「絶っっ対に俺のクラスの出し物に
来るなよ!!いいな!!」
突然、文化祭当日の登校中、兄さんから
言われた。
「えっ、なんで??」
「……いいから、絶対に来るなよ。もし
来たら殴るからな」
「えぇっ、怖いよ兄さん。分かった、
行かないよ」
と言ってそう簡単に諦める僕ではない。
気になりすぎからもちろん行く。
それに兄さんは優しいから殴ったりは
しない。
「……ならいいが。それより、お前は
文化祭で何すんだよ」
「……あぁ、僕?僕は……。まぁ、
来てからのお楽しみだよ。12時に僕のクラ
ス来たら いい事あるかもね」
「なんだよそれ……。胡散臭い」
「もぅ、本気で言ってるんだからね」
学校につき、文化祭が始まった時。
僕はすぐさま兄さんのクラスに行った。
「えっとー、兄さんは何するのかな。」
顔をひょこっと出してみれば、そこには
男性メイドカフェという看板が
立てられていた。
「……あぁ、なるほど。」
にやっとするのを抑えながら、僕は
兄さんのクラスに入った。
まぁ、当たり前のように、そこには
メイド服の兄がいた。
「……っなぁ!?!?」
(あ、気づいた)
兄さんが気づいた途端、兄はかぁっと
顔を赤くしてこちらに近づいてきた。
「ぉ、おま、ぇ、なんで……っ!!」
「ふふ、遊びに来ちゃった。ね、メイド
さん。僕を楽しませてくれるんでしょ?」
「……後で覚えとけよお前、」
むむむっと可愛い顔をした兄さんは、
少し面倒くさそうにいらっしゃいませ
ご主人様、と言いつつ、席に案内してくれた
「……で、何にするんだ」
「うーん、どうしようかな。……あっ、
じゃこの萌えオムライスとにゃんにゃん
パフェくださーい。」
「……ん」
そう言うと兄さんはどこかへ行き、
数分後食べ物を運んで戻ってきた。
「……美味しくなる魔法入りますか」
「当たり前」
「……はぁ、やればいいんだろやれば」
そう言うと兄さんは嫌々手でハートを
作り、
「美味しくな~れ、萌え萌えきゅん」
「ふふ、兄さん可愛い」
「……いいからさっさと食って帰れ!!」
「あっ、行っちゃった、、兄さん
可愛かったなぁ」
なんで無一郎が来るんだよ……!!」
俺はイライラしながらぱっぱと制服に
着替えた。
「来るなって言ったのに……。それに
なんだよ、12時にあいつのクラスに行くと
いいことがあるって。」
俺は不思議に思いながらクラスに向かった
「……は???」
無一郎のクラスに着いた途端、俺は唖然と
した。何故なら、そこには大きく
お化け屋敷、と書かれていたからだ。
「はぁ!?どこがいい事何だよ!! 」
絶対に行かないと思いつつも、何故か
入ってしまった自分がいた。
中に入ると、お化け屋敷らしく中が
真っ暗で、怖い音楽が流れていた。
「ぅっ、……あいつ、絶対会ったら
しばいてやる、、、」
と、その瞬間。俺の目の前に何かが現れた。
「っっ……!?!?ひゃあぁっ!?」
「っぁはははっ、僕だよ、僕。」
「は、はぁ、っ、なんだよ、お前か…
って、ぉま、その格好……!!」
「ね、いい事あるって言ったでしょ??
どう?似合ってる?」
そこには、可愛らしいキョンシー姿の弟が
いた。
「…………、」
「あれ、兄さん?」
確かにいいことがあったと思う自分が
悔しくて、俺はそのまま立ち尽くした。
「ねぇ、可愛いかどうか聞いてるんだよ。
ぼくかわいい??」
「……知らない、」
「もうー、素直じゃないね。顔真っ赤だよ」
「はぁっ!?うるさい!!」
「はいはい、いじめてごめんね。ほら、
出口はあっちだよ。あ、出口出たら
兄さん僕のクラスの前で待ってて。
もう僕の出番終わるから、一緒に
屋台とか回ろうよ」
「……わかった。待ってる」
「にいさーんっ、来たよ。」
「……ん。どこ回るんだよ」
「そうだなぁー、お腹すいたしなんか
食べようよ!!」
「そうするか」
「ぁっそういえばね。炭治郎が屋台でパン
やってるんだってさ。一緒に食べようよ」
「…………あのパン屋か、」
「も~っ、僕が炭治郎のこと話したら
すぐ兄さん不機嫌になるよね。可愛いなぁ」
「っ、うるさい、!さっさと行くぞ。 」
「わかってるよ」
少し歩くと、ベーカリーと大きく書かれた
屋台が視界に写った。
「あっ!!時透くんと有一郎くんじゃない
か!!」
「……どうも」
「たんじろーっ!!パン食べに来たよ」
「わぁっ、来てくれてありがとうな。
どれにする??」
「うーん、そうだなぁ、兄さん何がいい?」
「なんでもいい」
「はぁ、兄さんってば、ほんとに興味無い
んだから、…。ごめんね炭治郎」
「いや、いいんだ!!気にしないでくれ」
「じゃあ、このカレーパンを2つ
ちょうだい」
「2つで440円だ!!」
「ん、はい、どうぞ。」
「お買い上げありがとう!!俺のパン屋に
もまた遊びに来てね!」
「うん!!じゃあねたんじろう!」
「ん~っ、このカレーパン美味しいね。」
人がいない屋上で、僕と兄さんはさっき
買ったパンを一緒に食べた。
「…………まぁ、悪くは、無いな」
「素直に美味しいって言いなよ、ツンデレ
なんだから」
「なっ、、、ツンデレじゃない!! 」
「僕にとってはツンデレに見えるよ。」
「うるさい、」
「それに兄さん、僕と炭治郎が話してる時
ちょっと機嫌悪かったよね。それって
嫉妬でしょ?」
「なぁっ、、、、!?」
「ほら、図星。かわいいなぁ、そんなに
僕のことが好きなんだね」
「んん、、、、」
「それに、兄さんのあのメイド服。
アレ見ちゃったからずっと我慢してたんだよ」
「…………は?」
「今は人もいないし。ちょっとだけだから
付き合って」
「む、むいちろ、ちょっと待て……!」
僕は兄さんの柔らかい唇を塞いだ。
「んぅっ、……」
甘い蜜を交換しながら、歯をなぞったり
大きく舌を回してみたりして、
兄さんの反応を楽しんだ。
「んひゃあ……っ~~、やっぁ……… 」
「かわいい」
長い口付けが終わり僕が一言言う頃には
兄さんの綺麗な瞳に水が張っており、
いつの間にか兄さんの服が少しはだけており
ビクビクと震えていた。
怒ってるのか知らないけどどこも 怖く
ないつり眉になって、顔が蕩けていた。
本当ならここでもう押し倒してえっちな
ことをしているが、さすがにこの場では
僕だってまずいとわかっているので
帰ってからのお楽しみだ。
「はぁっ、ん………ぉま、ふざけっ、」
「ごめんね兄さん。つい可愛くてさ。」
「……ぅ、」
「ね、家帰ったらもっとえっちなこと
しよーね。❤︎」
「…………バカ。この無能!!!」
「ふふ、ごめんね兄さん。」
文化祭が終わるまであと4時間。
家に帰れるのは約4時間半後。
早くこのデザートが食べたくて
仕方がない。
僕はそっと兄さんの手を繋いで優しく
微笑んだ。
コメント
2件
早く家に帰ってくれ、、、、( ´ཫ`)
文化祭?!可愛すぎます🤦🏻♀️💞有一郎くん無一郎にメイド見られたくないから来るなって言ってるのかわいい…💕無一郎兄さんのことデザートって言ってるの尊い…😮💨💕まな板さんほんとに物語書くのお上手ですよね✨️尊敬してます👉👈(長文失礼しました)