね(ドヤ)
彼奴等がこんなことを言わない、そう思ってる
…本当かどうかは分からないが、信じたい
はぁ、と深いため息をつきながらキッチンへ向かう
先程の夢を見たせいで、やけに落ち着かない。
とりあえず気持ちを落ち着かせるために水を飲んでゆっくりしよう、そう思い棚からコップを取り出し、そのまま水道水をコップへと入れてある程度満タンになったら口へ流し込む
水道水なんか飲んで大丈夫なんかと思う人も居るかもやけど、一応此処らへんの水はちゃんとお前らんとことおんなじようにろ過したりあーだこーだして衛生面はなんとか大丈夫や、うん
あと潔癖症って訳でもないので水道水は飲める。
ダイニングにある椅子に座り、水を少しずつ飲みながらぼーっと虚空を眺める
…今日はやけに雨が激しく、雷も鳴っているのでniさんが心配や
「 …大丈夫なんかな……、 」
心配の気持ちが湧き上がってくるが、あの人の仕事は大体別の国でやることなので多分問題はないと思う
そう信じよう、うん、信じることしか出来んけど()
コンコンコン
玄関の扉をノックする音が家中に響き渡る
こんな天気に誰やろ、と思いながらドアを開けてあげようと椅子から立ち上がる
ガンガンガン!!
「 ッ?! 」
突然ドアを勢いよく叩いたり蹴ったり、まるで壊すような音が玄関から鳴り響き始めた
一瞬吃驚したがすぐに冷静になり、慌てて自部屋へと逃げ込む
コップは置いたままだが。
自部屋の扉を閉め、鍵を掛けたところでドアが突き破られたような音がした
ガンッ!と
ドタドタ…と入ってきたのは1、2、3……合計5人ぐらいだろう
多分そこら辺で盗みを働いていると噂されている盗賊か何かだろう
…とりあえず、こっちに入ってきた時に撃退出来るよう武器を構えておこうと最近使っている鉄で出来た剣と拳銃を手に取る
生憎、愛用している大剣もとい「粛清剣」はあのクソすぎる国に置いてきてしまっているのでね
ほんまに最悪、最悪すぎて逆に苛ついてきた(?)
閑話休題
だんだんと足音がこちらへ近づいてくる。
緊迫感が凄い、まるで潜入任務の時のような、…いや、あれより上回る緊張感
窓から逃げることも出来た、だがそれは選択肢にはなかった
もし、入ってきた人数が5人だけでこの家の周りが的に囲まれていたら?
まさに袋のネズミ状態だ
「 ふぅ…… 」
一旦冷静になるためにあまり聞こえないよう慎重に呼吸をする
ゆっくり、音は立てすぎないように
そして、
ダンッ!と扉がぶち壊される音が鳴り響き、その瞬間2つの銃声が鳴り響いた
異様に一箇所だけ煩い場所があった、ドタバタとお互いが暴れまわっている様子で
そして、銃声が一つ部屋中に鳴り響き渡った瞬間
辺りは静かになった。