葛葉side
静かに屋敷の中に足を踏み入れる
おちゃらけて悪ふざけが好きな俺には堅苦しいこの家は合わなかった
いつもどこかで窮屈さを感じていて、
苦しかった
実力主義な魔界では地位と実力のある俺を魔王…?とやらにしようと働きかける動き、
勢力がいくつもあった
その度に隠れて、
なんだか俺が悪いことをしているような気さえしてきた
拝啓父上と母上へ
俺を強く育ててくれたことには感謝してる
でも不真面目な俺にはこんな堅苦しい名家の息子であり魔王候補、
なんて重い肩書きは背負っていられなかった
ごめん、だけどありがとう
こんな俺を見捨てないで居てくれたこと、感謝してる
地位も名誉も持たない俺を必要として、見てくれる人を見つけたんだ
だからもう戻らないかもしれない
けど心配は無用
強く育ててくれたおかげでそのささやかな暮らしを守れる男になった
長くなったけどこれだけは、
ありがとう。
いつも言わない感謝の気持ちを書いたその手紙がなんだか重く感じられてその場に起き、
足早に立ち去った
湊side
いつからか家が嫌だった
女癖と酒癖が一流に悪い親父
ホストクラブを経営し、
若い男を連れ込む母
そんな2人の息子である事を心底悔やんだ、
何度も。
大嫌いな家ともサヨナラできる喜びを紙に書き出した
拝啓親父とおふくろへ
お前らのことは幼心でも覚えているほどに嫌いだった
もちろん今でも
でもお前らがたくさんの人と接させてくれたおかげでコミュ力だけは一丁前に付いたよ
感謝してるのはこれぐらいやね
じゃ、ばいばい
こんな両親に掛けてる時間がもったいないと手早く荷物をまとめて走り出す
俺を待ってくれてる人の元へ
『』side
『眠…』
『休憩しよ…』
そう呟きケーキと紅茶を準備しテーブルへと置く
『いただきま~s』
がちゃんっ!!!
ロレ「ただいまッ!」
イブ「ただいま…っ、」
湊「うおぁッ!?ロレぶつかる!!!」
葛葉「お前ら玄関の前で混むなよ…」
湊「いやずはは飛ぶなよ」
『おかえり~!!!』
『ベッドとかも部屋もバッチリだよ!!!』
『部屋は4人で決めてね!全部の部屋にベッドは置いてあるから!』
葛葉「ケーキ俺も食べたい」
湊「え俺も!」
イブ「俺も~」
ロレ「俺も食べたいが!?」
『準備するから座って待ってて~』
湊「…なんか家やな~…」
イブ「な!くそ居心地いい」
『はい!じゃあ食べよっか!』
『「「「「いただきます」」」」』
コメント
2件
葛葉もぷわもつらいねぇ…玄関の感じめっちゃ好きです!!!!