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『群青色の心中』〜貴方となら海の底まで〜
第8話 『嫉妬でおかしくなりそう。』
『…お嬢様。今日は婚約者のヤーラン様とお出掛けだとか…。』
『はい。だから可愛くお願いします。ヤーラン様好みの私にして下さいね。』
『……かしこまりました。お嬢様。』
私はお嬢様の髪を梳く。
そして、お嬢様の顔にお化粧を施す。
『…出来ました。』
『ありがとうございます。』
私はネックレスを首につける。
カチッ 。
『見てください、マルメロ。綺麗なネックレスでしょう?』
『…はい。あの、 お嬢様、私は、いつものお嬢様が好きです。なのに、なんで…。』
『マルメロ、お迎えが来てるから急ぎます。』
遮るように部屋を出ていく。
『……諦めて、しまわれたんですね。お嬢様。』
運命に抗うことを。
一方その頃――。
『…そうか。そんなことがあったんだな。』
『でも、いいの?このままだと主様……。』
『……。』
※言うのが遅れたけど天使がいなくなって平和な世界線のお話です。職業とかは私の捏造でふ。
前の屋敷で執事として働いていたハウレス、フェネス、アモンとカフェでお茶をしていた。
『ボスキさんのこんな顔初めてっすよ…だって、ずっと主様のこと好きだったじゃないっすか。』
『…もういいんだよ。主様が決めたことなんだから。』
『……お前らしくないな。』
『あ?』
『前のお前なら、主様のことに関して譲ったことはない。今のお前は腑抜けだな。』
ドカッ!!
俺は外の椅子を蹴り飛ばす。
『もっかい言ってみろよ。ハウレス。腑抜けだ?あぁ?』
『事実だろう。現にお前は主様の元に向かってない。こうして俺達といる。お前が今一緒にいるべきなのは俺達じゃないだろう。』
『んなの…俺が1番よく分かってんだよっ!!今すぐにでも助けに行きたい。俺の腕で抱きしめてやりたい。でも、それが逆効果なんだよ…っ。俺の為に牢屋にぶち込まれて変わっちまったんだよ。当主の言いなりだ。今の主様には何も届かない。分かんねぇんだよ…どうすればいいかなんて。』
『ボスキ……。』
『嫉妬でおかしくなりそうだ。今頃、一緒に歩いて、手を繋いで会話してるんだと思うと…っ。』
苦しくて苦しくてたまらない。
『ボスキさん……。』
『…ボスキ。お前が1人で向かう勇気がないなら俺達も一緒に行こう。』
『え…っ。』
『直接声をかけるのが無理なら跡をつけるぞ。』
『っ、でも…。』
『俺達は主様とボスキの味方だよ。』
『お前ら…。』
『行くっすよ、ボスキさん!』
ボスキさんの手を取り走り出す。
一方その頃――。
『……はぁ。』
私は庭に水をまく。
『お嬢様の事……私はもう救えないのかな。
そんなのやだよ…お嬢様があんな風に……絶望した姿私は……。』
『あれ…?こんなところに花が咲いてる。この白い花なんだっけ…?』
隠れるように白い花が咲いていた。
『もっと本読んでおくんだった…えっと、えっと…。』
『マルメロ。どうしたのですか?』
『ソ、ソウマさん。どうしてここに。』
『挙動不審の貴方を見かけて声をかけたんですよ。この花の名前ですか?』
『はい、私が無知なばかりに名前知らなくて…。』
『これは白いゼラニウムです。綺麗でしょう。』
『はい。』
『最近植えたんです。お嬢様がこの花が好きだからと。』
『そうなんですね…。』
(白いゼラニウムかぁ。お嬢様の好きな花なんだ…意味も調べてみようかな。)
私は書庫に向かった。
『はぁ、はぁ…。』
主様とヤーランの跡を追いかける。
『あれだな。』
カフェテリアの外で談笑をしていた。
『身なりからしていいとこの貴族っすね。』
『いくらなんでも距離が近いな……。』
『あれが主様の婚約者…。』
『主様とふた周りも違う…そんな奴と結婚させたくねぇよ。』
『ふっ。本音が出たな。』
『……うるせぇな。』
俺は頭を搔く。
誰にも渡すつもりはねぇ。この想いも誰にも譲らねぇ。
『でも、まずは主様の正気を取り戻さないと。今はなんというか心ここに在らずみたいな……。』
『…大丈夫っすよ。それについては。』
『『『え?』』』
『主様の首元のネックレス……。花のネックレスっすよ。ゼラニウムの。』
『それがどうしたんだ?』
『俺が前に授業をしたのに覚えてないんすね……。白いゼラニウムの花言葉は――。』
『偽り――。お嬢様は今の自分を偽ってるってこと…っ?つまり、お嬢様は――。』
『『まだ諦めてないんすよ。\ボスキさんのことをまだ好きなんだ…!』』
次回
第9話 『想いを花に込めて』