テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
私はずっと、痛みに鈍かった。
小さい頃、学校から帰る時に通学路で転んでしまって、ズボンが汚れてしまったとか思いつつ帰ると母親に驚いたような顔で出迎えられた記憶がある。
膝から血が出てるじゃない!!と心配されて、それで消毒の時にも何の反応も示さなかった事から本気で病院に行かれかけた。
どんな感動的な映画を見た時も、私だけ何も感じなくて涙を流さなかった。
それでも別に困っていないからいいと思っていた。
だから、よく泣く彼女に惹かれた自分がいることに驚いた。
💛「う“〜…ごめんなさい、あの…本当に、ごめんなさっ…い、…」
🧡「ああ、落ち着いて…そんなの別に良いから、ね。」
生徒会に入ってきて、よく懐いてくれたこの子。
いつも真面目に動いてくれて、自分から仕事を作ってくれるし、気に入らない理由がなかった。
ただ、よく泣くのだけは面倒だった。
生徒会室に入った途端ぐしゃぐしゃの顔の彼女を見た時、親と大喧嘩でもしたのかと驚いて駆け寄れば、先生に渡す用の行事計画表を無くしたと涙声で言われた。
たったそれだけで泣くのか、と少し驚いたけれどまずはこの子を慰めるのが正解だと分かっているからどうにか撫でさするけど、自分が経験したことないから今までにない焦りで心が一杯になる。
💛「せんぱい…ごめんなさい、きらいになった…?」
🧡「なってない、そんなのでならないよ。」
完全にパニックになる彼女を見て、私の脳は何を感じたのか心臓が酷くうるさく鳴った。
ありえない、こんなの経験したことない。
ずきずきと熱を持って、頭もフラフラする。
💛「でも、でもっ…わたし、真面目なとこしか、取りえないのにっ…」
🧡「…違うよ、綺羅、好きだよ。大丈夫、好きだから。嫌いになんてならない。」
撫でるのをやめて、思いっきり抱き締めれば変な声が漏れて。
驚いたけど、自分の気持ちを素直に伝えれば彼女は何故か顔を真っ赤にした。
あんなのコピーもあるし、いつも真面目なんだからたった一つのミスはむしろ愛嬌じゃないか。
💛「あ…え、えっと……」
🧡「ほら、泣き止んだなら今日はもう帰りな。コピー用意しておくし、また後で連絡するからね。」
いつの間にか涙が止まった綺羅の頬をハンカチで拭いながら、どうにか微笑んでみせる。
えっと、連絡先持ってない…と小さく呟いた彼女の手のひらに自分のSNSのIDと電話番号を素早く書いて生徒会室から出た。
危ない、変な扉を開くところだった。
急ながらソファに腰掛け、スマホの通知を確認する。
可愛い犬のアイコン。あ、これうちの子と同じ犬種。
フォローリクエストを通してスマホを閉じて、コピーを作ってメッセージを送ろうとしたそのとき。
黄緑の輪っかのストーリーが更新された。
💛📱『ついにget…♪』
右の掌の写真で、黒い文字列にモザイクがかけられている可愛いらしいストーリー。
🧡「はあ…やば。」
ずる、とソファから崩れ落ちてしまった。
あまりにも可愛らしくて、初めて心臓が痛いと思った。
end.
コメント
1件
わあ…!ゆあ。🪽さんの新作、めっちゃ良かったです…!😭💕 「痛みに鈍い」主人公が、よく泣く後輩・綺羅ちゃんに惹かれてく過程が尊すぎて…!最初は「面倒」と思ってたのに、気づいたら心臓バクバクで「ずる、とソファから崩れ落ちる」とこ、エモすぎて何度も読み返しました📖💗 「好きだよ」ってギュッてしたシーン、あれ絶対自分が一番ドキドキしてるやつ〜!?🧡🔥 綺羅ちゃんの掌の写真ストーリーも可愛すぎて反則…!続きめっちゃ気になります、ゆあ。さんまた書いてくださいね…!🌸
ささみチーズ。
140
1,228
耀聖(ようせい)
1,222