その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。
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俺、リードは、今日もいつもと同じようにダンジョンがある広場へと向かっていた。
そして、広場へと続く出入り口の門をくぐると…
いつもは誰もいない広場真ん中に、人だかりができていた。
とてつもなく気になったから、近くを通りかかった人の良さそうな、ちょんまげが目立つおじさんに声をかけた。
「一体、何かあったんですか?」
「あぁ、あの人だかりのことかい?
なんかね、あの国中に名のしれた冒険者クラン(仲間を集め、一緒に冒険をしたりダンジョンを攻略したりする組織)
が来ているらしいよ。もしかしたら誘ってもらえるかもしれないからなぁ。まあ、無理だろうがなぁ。」
残念そうにその男の人は言うと、サルガドのゲートに消えていった。
その人が消えたゲートを眺めたあと、俺はその群衆を無視して同じようにゲートに入ろうとした。
すると…
「君、冒険者クランに興味ないかい?よかったら、僕らのクランに入ってほしいんだけど…」
誘われてしまった。
「どうして僕なんかを?」
「いや、だって僕の〈査定眼〉を弾く人って、そうそういないし、
魔法の素質がありそうだったから、ね」
〈査定眼〉って、何だ?鑑定系スキルの一種かな?
あと、俺に魔法の素質?
今まで剣術しか特訓していないでいて、魔法の杖は押し入れにしまいっぱなしの俺に?
「というわけで、クランに入ってくれないかい?」
「えっと…家族に相談したいので、ここでは決められません…。」
「わかった。僕らは明日もここにいるつもりだから、決まったら教えてね。
いつでも歓迎するから」
そう言って、なんか妙にイケメンな人は、人だかりの中へ入っていった。
「師匠、どう思いますか?」
あれから俺はサルガドである程度魔石を稼いで、帰ってきてから師匠(祖父のルブロック)に相談した。
「我から言えることは一つだけだ。おまえが冒険者クランに入りたいのなら、入ればいい。
入りたくないのなら、断ればいい、それだけだ。リードは、入りたいのか?」
うーん…。
「入りたいです!」
「なら、入ればいいじゃないか。
ただ、気をつけてほしいことがある。冒険者狩りクランというものが存在してな、
魔物が冒険者に化けて、そのクランに入った冒険者を食ってしまうんだ。心して注意するように。」
「はい!」
その次の日…
朝食を食べたあとすぐに、俺は、ダンジョン前広場へ走った。
今日も昨日と同じように、広場の中央に人が集まっていたが、早朝なだけに、人は少なかった。
その中心に、昨日の妙にイケメンの人がいた。
近づくと、気づいたようにこちらを見て、歩いてきた。
「あ、君は、昨日の」
あ、覚えていてくれた。
「あの、昨日家族と相談して、クランに入ることにしました。」
言うが早いか、その人の顔に笑みが広がった。
そして、走って人混みの中心にいるであろう仲間に伝えに行った。
しばらくして…
人混みの中から、様々な格好の6人が歩いてきた。
一人目は、体格がしっかりした、どでかいハンマーを持った、強烈な攻撃をしそうな男だ。
二人目は、小柄で目に純粋さが現れている、刃が長い剣を持った、同い年くらいの女の子だ。
三人目は、空中に浮いている、弓を持った細身の青年だ。
四人目は、くせ毛が目立つ、俺とは違い、黄金の魔法の杖を持った、魔女っ子風の帽子をかぶった10歳くらいの少女だ。
五人目は、少し薄汚れた作業着を着て、作業用ゴーグルを頭につけた女だ。
そして6人目は、あの俺をクランに誘ってきた妙にイケメンな男だった。
そしてその6人は、一人ずつ自己紹介をしてくれた。
あの体格がしっかりしているハンマーを持った男はホテアデスと名乗り、前衛ということを教えてくれた。23歳らしい。
小柄な同い年くらいの女の子は、フォティというらしい。
そして、俺が思った通り同い年の13歳で、中衛らしい。そして、可愛い。この子となら、すぐに仲良くなれそうだ。
そして、あの空中に浮いている青年は、セサというそうだ。
そしてまさかの、セサは人族ではなく、精霊の一族だそうだ。
ホテアデスが一週間説得し続けて、仲間になったらしい。武器の通り、後衛で、年齢は104824歳だそうだ。
もの凄く年を取っているように聞こえるが、精霊の一族の中ではまだ全然若いらしい。
そして、くせっ毛が目立つ魔法少女っぽい女の子は、リイナというらしい。俺より年下の10歳だった。
こんな若い子でも冒険者をしているんだ、と、俺は密かに驚いた。
そして、見た目通り魔法使い見習いで、後衛だそうだ。セサいわく、もの凄く魔力が多いらしい。そして、人懐っこいらしい。
そして、作業着を着た女性は、フェレールと名乗った。
武器などのメンテナンスなどを担当している、凄腕技師らしい。
なんで技師がクランメンバーにいるのかと聞くと、
その場でメンテナンスとか修理とかができるし、何しろ他のクランにとられないようにクランに入れたらしい。
だから最近、国内全域で技師の人口が減ってきているのか、と俺は納得した。
そして最後に、俺を誘ってきた妙にイケメンな人は、リグと名乗った。なにしろ、このクランの創設者らしい。
そして、剣術の腕前も確かなものらしく、前衛を任されているそうだ。
自己紹介が終わる時には、太陽が真上まで昇っていた。
その後俺は、リグに腕を取られながら近くの酒場に連れてかれ、
未成年なのに酒を飲まされ、わかったことがある。
酒、俺は苦手だ。
そして、フォティ以外は全員酒に強いことがわかった。
そして、俺はフォティと一緒に酔いながら、夕方まで談笑していた。
そして、真夜中になってしまい、急いで屋敷に帰ったが、
また、この日も漬物地獄になってしまったのだった。
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