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体育館での一件から数日後、隷の心の中では、六葉に見せる「*本心*」と周囲から自身を守る「*仮面*」との間で激しい葛藤が続いていた。
彼の理性は、生徒会長としての完璧さを維持するため、六葉への感情を再び封じ込めようと必死だった。
放課後、生徒会室で書類整理を終えた隷は、一階の廊下を歩いていた。
彼の目線の先には、下駄箱へと向かう六葉の姿があった。
六葉は最近親しくなったクラスの男子生徒と、楽しそうに笑いながら歩いた。
その男子生徒は明るく社交的な性格で、魔法理論のディスカッションを六葉と共に行うことが多い生徒でだった。
六葉は彼に向かって身を乗り出すように話しており、その表情は隷が冷たい魔力で囲い込もうとしても決して消えなかった、眩しいほどの笑顔だった。