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『今日』を生きる俺たち。

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『今日』を生きる俺たち。

12 - 君の居ない『今日』

♥

16

2025年11月28日

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目 を 覚ます と 、 真っ白 な 天井 が 目 に 映った 。


まるで 気 を 失う 前 に 見た トラック の 光 みたい だ 。


… そう だった 。


全て が 蘇って くる 。



「 … 赫 … 」



軋む 身体 を 起こして 辺り を 見回す 。


… やっぱり どこ にも 居ない 。


赫 は … 俺 を 庇って 、 先 に 逝って しまった から 。



「 置いて いかない で って … 言った の に … っ … 」



俺 の 目元 が 涙 で 濡れる 。


掛け布団 に ぽた ゞ と 染み が できる 。


どう して 、 1人 に した の 。


何で 、 俺 だけ な の 。


神様 なんか … クソ 喰らえ 。


赫 は 俺 の 生き甲斐 な の に …



「 … ! 桜庭 さん 」



看護師 さん が 、 病室 に 入って きた 。



「 … 色々 検査 したい こと が ある の です が 、 その 前 に 。 」



そう 言って 、 机 の 上 に 視線 を 向ける 。



「 … 桜庭 さん に 、 贈り物 です 。 」



俺 の 視線 は 机 に 引き 寄せられる 。


俺 は すぐさま 机 に 手 を 伸ばして いた 。


俺 の 手 に 触れた の は …


『 桃 の 観察 日記 』


赫 の 字 で 、 表紙 に 書いて ある 。


… 赫 から の ?


そんな の 、 有り得る はず ない の に 。


でも 気づく と 俺 は 震える 手 で 、 ゆっくり と ページ を 捲って いた 。



『 〇 月 △ 日 』


『 桃 が 手 を 繋いで きた 。可愛い 。 まじ 可愛い 。 』


『 〇 月 ‪✕‬ 日 』


『 映画 を 見た 桃 が ぼろ ゞ 泣いて いた 。 可愛かった 。 また 見 に 行こう な 。 』



… 赫 の 字 だ 。 1文字 ずつ に 、 赫 の 想い が 籠って いる 。


いつも 、 こんな 調子 で 喋ってた っけ 。


俺 の こと … すっごく 大事 に して くれた の を 心 も 身体 も 覚えて いる 。



「 あれ … 」



毎回 、 日記 の 1番 下 に 『 また 明日 』 って 書いて ある 。


… 最後 の ページ を ゆっくり 捲る 。

白紙 な の は 分かって いる 。


でも 、 確かめない と 。


そこ には 、 滲んだ 字 で 、 一言 。



『 また あした 』



日付 は … 事故 の 日 と 重なって いた 。



「 あ 、 ぁ … 」



涙 が 零れ 落ちる 。


看護師 さん は いつ の 間 に か 、 察して 席 を 外して くれた よう だ 。


部屋 には 、 俺 の 泣き声 だけ が 響き 渡る 。


もう 隣 で 慰めて くれる 人 は 居ない 。



「 赫 … っ … 」



ふと 、 机 の 上 に まだ 何か ある こと に 気 が ついた 。


それ は 、 あの 時 の 風船 の 紐 だった 。


… これ が 、 赫 の 『 明日 』。


赫 が 俺 の ため に … 守って 残して くれた もの 。



「 … ありがとう … 赫 … 」



静かな 病室 には いつ まで も 、 俺 の 嗚咽 が 溶けて いった 。

『今日』を生きる俺たち。

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