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ガララララ…
黈「おわぁ!翠くんっ!」(目輝
翠「やっほ ~ 、黈ちゃん」(ニコッ
いつものようにドアを開けると、瞳をいつもよりいっそ輝かせている恋人がいた。
ここは、とある病院の一室。黈ちゃんは、産まれながら心臓の病気を患っていて、外に出たことがないし、歩いたことすらない。
翠「はい、これ」
黈「おわぁぁ、美味しそぉ…ありがとうっ!」(ニパッ
翠「ううん、大丈夫だよ」(ニコッ
黈「ん ~ !美味し ~ !」
そう言いながら満面の笑みで俺が買って来た和菓子をほうばっている恋人に、つい笑みが零れる。
黈「…そういえば、最近また近くで空襲があったみたいやね、」
翠「…うん」
黈「そろそろ、ここも空襲にあうんかなッ?」
翠「もしそうなったら、黈ちゃんを連れて逃げるから。」
黈「…ええんよ、俺は」(苦笑
黈「もう、そう長くは生きられへんしさ」(ヘラッ
翠「、…」
黈「翠くんが1日でも長く生きてくれれば、俺はそれでええんよ」(ニコッ
翠「俺も同じ。黈ちゃんが1日でも長く生きてくれないならこの世界に意味なんてないよ」
黈「うぇ、…」(照
黈「…そ ~ ゆ ~ の、あんま言わんといてや、」(ゞ
翠「勿論」(笑
少し揶っただけで、リンゴみたいに赤くなる君が可愛いくてしょうがなかった。
黈「ゲホッゲホッ、ゴホッ」(吐血
翠「大丈夫?」(背中撫
黈「ん、大丈夫」(ヘラッ
翠「最近、症状悪化してきてるね」
黈「そんな長い命ちゃうしね」(苦笑
翠「…そんな事言わないで?」(頬撫
黈「ん、…」(頬赤
翠「俺は、黈ちゃんに長く生きてほしいの」
翠「だから、そんな事言わないで?」
黈「ぅ、分かった…」(照
翠「あ、そろそろ帰らないと」
黈「またねっ!」(手振
翠「うん」(手振
これから地獄を見ることを知らないまま、俺は黈ちゃんのいる病室から離れた。
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茈「翠ッ!!」
翠「茈ちゃん!どうしたの?」
茈「黈のいる病院に敵が攻めてきたってッ」
翠「…はッ?」
突然茈ちゃんが来たかと思えば、黈ちゃんのいる病院が敵に攻められたという言葉が聞こえてきた。
その後、次に記憶があるのは黈ちゃんの病室に着いた時だった。
翠「黈ちゃんッ!!」
黈「翠くッッ…」(ポロポロ
敵「_____?」
敵みたいな人が、黈ちゃんの髪を上に持ち上げていた。いつもツヤゞに光っていた髪も、光を失って乱れていた。
相手は黈ちゃんが病気を持っていることなんか気にしていないんだろうな。そんな事が頭によぎった。
翠「黈ちゃんを離せッッ”“!!!」
敵「_________」(チャキッ
黈「ひっ、…」(怯
翠「ッッ”“!!!」
黈ちゃんの頭に銃を当てて、こちらに話しかけている敵に、一気に殺意が沸く。
黈「う”ッ、ゲホッゲホッ」(ビチャビチャ
翠「ッ…黈ちゃッ」
その時だった。
敵「_____」
バンッ
翠「…はッ?」
翠「黈、ちゃん?」
一瞬のことだった。黈ちゃんの頭に、敵の銃が撃たれた。
頭が真っ白になった。もう、何も考えられなかった。
翠「ッ…」
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あれから、何時間経ったのだろう。
目の前の敵は、痣と血だらけになっている。
でも、そんな事どうでもいい。
翠「…黈ちゃん」
黈「、…」
リンゴみたいに赤くなる頬は、氷のように冷たくなり、少しずつ固くなってゆく。
翠「大丈夫だよ、すぐにいくから」
そう言って、自分の頭に銃を構える。
翠「来世で会おうね」(ニコッ
それと同時に、俺の意識は途絶えた。