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鷹槻れん/鷹槻うなの

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鷹槻れん/鷹槻うなの

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臣桜
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#恋愛
水無月 京
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「…え?」
「意外でした?」
つい目を瞬かせる。
「普通にお金のためだと思ってました」
「…君、時々失礼なことを堂々と言うよな」
破顔したその顔は、不自然さがなくて。なんとなく、心からの笑顔なのだろうなと感じるのは傲慢だろうか。
「…ついうっかり」
「わざとじゃないならずいぶんなうっかり屋さんだね」
立ち上がったついで胸ポケットから1本タバコを取り出す彼を眺めていれば、こちらをチラリと見て気まずそうにタバコを戻す豆さん。
「え、どうしたんですか。どうぞ」
「副流煙吸わせるのも悪いので」
「気にしないでください」
豆さんの元気が出るならタバコでもなんでも。
「叶わないねえ、弓家さんには」
「どういうことですか!?」
「いや、そのまんまよ」
結局彼は戻したタバコを取り出すことはせず、少しだけ言葉を溜めてからまた話し始める。
「パートナーにもなるとさ、金と権力の集まり具合がすごくてね。一歩間違えればあっという間にその魅力に取り憑かれて堕落していくのよ」
「…ええ」
「だからパートナー同士の会話なんて殆どが腹の探り合いだし、権力争いでしかない」
「そういう話はよく聞きますね」
相槌を打てば、ね、と少し悲しそうな顔になる彼。
「どいつもこいつも、本当はもう少しまともな野望を持っていたはずなのに、どうしてこうなっちまうんだろな」
「…」
「虚業だって叩かれる仕事だけど、少なからず国の産業の成長に役立ってる側面もあるのよ、部外者だからこそ」
遠くを見つめる彼の目には、なにが映っているのだろう。たまらなく知りたくなって、でもそこに踏み入るのは違う気がして。
「俺は、昔からずっと考えてることは変わらないよ」
「…それを実現するためには、単に別の会社に行けばいいと言うかんじでもなさそうですね」
「そうね。どうせどの会社も腐り具合は似たり寄ったりだろ」
だから、別に俺はココでいいのよ。
ポツリと漏れ出た言葉は、喫煙室の黒い床に溶けてゆく。
「俺は、誰が社長になろうとどうでもいい。誰がセクター長になろうとも気にしない」
やっぱり。
ある種予想していた答えに驚きはない。そのまま見つめていると、彼はこちらに視線を移す。そこに少し悪戯めいた光が見えて、おや、と思えば。
「でも、本来俺に与えられるべきものが不正な手段で阻害されてるんだとしたら、それは普通にムカつく」
「……なるほど」
「だから、そういうのに巻き込まれたらやっぱり鉄拳制裁するしかないんだよなぁ」
「…武闘派なんですか」
「合法的、社会的な鉄拳ね」
「意味わかんないです」
少しずつ、いつもの豆さんに戻りつつあった。
会議を始めるべき時間はもうだいぶすぎてしまったけれど、それでもこの時間をもう少しだけ大切にしたい。
「豆さん、その正義も大事ですけど、私は豆さん自身のことも大事にしてほしいです」
「ほう?」
思ったことを言いきってしまうならきっといまだ。
「豆さん、最近タバコの量増えてませんか?」
「え、バレてる?臭い?」
半分ぐらいは推測というか妄想で。しらばっくれられることは想像していたけど、まさか速攻白状するとも思えなくて、聞いたこちらが驚いてしまう。
「いや、全然匂いはしてませんよ」
「あそうなの。まああれか。俺タバコ休憩めっちゃ行くしそりゃバレるか」
「まあ、別に私もカウントしてるわけじゃないので厳密に増えたかはわかってないんですけど」
「まじで。俺カマかけられたわけ!?」
俺にハッタリかましてくる奴なかなかいないよ、と感心する彼はなぜか楽しそうだけど、こちらの気持ちは下がるばかりだ。
「すごい普通のこと言いますけど」
「はい」
「タバコは体によくないので」
「…はい」
笑いを噛み締めている声が届き、明らかにこちらを揶揄っているのだろうと想像がつく。
「私は豆さんのことが心配なので、真面目に心配しています」
思わず語気を強めて発言すれば、ごめんごめんとすぐに謝罪が飛んでくる。
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