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𝓗𝓪𝓶𝓾
809
#アイドル
ゲスト
26
一階に着いたエレベーターへ乗り込む──。
「……この箱ん中でおまえに誘いかけたせいで、これに乗るとなんかそそられるんだよ」
「……覚えてなかったのに、ここでキスしたの」
「感覚では覚えてる。だから、」
と、耳元へふいっと唇が寄せられ、
「……いいよな?」
直に声を吹き込むようにして、彼から低く囁きかけられた。
「いいよな……って、な、何がっ?」
動揺のあまり口ごもるのを、力づくで隅に追い込まれ壁に押さえ付けられる。
「や、だめってば……」
突然のことに逃げ出そうとすると、壁にガッと突かれた両手で、
「逃げんな」と、彼の腕の中に身体ごと閉じ込められた──。
「何して……」
両腕に挟まれた顔を振り仰いで、彼のことを見上げる。切れ上がる刃のような鋭さで見下ろされると、まるで射すくめられたかのように動けなかった。
「おまえが俺を避けるからだろ」
壁から手をはずさないまま、首筋に唇が寄せられちゅっと吸い付かれる。
「……ん……酔ってるの?」
「……酔ってる……」
言いながら、肘を折りさらに壁際に私の身体を押さえ込んで、
「酔ってるから、キスさせろ」
顔を迫らせる。
「……酔ってるからって、なんでよ」
「……なんでじゃない」と、顎がくっと片手で捕まれると、
「……いいから、おとなしくキスさせろよ」
唇が奪われ、続けざまに何度も口づけられた。
「……んぅ……」
「……好きなんだよ、舞」
切なく響く声音と、
「おまえにキスがしたくてたまらない……」
甘いセリフに、どうにもキスから逃げられなくなる。
「舞、俺が好きだよな?」
「……好き……だけど、ここでキスしなくても……」
「この密室の中でするのが、背徳感があっていいんだろう……」
「背徳か、ん……」
言い終わらないうちに再び唇が重ねられ、息も継げないようなキスが襲う。
「……う、んっ」
「舞、もっと口開けろよ」
挿り込んだ舌が口の中を蹂躙して掻き回す。
「やっ、は……っ」
息が苦しくなりそうになると、顎の先が指で捕らえられて、もっと口を開けるよう下へグッと引かれた。
「はぁ、はっ……ぅん……っ」
巻き付いた舌が離れて気が抜けた一瞬も逃さずに、舌は絡め取られ強く引かれて、
翻弄されるキスに全身が痺れてきそうで立っていられなくもなると、すかさず腰に腕が回されぐっと抱き寄せられて、より口づけは深まった……。
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第54話、読みました……。 このエレベーターの中での空気感、すごく好きです。酔ってるからって言い訳しながら、でも絶対に本心で「キスさせろ」って迫ってくるところ、重くて苦しくて、でもそれ以上に甘い。密室の背徳感をあえて使う演出、ゾクッとしますね。 「好きなんだよ、舞」って、酔ってるからこそ出る本音なんだろうな……。読んでて胸が締め付けられました。続き、気になります🌙