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僕はそれでも尚抵抗を続けた。だがストーカーは怯むどころか嬉しそうにしていた。抱きかかえられたままお風呂に入れられた。その手つきは荒く、浴槽に落とされ溺れそうだった。
「げほっ、何するんだよ」
僕はそう言い、咳き込んだ。
ストーカーはずーっと愛おしそうな視線を向け、急に僕の唇に触れてきた。僕は戸惑い、手を振り払おうとした。だがストーカーは振り払われてもやめず、続けた。
「そういえば名乗り忘れてたね。俺はちづる。君の彼氏だよ。」
唐突に言われ少しビクッとした。こいつが彼氏なわけが無い。
僕に恋人はいない。しかも僕は一度も恋人ができたことは無い。
また勘違いをしたやつなのか。
それに僕は男だ。男に興味が無いという訳では無いが、性的な目で見たことなどない。
「何を言ってるんですか。僕に恋人なんていませんよ、!あと僕は男に興味なんてありませんし、付き合った記憶なんてないですよ」
強めにそう言った。
するとストーカーの力がさっきより強くなった気がする。壁に押される。僕は逃げ場を無くした。
それに今は全裸だ。外に出ようにもでれない。
そんなことを考えていると、なにか強い衝撃が走った。
僕はクラっとしそのまま気絶をしてしまった。
最後に見えたのはとても嬉しそうな顔をするストーカーだった。
目を覚ました。まだ視界がぼやけ、上手く頭が働かない。お風呂場じゃないことはたしかだった。
見たことない風景。自分の家じゃないことは確かだ。
僕は少しパニックになり、急いで逃げなきゃと思い、起き上がりベッドから動こうとした。すると違和感を感じた。なにか右手に着いている。僕はそれが手錠だということに気がついた。手錠はベッドに繋がっていた。
それにお風呂場で気絶させられたまま運ばれたのか、服すら着ていなかった。羞恥心と焦りが募った。