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#転生
るな
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みか~ん🍊⸒⸒
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どうしても、見つからぬ。『太宰さん』ならば、ずっとここに居るのに。
「…探す必要って、本当にあると思うかい?」
薄茶色の外套を着た、太宰さんは、ずっと僕のそばにいる。
「あります。絶対、あります」
「どうして、君はそう断言できるんだい?」
然し、僕の知る太宰さんは居ない。黒の外套を着た、威圧感のある、太宰幹部は居ないのだ。
「……僕の師は貴方じゃない」
「だけど、私は太宰治。そして、君の師も太宰治。それは紛れもない事実だよね」
この太宰さんの正体を、僕はやっと知った。
僕を何かと悩ませる太宰さんは、僕をずっと見つめている。
その視線は、僕の知る太宰さんよりも、ただ冷たくて、痛い。
「…貴方は何故、見つからないのですか」
「そんな事、私に言われても分からないよ」
僕の問いにも、この太宰さんは答えてくれぬ。
……そう言えば、最近の太宰さんも、問いかけばかりで答えてくれなかった。
「分かってるのは私じゃない方の太宰治だけ。フフ、面白くなってきたじゃないか」
「……何も、面白くありません」
この太宰さんは、客観視しすぎていて、仮にももう一人の自分がいなくなって居ると言うのに、あまりに他人事である。
……どうにも、調子が狂う。
「芥川君は随分と私が大切みたいだね。居なくなったっていいじゃないか。君を導いたのは君自身じゃあないかい?」
……この『太宰さん』すぐにそう言う言葉を言うのだ。
太宰さんが何を考えているのか、僕には本当に分からぬ。だが、僕に何かを伝えようとしている事だけはわかるのだ。
「違う…太宰さんがいなければ、僕はここにいなかった」
僕は頭を振った。
僕は、今、己が何を言いたいのかさえも分からぬ。
「…芥川さん、一人で、何と話しているのです?」
樋口には、この太宰さんが見えぬし、聞こえぬ。僕が、虚空に向けて話しているだけになる。
「…何でもない」
「芥川君も嘘を吐くのだね」
本当に、太宰さんならば絶対に言わないであろう一言一言が僕を狂わせるのである。
「…太宰幹部、見つかると良いですね」
樋口の一言に、ただ僕は頷いた。
「『そのままじゃ、君は駄目だ』ね」
太宰さんは、小馬鹿にしたように笑って言った。
「……嗚呼。僕も、そう思う」
どちらに答えたのか分からぬ返事をするしかなかった。
コメント
1件
読ませていただきました…っ。この第7話、すごく好きです。もう一人の"太宰さん"が現れて、芥川さんの知っている太宰幹部とどんどんすれ違っていく感じが切ないですね。特に「僕の師は貴方じゃない」という台詞にグッときました。相手が笑っているのに、その笑顔の奥が全く見えない不気味さも伝わってきて、続きが気になって仕方ありません。樋口さんには見えないのも、孤独感を深めていて良いです。