その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。
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「師匠、どうですか?」
今、俺、リードはダンジョンで手に入れた物を
師匠(祖父)のルブロックに見せているところだ。
「うーん…まあ、一つずつ説明していこう…」
ん?師匠、なんかいつもより歯切れが悪い感じが…?
「まず、この黒光りしている石だが、これは魔石と呼ばれるものだ…。
魔石は、どんなモンスターでも絶対に持っているとされる、
我ら人族に例えると心臓のような、エネルギーを送っている、魔力を蓄えている石のことだ…。
魔石は大きさによって蓄えている魔力も違くてな…。
強いモンスターになるほど大きい魔石を持っているのだ…。
この魔石は、ゴブリンのものなら、小魔石に分類されるな…。
リードは、角を曲がったところにある、〘魔石売買屋〙を見たことあるだろう?
あそこで高価買取をしてくれたり、魔石を買うことができる…。
そして、取り込むと魔力が上がる効果がある…。
まあ、リードには能力があるから必要はないと思うがな…。」
へー。それにしても、今日の師匠は歯切れ悪いなぁ。
「そして…、この2つのペンダントだが…、我の弟のものだ…。」
え…?
「じゃあ、どうして弟さんのペンダントが…?」
「我の弟はな、まだ我が26くらいだった頃に勝手にダンジョンに行き始めて、
それを親も黙認していたのだが、ある時、ダンジョンに行ってくるといったまま、帰ってこなかった。
だが、もしダンジョンで失踪をしたのなら、見つけることはできないと話していた。
なんでかって?ダンジョンは、人によってゲートをくぐってたどり着くところが違うんだ。
だから、2人同時にゲートをくぐったとしても、2人別々のところにあるダンジョンへと飛ばされてしまうんだ。
お前がさっき聞いてきた、ダンジョンの構造が違ったというのは、まあ色々可能性はあるのだが、
ごくたまにダンジョンの構造が変化するんだ。
その部屋に建造物がある部屋以外の話だがな。
まあ、そんなわけで、どこかに弟はいると思っていたが、もう一生見つからないと思っていた。
だが、まさかダンジョンの主のコアを使えば人を生き返らせれるとは…。
あいつは、最後の希望をお前に託したってわけか。」
まさか、師匠にそんな過去があったとは…。改めて、勝手にダンジョンに行ったりしたことを反省します。
「話を戻すが、この2つのペンダントのうち、こっちの青緑色のペンダントは、魔力が込められたエメラルドだ。
ものすごく高価なもので、弟が誕生日プレゼントを5年分我慢して買ってもらってたっけなぁ。
まあ、このペンダントは、魔力を込めながらペンダントに登録したところを念じると、そこにワープできる。
ダンジョンの内部にいたり、戦闘中であってもだ。だからな、リード。
これは、緊急脱出装置として使えるわけだ。ただ、注意してほしいのが、2つある。
一つは、魔力の消費量のことなんだ。これは、その使用主の魔力の数値関係なく、
満タン時の魔力の半分を消費するということなんだ。
つまり、魔力の満タン値が2の人が使用すると、魔力消費量は1で済む。
だがな、魔力満タン値が1000の人が使用すると、500魔力が消費される。
だからな、魔力を乱用したあとにピンチになっても、魔力の数値が半分を切っていれば、
このペンダントは使用できない、というわけだ。
なんか不満そうな顔をしているな、リード。
だがな、このペンダントはワープ用品の中ではもの凄く高級なものなんだ。
中には、満タン時の魔力数値すべてが必要なものだってあるし、
ワープ地点に登録しても、そこにワープしないで何処か遠い、登録をしていないところにワープしてしまうこともある。
だからな、リード。このペンダントは、決してケチなものではないんだぞ。それを踏まえて使え。」
「はい!」
そもそも俺は、ペンダントの説明が記された羊皮紙の言葉が難しすぎて解読ができず、
師匠に説明を頼んだんだ。
「そして、このもう一つのペンダントは、我も見たことがない。
だが、この羊皮紙に書かれた説明文を簡易的にすると、指定したところ2箇所にゲートを出現させ、
いつでもそのゲートをくぐれば指定したところに行き来ができるようだな。
つまり、ダンジョンと家にゲートを出現させれば、いつでも家からダンジョンへすぐ行ける、ということらしい。
だが、注意点が2つあるようだ。
1つ目は、一度も行ったことのない場所にゲート出現場所を指定できない、ということらしい。
2つ目は、一度ゲートを出現させれば、ゲートの移動、削除はできなくなる、と記してあるな。
この注意点を忘れないようにな。ただえさえリードは忘れっぽいんだからなあ。」
その通り、俺は自他共に認める忘れん坊だ。
「そして、ゲートを出現させるに当たって、大魔石5つ分の魔力を持つ魔石が必要らしい。
ただ、数は記されていないから、中魔石50個でも、小魔石500個でもいいということだろう。」
うわぁ。魔石必要すぎるだろ。
というわけで、俺にメイン任務ができた。それは、ダンジョンの主を倒し、コアを手に入れ、
師匠の弟さんを生き返らせる、という任務だ!
※ピコーン※※焔付箋珠法※恒例スキル獲得※
え〜…物語の最後の最後になってスキル獲得ってあるのかよ…。
初めてだけど、ステータス確認してみようかな。
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〈ステータス確認〉
名前:アビリティ・リード
年齢:13
称号:冒険者見習い
種族:人族
戦闘職業:剣士見習い
筋力13.2敏捷14.3体力15.4魔力18.5器用9.4精神10.72運11.2スタミナ19.4
状態:正常
取得スキル:〈斬撃〉
恒例スキル:〈赤靄黑骨旋〉:〈焔付箋珠法〉
エクストラスキル:〈特異体能力〉
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おー、こんなふうに確認できるんだー。
でも、スキルの効果とか、エクストラスキル?とか、なんかわからない事が多いなぁ。
どうやったら確認できるんだろ?意識したら確認できたりして。
そう思い、〈取得スキル〉と、意識してみた。すると…
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〈取得スキル〉
一定の条件を達成することにより獲得でき、使用するごとにスタミナを消費する。
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お、確認できた。じゃあ次は…〈斬撃〉
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〈斬撃〉
剣術系スキルの基本スキル。獲得するには、素振りあるのみ。
亜種を含めると派生スキルは無数にある。
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やっぱり基本スキルって獲得するの、普通だと難しいんだ…。
特異体の能力に感謝しつつ…〈恒例スキル〉を意識。
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〈恒例スキル〉
継続的に発動するスキル。ほとんどの恒例スキルはスタミナを消費しない。
ただ、稀にスキルと同じ感覚で使える恒例スキルがある。
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へー。説明がわかりやすいなー。
じゃあ次は、少しもわからない恒例スキル、〈赤靄黑骨旋〉を意識。
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〈赤靄黑骨旋〉
継続的に発動する恒例スキル。スタミナは消費しない。
このスキルを持つ人は、奇跡のような現象に遭遇する確率が5倍に上がる。
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お、いいじゃんいいじゃん。普通に嬉しいスキルだね。
じゃあ次は…〈焔付箋珠法〉を意識。
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〈焔付箋珠法〉
脳内データベースの容量が莫大に上がる恒例スキル。
継続的に発動する。スタミナは消費しない。
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お!ということは…とうとう、自他共に認める忘れん坊、卒業だ!やったー!
卒業証書もらいたいくらいだよ。
じゃあ次、一番気になってる〈エクストラスキル〉を意識。
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〈エクストラスキル〉
派生スキルがあるエクストラスキルも存在する。
一つでもエクストラスキルを持っていると、重宝される。
スタミナではなく、基本的に魔力を消費する。
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へー…ってえ!?エクストラスキルって結構すごいスキル?
ということは、俺、重宝される!やったー…てか、
家族は重宝してくれないだろうなー。
だってあの師匠だし、鋼のメンタル妹だし、
成績俺より悪い父さんだし、天然の母さんだし、変わらない気がする。
じゃあ、いちばん重要な〈特異体能力〉を意識!
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〈特異体能力〉
極稀に誕生する、スキルなどとは違う、生まれつきの能力を持つ人の能力のこと。
特異体の人によって、その能力は変わる。
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これが、エクストラスキル…。
なんか達成感あるな〜(何も達成していません)。
よし、取得スキルが少ないからこれからスキルを増やすために、
もっと特訓、いや、修業をするぞ!
と、俺は心に刻むのだった。
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