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類でも余裕ないのかわよwwあと、司完全に壊れてんな、、、ムカデを見て発狂しないのは重症の中でもやばい重症だな
最高ですねぇぇ!何処が没なんですかぁ?
いや、あの、めちゃくちゃ長くなっちゃいました…。
それにホラゲー要素ゼロです。はい、ゼロに等しいです。
若干閲覧注意な内容を含みます。
本当になんでも許せる方向け。
本編すたーと
そして今日の夕方、登校時から持っていた大きめの鞄を背負い、予定通り、ステージでの練習から直接僕の家へと向かった。
ゲーム機を部屋のテレビと繋げ、あとはソフトを差し込めば始めることができる状態にしたとき、僕はふと気付いた。そういえばどんなゲームなのかを聞いていなかったことに。僕がそれを聞こうとする前に、司くんは自分の鞄の中からゲームソフトを取り出した。
そして僕の目に映ったのは、最近SNSで話題になっている、所謂ホラーゲームというやつだった。
その作品はかなり有名で、SNSをあまり見ない僕でも知っている程だ。
しかし、本当に司くんはその作品のことを知らないようだった。
このホラーゲームは、司くん一人でやらせなくてよかったと思う。
僕は以前、話題になっているこの作品の実況動画を見たことがあるのだが、それなりにゲームをやり込んでいる実況者でも、クリアまで物凄く時間がかかってしまうという、超高難易度ホラーゲームなのだ。
普通なら、ゴミゲー、クソゲーと称される部類に入るのだが、それでも、沢山の人気を誇る理由がある。
ゲームとしての難易度は高いが、ストーリーの作り込みが凄く、演出も素晴らしい。グラフィックがとても鮮明で美しく、あたかも本当に自分が作品の中にいるかのような感覚になるのだ。
BGMも、SNSでは神曲と呼ばれるものが多数あり、それぞれのキャラに、細かい設定や、辛い過去などがあるという。とにかく作り込みがすごいのだ。しかし、それ故にホラーゲームとしての要素も強い。凄い顔をしたキャラクターが背後から追いかけてきたり、急に大きな音が出たり、急に明かりが無くなったりと…。
グラフィックが綺麗な分、生き物もより本物に近い感じで出てくる。僕が見た実況動画だと、主人公の顔にムカデが張り付く描写があったような気が……。
よし、辞めよう、辞めさせよう。そう決意し、司くんに声をかけようとしたその瞬間。
「これを勧めてくれたクラスメイトが、このゲームは演出が素晴らしいと言っていてな!?しかも、ストーリーの作り込みが凄いとも教えてくれたんだ!だから類と一緒にやれば、オレ達の表現の幅がもっと広がるかもしれないと思ったんだ!」
__ただちょっと、パッケージが怖いがな…。
……なるほど、これが惚れた弱みというやつか。僕はこの作品のストーリーも演出も一度見てしまった。
けれど、目の前の司くんの表情は、笑ってはいるのだが、どこか怯えているようだ。このパッケージを見れば誰しもが怖がるだろう。本当に何も知らないのに、怖いのを我慢してまで、このゲームの演出やストーリーを僕と一緒に学ぼうとしているのが伝わり、僕の手は、自然に司くんの手に収まっているソフトを掴み、それをゲーム機へ差し込んだ。
「司くん、これはパッケージのイラスト通り、ホラーゲームというやつだ。僕らプレイヤーを驚かせる演出ももちろん入っているから、本当に怖くなったら辞めよう。」
「なっ…!わ、わかった…。」
せめてもの警告として、僕がそう言えば、先程よりも小さくなった声でそう返ってくる。
__やっぱりやるべきじゃなかったかもしれない。そう思ったときには、常に画面には、ゲームのタイトル画面が浮かんでいた。
「ぎゃああ!!ひ、人が上から落ちて…!」
「なんだこの赤いシミ……、血!?」
「包丁は振り回すものじゃないだろうが!!親に習わなかったのか!?まてまて!!追いかけてくるなぁぁあああ!!!!」
「うわあっ!!石は投げるものではないぞ!!危ないな…、あ。当たってしまった…。」
ゲームを始めて約30分、それぞれのギミックにいちいちツッコむ司くんは面白いけど、このゲームは第四章まであるのだ。司くんが今苦戦しているのは第一章の前半部分。このまま第四章までプレイし続けるのであれば、夜が明けてしまう。…というか、司くんが心なしか段々とおかしくなっている気がする。
「ムカデ…ムカデか…人が落ちてくるよりも全然マシだ…」
「…ここでジャンプ…あ、しゃがむんだった。」
「右、左、左、右、うえ……、もう一個左行ってから上だ……」
いやおかしい、絶対におかしい。特にムカデに驚かなくなってるのは流石に危険過ぎる。
「司くん、もう辞めよう。ほら、ネットに実況動画もあるしさ、2人で見ようよ。」
「いや、こういうのは直接やって自分の目で見ることに意味があるんだ、それに、オレは大丈夫だ。」
一か八かの静止の言葉を言えば、司くんは、コントローラーを握っている手を明らかに震わせて「大丈夫」なんて言葉を溢す。確かに直接見た方が勉強になることは多い。でも、このまま限界を迎えている司くんにプレイさせる訳にはいかない。何度もコンティニューを重ね、覚えた攻略方法を、ブツブツと呟きながらプレイする司くんを見て、なんとかできないかと考える。
……少し考えれば、すぐそこに解決策はあった。
司くんと操作を変わり、いつかに見た実況動画を思い出し、ゲームを進める。第一章の後半は、司くんにとっては初めて見る光景だ。
僕の横に座って熱心に画面を見つめる司くんが、「あぁ…、」だの、「うぅ…、」だの、情けない声を上げる度に、僕の僕が反応し、熱を持ってしまう。まぁ、これはさりげなくトイレに駆け込んで処理したから大丈夫なのだが。
第一章をクリアし、第二章へとストーリーを進め、キャラクターを操作していく。第二章は他の章に比べて、難易度はそこまで高くないのだが、ホラー要素が詰め込まれているのだ。スタートして数歩歩いてから、目の前に赤色に染まったテディーベアが上から落ちてくる。……その瞬間。
あろうことか司くんが僕の腰に抱きついてきたのだ。僕はもうゲームどころではない。が、僕に抱きつきながらもしっかりと画面を見つめる司くんは、きっと怖いのを我慢して、この作品のストーリーや演出を学んでいるのだろう。
__それなら僕も、それに応えないといけないね。……そう心では思っても、体は正直だ。正直離れてくれないと僕の僕が僕ではなくなってしまう。平常心、平常心を保とう。
そしてそのままストーリーを進めていって……。
冒頭((1)の一番最初)に戻る、という訳だ。定期的にトイレに駆け込んで処理していたけど、そろそろ僕自身が爆発しそうでキツい。もういっそ、コントローラーを部屋のどこかにぶん投げて司くんを押し倒して___。いや、だめだ。そんな最低な行為をすれば、間違いなく司くんの僕への好感度はゼロ…いや、マイナスになりかねない。僕は心を無にし、画面にだけ集中するようにした。
ゲームクリアのエンディングが画面に流れる中、睡魔に負けて寝落ちした司くんと、自分の中の邪の感情に勝利し、大きくガッツポーズを決める僕という、なんともシュールな光景が広がっていた。
そういえばお風呂にもまだ入っていないな、司くんに先に入ってもらおうか。そう考えながら、目を閉じてすやすやと気持ちよさそうに眠る司くんへと目を向ける。
僕の背中へ顔を押し付けた時にできたであろう癖のついた前髪の間から、手入れがしっかりとされていることがわかるおでこが見える。
…………ここまで我慢したんだし、おでこならいいよね。
ちゅっ…。
「……あ、え…、…ッ〜〜!!」
やった、やってしまった。長時間画面を見続けた疲れで、脳が上手く機能していなかったのだろう。
付き合ってさえいないのに、僕は愛しの司くんになんということを…!
それでも司くんが起きる気配はない。僕は近くにあったブランケットを司くんに掛け、すぐさま彼から離れ、部屋を後にする。
風呂場へ向かい、浴槽にお湯を溜めようと、蛇口を捻る。ふわりと香った、おひさまみたいな匂い。
思い出してしまえば、どんどん顔に熱が溜まっていくのがわかる。鏡に写った自分は、顔を真っ赤に染めており、物凄く余裕のない顔をしていた。
あぁ、そうだ。司くんは今日僕の部屋に泊まって行く。この生き地獄は明日まで続くんだ。
言わずもがな、この日の夜は、僕の中の理性を総動員し、無事(?)眠りにつけた。
もうダメだ、司くんとお泊まりなんて絶対にしない。もちろんホラーゲームも。
僕は心の底からそう思った。
本当にホラゲー要素ゼロで笑っちゃったw
終わらせ方雑過ぎて没レベルだぞこれwww
あのー、ね。いつかこれのおまけも書こうと思っているので、気長に待って頂ければいいかなと思います。
リクエストありがとうございました!!
読んでくれてありがとうございます!
おまけ→♡50