最近ヒーローたちにどハマりしてしまいました、らせんです。
今までfwak、akfwを一途に愛してきた私でしたが、どーーーしてもテツマナが書きたい!!という欲を抑えきれず、書きました!
切り抜きやら非公式webサイトやらを一応は漁りましたが、まだキャラや口調を捉えられておらず低クオリティな部分があると思います。温かい目で読んでいただけると嬉しいです。
今回は普通にてぇてぇしてるだけです!
これを機に、世にテツマナ作品が増えますように😌😌
「控え室を間違える話」
「今日の収録はここまでです、お疲れ様でした。」
マネージャーさんの言葉にふっと体の力が抜け、その場に座り込んだ。周囲は仕事終わりのガヤガヤとした雰囲気に包まれ、少しの疲労を実感する。
今日は昼頃からスタジオでの収録があり、片付いたのは現在時刻16時。某塾のようなどぎつい収録内容では決して無かったが、やはりスタジオでのちゃんとした仕事となると無意識に気が張ってしまう。
デビューして約半年、俺は今の環境をこの上なく楽しんでいる。VTA時代からの気の合う同期と、変わり者揃いだが親切で優しい先輩達。毎日が楽しいという感覚だけで過ぎていき、この半年間で、この事務所に参加できた幸せをひしひしと感じていた。
「お疲れ様、マナ。」
「うぉ、お疲れウェン〜!!」
ひや、と頬に冷気を感じ上を見上げると、まだ未開封のアクエリを片手に、柔和そうな微笑みを浮かべている男が立っていた。
この人は、同期で同じオリエンス所属の赤城ウェン。料理上手で面倒見がよく、酒カスということを抜きにすれば、世の女性の理想なんだろうな、と思う。
ふと、 「ウェン君はお母さんだろうが!!」という野太い声が頭に浮かんできて、密かに笑いを堪えた。
差し出されたアクエリを有難く受け取り、
「やっぱオリエンスのママやねんな、ウェンは。」
なんて軽口を叩いてみた。するとウェンは、くす、と小さく笑う。
「なーに、テツみたいな事言って。」
「ふたりともバブになったら、俺手に負えないよ〜。」
「いや俺はならんて!!」
「オリエンスの赤ちゃんはテツだけで十分や、」
「あはは、テツかわいそ〜。」
他愛もない会話をしながら歩いていると、各々の控え室の前に着いてしまった。普段は1ユニットでひとつの控え室を使っていたが、今日は別々の収録だったため1人1部屋らしい。
「そうだマナ、この後空いてる?」
「ん?全然暇やけど、」
「良かったら俺の家来ない?試したいレシピがあって、味見役に。」
「ほんま!?そんなん行くに決まってるやろ、!」
「あはは、じゃあ支度終わったらここで待ってるね。」
「了解ーー!」
本当に家庭的な男だ……。
話していたママ……じゃなくて、ウェンに別れを告げ、『緋八マナ様』という名札が付いたドアに手をかける。
ガチャ…
「……は?」
部屋に入って一発目、俺が目にした光景は、部屋の隅のソファで気持ちよさそうに眠る佐伯イッテツの姿。しかも、収録前にこの部屋に置いていった俺の上着を、大事そうに抱きしめて。
まさか中に人がいるとは思わず、らしくない素の声を出してしまったが、それでも目の前の男が起きる様子はなかった。
いや、なんでテツが俺の控え室におんねん。今日は別々の部屋のはずじゃ……。
不安に思って、もう一度部屋のドアに付いた名札を確認したが、やっぱり紛れもない俺の名前だった。
これ、テツが部屋間違えてんな……。
先ほど本人のいないところで噂をしたから、天罰が降ったのだろうか。いや、これは天罰なのか……?
目の前で一切悪気の無い顔で眠る彼の姿を見ると、自然と頰が緩んでしまい、怒る気にはならなかった。
しかしこのまま起こさないわけにもいかない。ウェンとの約束もあるし、俺の大事な大事な上着は彼の腕の中だ。このままでは、俺は寒さに身震いをしながら家路につかなければならなくなる。
てかなんで俺の上着抱いて寝てんだよ、クッションとか、もっと別のもんあるやん。
腕に収まりきっておらずはみ出ている部分をぐっと引っ張ってみたが、思ったよりしっかりと握られているようで抜ける様子はなかった。ほんとに寝てんのかって思うくらい強い力だ。
「おいテツ、テーツ、」
ぽんぽんと肩を叩きながら声をかけてみたが、全く起きそうにない。頬をペシペシと叩いてみたり、耳を触ってみたり、大袈裟に肩を揺すってみたりもしたが、それでも起きない。
くっそ、どんだけ爆睡してんねやこいつ!
こんなに頑張っても起きないテツになんだかムカついて、彼の耳元に顔を近づけ、思いっきり大声を出してやった。
「こらテツ、起きんかい!!」
「なんで部屋間違えんねん、ばか……」
ぐいっ
「___ッ!!!??」
肩に置いていた手をがっしりと掴まれた、急に視界が一転する。
ぎゅ
「……ぅ、え…?」
「はは、なんでだろうねぇ、」
「マナくんに会いたかったから、かな?」
少し煙草臭い、でも懐かしい匂いが近づいたかと思えば、背中に手を回されて上着と一緒に強く抱きしめられた。
目の前には、目をばっちり開いてニマニマと笑うテツの顔が……、
「……は、はぁぁあ!!!?」
「おま、めっちゃ起きとるやん!!!いつから……、」
「マナくんが部屋に入ってきたとこから。」
「いや序盤も序盤やな!!?なんでこんな茶番してんねん、もう!!」
「頑張って起こそうとしてるのが可愛くてつい……」
「あほテツ、離せ」
「ええっ!?ひどくない!!?」
ひどくないわ、人を揶揄いやがって。テツのくせに。
「ごめんよ〜」とか言いながら全然離す気なさそうやし。
いつかのコラボ配信では、『テツマナてぇてぇ』なんて言われていたが、今は完全オフ。にも関わらず、なぜ配信外にこいつとイチャイチャしなくちゃいけないんだ。
「マジで離せ、!!この後ウェンの家に飯食い行くんやからーーー!」
「はぁ!?ちょ、聞いてないんですけどぉ!?」
「言ってへんもん、!てかなんでテツに言わなあかんねん!!」
「寂しいなぁ、俺とマナくんは一心同体なのに……、」
「きもいわ離せ!」
ガチャ…
「あの、仲良くしてるとこ悪いんだけど……、」
突然扉が開いたかと思えば、困ったような顔をしたウェンと、これまたオリエンスの仲間である宇佐美リトがひょっこりと顔を出した。
一方こちらは、ソファで抱き合っている成人男性ふたり。
一気に羞恥心が込み上げてきて、体がぶわっと熱くなるのがわかった。
「あっ!ウェンくんにリトくん!!」
「テツ〜!お疲れ様!!」
そんな俺を気にする様子もなく、テツは未だホールド状態で平然とリトと会話をしている。え、これ俺がおかしいん?
「……それで、さっきたまたまリトにあったんだよね。」
「だからせっかくだし、4人で俺の家で飯食おうって話になって。」
ウェンの提案に目をキラキラさせるテツ。
「ほんと!?マジでママ最高かよ!」
「あはは、じゃあ俺とリトは外で待ってるから、早く着替えちゃってね〜」
パタン
2人が出ていくと、居心地の悪い沈黙が部屋を包む。
「いや離せや。」
「……ねえマナくぅん、2人が入ってきた時、顔真っ赤だったよ?」
「自覚ある?」という風にこてんと首を傾げるテツ。こんのどーてー野郎……、
その言葉に返事はせず、代わりにこちらを見つめるテツのおでこに思いっきりデコピンをして上着を奪い取る。
「いでっ!!?」
「ほら、はよ支度しい、2人とも待たせてるんやから。」
「あ、待ってよマナく〜ん!」
おでこを抑えて情けない声で嘆く様子が面白くて、小さく笑い声をこぼすとまた調子に乗ったことを言い始めたので、もう一回デコピンを喰らわせてやった。
同期の距離感がくそてぇてぇです。
END
コメント
6件
テ、、テツマナだと、この世にまた、神カプが生まれていたのに気づいていなかっただと…
うわぁ...!✨️私のめちゃくちゃ好きなカプのテツマナだぁ...!?✨️まじでありがとうございます...!!!おかげで寿命伸びました...!!!!!✨️✨️✨️
テツマナもいいけど…やっぱりふわぐさダゼッ!!今回も神作品ありがとうございます🙇🏻♀️⸒⸒()