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kn×br リ/ス/カ
*流血表現アリ
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なんか、動画へのアンチとか、LoLでの暴言とか、将来への不安とか、仕事での疲労諸々。そういったものが色々重なって、少ししんどくなっちゃった。ただそれだけ。
普段は長袖のパーカーを着てるし、3D衣装だって腕が隠れる。だから、正直バレないと思ってた。
手首に数本の傷、初めてやったから手加減が分からなくて薄皮しか切れなかった。それに、少し怖かったし。血なんてほとんど出てない。ぼく、怖がりすぎ..笑
na「はい!ということで今回やっていくのはー!」
ワイテスタジオになかむの声が響く。今日はオフラインボードゲームを遊ぶ日。あんまり笑顔は上手に作れなかったけど仮面で隠れてるはずだし、きっとだいじょうぶ。
結局撮影は難なく終わって、誰かにテンションを指摘されることもなかった。途中、暑くて皆がゲームに熱中してる中袖をまくっちゃったけど。まあ、バレてないと信じて。
sha「うい、じゃあこれで今日は解散?」
kr「そーだね。腹減ったわー」
na「え!俺も!なんか食いいこうぜ。他の奴らも行くでしょ?」
sm「俺も行く。」
br「あ〜〜..ぼくはちょっと遠慮しとこっかな。むーちゃんにご飯あげるの忘れてこっち来ちゃった。」
sha「おーいしっかりしろよ。きんときは?」
kn「ん〜、俺もあんまお腹すいてないしいっかな。四人で楽しんでおいで」
..流されやすいきんときがキッパリ断るなんて珍しい。そう思いながらも帰りの支度を進める。四人はどうやら歩きながら目的地を決めるらしく、先にスタジオを出ていってしまった。
br「ねえ、行かなくてよかったの?」
kn「ん〜?いいんだよ別に、ほんとにお腹すいてないし。それに..」
そこまで言ったところで言葉を止め、青い被り物を外した彼が近付いてくる。目の前で止まったかと思えば、ぐいっ、とぼくの左腕の袖をまくる。
br「っちょ..?!?!」
kn「..こんなになってる友達のこと、放っておける訳ないじゃん?」
br「きんさん..」
彼の優しさに触れ、思わずぶわっと涙が溢れる。ぼろぼろと零れていく雫を見ながらきんときが優しく頭を撫でてくれる。
kn「よく頑張ったね、ぶるーく。お疲れ様。無理しないで頼ってくれていいんだよ?」
br「..頼って、いいの?」
kn「勿論。俺に出来ることならなんでも。それに、他のメンバーだってきっとぶるーくのこと助けてくれると思うよ。」
br「じゃ、じゃあ..!!!」
そう声を上げればぼくは鞄をごそごそと漁り、赤色のカッターナイフを取り出す。
br「..きんときが、切ってくんない?」
kn「え、俺が..?!..ぶるーくが願うなら別にいいけど、こういうのはやめた方がいいんじゃ..」
br「うるさ〜い!ほら早くッ!!」
半ば無理矢理彼にカッターナイフを押し付ける。
kn「じゃ、じゃあ..」
余りにも強引なぼくに諦めたのか、溜息を吐いた彼が僕の手首に刃を当てる。
ぐぐ..と強く押し込まれたかと思えば一気に深く切られる。脳筋の彼に任せたのは間違いか正解か、脂肪層まで思いっきり抉られてしまった。
br「い゛ッッッ..?!?!」
kn「ッあ、ごめんぶるーく、こういうのやった事なくて..」
br「..いいよきんさん、あと数本残してくれない..?」
kn「ほ、ほんとに良くないって、ぶるーく..ぶるーくのすきなものでも食べに行く?ねえ、傷付いて欲しくない..し、”俺も止まんなくなっちゃう”..!」
br「いーから!..ね?一生のお願い。..って、止まんなく?..どういうこと?」
彼の意味深な発言に首を傾げながらもそうおねだりすれば戸惑いの表情を見せながらもぼくと再度向き合った彼、腕を伝う血を舐め取ったかと思えば恍惚的な表情でこちらを見詰めてくる。
kn「..ごめん、俺ヘマトフィリアなんだ。我慢出来なくなっちゃうから..少しだけね?」
br「..っ、うん..?へまと..?」
kn「..血で興奮すんの。だから勢い余ってぶるーくのこと襲っちゃったらごめん。じゃ、再開するね..?」
br「え、あ、それは聞いてな、ちょっ..!!」
ぐさり、ぼくの腕から流れる鮮血が止まることはなかった。