この作品はいかがでしたか?
49
この作品はいかがでしたか?
49
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ハルカが居なくなった室内で、2人で向かい合って座る。
私の目を真っ直ぐに見つめる彼女の先程の可愛らしい笑みは消え去っていた。
鋭い視線が、私を射抜く。
それがあまりにも恐ろしくて、私は目を逸らした。
「ね、ヒスイさん。」
「何…?」
「私ね、貴方のこと大嫌いよ。」
「え?」
明らかに動揺した私を見て、楽しそうに笑うアイラちゃん。
私を見下すような、そんな顔をして笑う。
明るく、楽しげな彼女の表情とは裏腹に、私の心は不安と恐怖で満たされていく。
「心当たりないの?」
「ない…ないよ。」
「あー、そっか。残念。」
わざとらしく、肩を落とした。
「自分の居場所を奪われるのを指咥えて見てればいいわ。」
その後、満面の笑みで彼女はこう言った。
「さようなら、救世主さん。」
刹那、彼女の叫び声が部屋中に響き渡る。
号哭にも、悲鳴にも聞こえるその声は、部屋だけでなく、家の外にまで響いていた。