テラーノベル
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2人 「「おつのわーる」」
そう言って俺は配信を切った。
葛葉 「ッブネー」
いろいろヒヤヒヤしたせいか、少し変な汗をかいてしまった。
カナエ 「なんとか誤魔化せたね……」
俺の疲労の原因が何かを言っている。
葛葉 「カナエクーン? もうちょっと危機感を持った方がいいんじゃないすかァ?」
カナエ 「だからごめんなさいって言ってるじゃないですか」
葛葉 「いや、言ってはないからね???」
まったく、何を言ってるんだこいつは。
疲れすぎて狂ったのか。
葛葉 「ったく……。飯テキトーで大丈夫か?」
カナエ 「任せます」
任せるらしい。
……Uberでいいか。
そしてスマホを開いて牛丼を頼んだ。
カナエ 「…………」
ふと気づくと、カナエがボーっとどこかを見つめていたので、気になって声をかけた。
葛葉 「カナエ?」
カナエ 「え? どうしました?」
俺が話しかけると、カナエはきょとんとしながらこちらに顔を向けた。
葛葉 「いや、なんかボーっとしてるっつーか」
何か気になることでもあったのだろうか。
カナエ 「あぁ、叶さんってどんな人だったのかなって」
カナエはどこか遠くを見つめるようにそう答えた。
あぁ、そういうことか。
葛葉 「お前とそんな変わらねぇよ。今日みたいに俺とバカやって、バカみてぇに笑ってる、どこにでもいるフツーのヤツだよ」
カナエ 「そう……」
雑すぎただろうか。カナエは相変わらず遠くを見て話している。
葛葉 「あ、そーいや」
葛葉 「大事なこと忘れてたわ」
“アイツ”に睨まれるかもな……
カナエ 「なに?」
葛葉 「ちょっと待ってろ」
そう言って部屋から出ていった俺は、とりあえずリビングに置いておいた“それ”を取る。
カナエ 「?」
葛葉 「ほれ」
カナエ 「これって……」
部屋に戻ると、カナエが素直にずっと座って待っていたので持ってきたものを渡す。
葛葉 「なにかわかるか?」
カナエ 「…………ロト……?」
驚いた。
今渡したのは、猫のぬいぐるみの姿のロトだ。
カナエの知っているロトは、黒猫の姿か銃の姿に変化した姿なだけのはずだが。
葛葉 「さっすがカナエクン、見た目とか変わっててもわかるもんなんだな」
カナエ 「……わかるよ」
カナエはロトをじっと見つめた後、とても大事そうに優しく、そして強く、抱きしめた。
コメント
1件
配信終わってからの2人の空気、すごく良かったです。葛葉がUberで牛丼頼むって決めた瞬間に「ああ、普段通り戻ってきたんだな」って安心しました。それでいて、カナエが「叶さんってどんな人だったんだろう」とつぶやくところ――あれ、めちゃくちゃ胸にきました。何より最後、ぬいぐるみのロトを「わかるよ」って抱きしめるカナエ。形が変わっても、大事なものは変わらないんだなって、静かにじんわり来ました。
257
koha.
47
ガパオライス
3