テラーノベル
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佐久間大介、バニー服を着る
それは、とあるバラエティ番組の収録終わりの楽屋で起きた。
「よっしゃあああ!! 俺の勝ちーーー!!」
深澤辰哉の歓喜の雄叫びが楽屋に響き渡った。
行われていたのは、Snow Man恒例のジャンケン対決。最後まで負け残った者が、スタッフから差し入れ(嫌がらせ)として届いていた「本格派・黒のサテン地バニーガール衣装(うさ耳付き)」を着用し、メンバー全員に高級弁当を奢るという過酷な罰ゲームである。
そして、床に崩れ落ちているのは、見事に全敗を喫したピンク髪の男ーー佐久間大介だった。
「嘘だろおおお!? 俺、今日占いで運勢1位だったのに!!」
「はい言い訳しなーい! ほら佐久間、男に二言はないよな? 着替えてこい!」
渡辺翔太がニヤニヤしながら衣装の袋を突きつける。
「くっそー! 見てろよお前ら、クオリティ高めに着こなしてやるからな!!」
捨て台詞を残し、佐久間は鼻息荒く着替え室へと消えていった。
10分後。
「おい……お前ら、心の準備はいいか?」
カーテンの向こうから、いつもより少し低めの佐久間の声がする。
「早くしろよー!」と向井康二がカメラを構えて待機する中、シャーっと勢いよくカーテンが開いた。
「じゃーーーん!! 令和のバニーボーイ、爆誕!!」
そこに立っていたのは、頭に大きな黒いうさ耳をつけ、首元に白いカラー(襟)と蝶ネクタイ、そして素肌にピチピチの黒サテンのビスチェを纏った佐久間大介だった。
楽屋が一瞬、シンと静まり返る。
「「「……えっ?」」」
メンバー全員の思考がフリーズした。
笑い転げる準備をしていた深澤の口が半開きになり、渡辺は持っていたお茶を吹きかけそうになって耐えている。
なぜなら、想像以上に「仕上がって」いたからだ。
佐久間は小柄ながら、ダンスで鍛え上げられたバキバキの腹筋と、美しい大胸筋の持ち主。ビスチェのタイトなシルエットによって、その引き締まったウエストと男らしい胸板のラインが強調され、おまけに肌が白いため、黒の衣装とのコントラストが異様なほど映えていた。顔はいつもの可愛いアイドル顔なのに、首から下が完全に「美しく鍛え上げられた雄」なのだ。
「……なぁ、阿部」目黒蓮がゴクリと唾を飲み込み、隣の阿部亮平の袖を引いた。「これ、笑っていいやつ?」
「わ、かんない……。笑うっていうか、なんか、彫刻的な美しさがあってツッコみにくい……」
阿部が真面目な顔で腕を組んで分析している。
「なになに!? みんな静かじゃん! 似合ってない!?」
不安になった佐久間が、うさ耳を揺らしながらトコトコと岩本照の前に歩み寄った。
「照! 見てよこれ! 胸元結構キツいんだけど、筋肉の付き方としてはどう!?」
岩本は照れの限界突破を迎えたのか、真っ赤になった顔を両手で覆い、「……仕上がりは100点だけど、頼むから俺を見るな」と限界オタクのような声を漏らした。
「どれどれ〜? 兄さんがチェックしたるわ!」
向井がファインダー越しに覗き込むが、シャッターを切る手が震えている。「アカン、さっくんのポテンシャルが高すぎて、グラビア撮影の仕事してる気分になってきた……! ラウール、レフ板持って!」
「康二くん、楽屋にレフ板はないよ!」と言いつつ、ラウールも「佐久間くん、脚長っ! スタイルバグってる!」と大興奮。
そんな中、宮舘涼太がすっと立ち上がり、ロイヤルな足取りで佐久間に近づいた。
「佐久間」
「な、なに? 舘さま」
宮舘は無言で、自分の衣装のジャケットを脱ぎ、佐久間の細い肩にそっと羽織らせた。
「……風邪をひくと危ないからね。早く楽屋着に着替えなさい」
「舘さま、過保護すぎない!?」と渡辺が猛ツッコミを入れる。
「いや〜、でもこれ結構テンション上がるわ!」
当の本人はすっかりノリノリになり、「ぴょんぴょん!」と楽屋の中でバク転を披露しようと身構えた。
「ストーーーップ!!!」
深澤が全力で羽交い締めにする。「お前その格好で回るな! 目に毒だわ! あと誰か! マネージャーが部屋に入ってこないように鍵閉めて!!」
「えー、ケチふっか!」とブーブー言う佐久間だったが、「ほら、早く着替えて高級弁当注文するぞ!」という深澤の催促(カモフラージュの照れ隠し)により、惜しまれつつも着替え室へと戻っていった。
その後、無事に元のスウェット姿に戻った佐久間が「お待たせ〜」と出てくると、メンバーたちは何故かホッとしたような、でも少し名残惜しいような、不思議な空気になったのだった。
なお、向井のカメラにバッチリ収められた「奇跡のバニー佐久間・秘蔵ショット」は、Snow ManのグループLINEのアイコンに期間限定で設定され、メンバー全員のスマホの中に家宝として永久保存されることとなった。
コメント
1件
わあ、もうめちゃくちゃ可愛かったです……! 佐久間くんがバニー衣装を“クオリティ高めに着こなす”ってノリノリなのも、照が真っ赤になって顔隠すのも、舘さまがジャケット羽織らせる優しさも、全部好きでした。コメディでありながらメンバー同士の距離感と愛情がちゃんと感じられて、読み終わった後ほっこりしました🖤 お疲れさまです〜!