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どうやら高校生の娘には悩みがあるらしい。
なんど聞いても教えてくれない。
「ママ、凛ちゃんの悩みはなんなんだ?」
「パパ、女には秘密があるのよ。」
「そ、そうか…… 」
いや、なんだそりゃ。もうすぐ俺の誕生日だが、どうでもいい。最近娘はバイトも増えている気がする。
明日は俺の誕生日。誕生日が冬なのはあまり嬉しくない。寒いから。雪で仕事に行くのが大変だから。
「お父さん、今日学校連れて行ってほしい。雪吹雪で自転車で行くの無理そうなの。」
「そうか。帰りの時間教えてくれたら仕事早退して迎えに行くからな。」
「お父さんありがとう。」
カチカチカチ
あぁ〜集中できねぇ。
「アッツ…缶コーヒーか。」
「山田やめろよ……俺は今悩み事でいっぱいなんだよ。」
「まぁ落ち着いてくださいよ。スマホ、娘さんから連絡きてますよ。」
「あぁ、ありがとう。」
お父さん、迎えにきてほしい。とのこと。
「凛、迎えに来たよ。」
「お父さんこのままバイト先まで連れて行って。」
「バイトか…働きすぎも良くないぞ。」
「……」
「ママ、凛働きすぎじゃないか?」
「凛にも事情があるのよ。きっと。」
「あなた、明日は久々の休みで誕生日なんだから。イラつきすぎもダメよ。」
「そうだな…」
もう俺の誕生日か。
「ママ、凛おはよう。」
「お父さんおはよ。」
「パパおはよう。」
「あ、ありがとう。2人から言われると照れるな。」
「これママから、マグカップのプレゼント!!」
「ありがとう、これでコーヒー飲むよ。」
「お、お父さん、冬だからパソコンするのに手が冷えるだろうから。これ、充電式カイロ。」
「凛、ありがとう。まさか、バイトってこのプレゼントのために……?」
「うん、サプライズしたくて。」
無駄に心配していたけどその心配は余計で、その心配をさせるような行動は娘の優しさだった。