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「 素敵な悪夢 」
太中
中也女体化♀
中也ちゃんがjkしてる
拗らせ
モブ出現
👍 前回のお話を見てからの方が断然良いです。
どうにか予鈴がなる前に席につき、次の時間の準備をする。間に合った…。走ったことでかいた額の汗を手の甲で拭いながら、国語の教科書、ノートを鞄からだして机に置く。準備が整うとふぅ、と息をついて、どかっと椅子に座った。
ーあの不思議な人物が頭からずっと離れないー
パタパタと、外で遊んでいた男子や、廊下で屯って話していた女子達が急いで教室に入り、教室が一気に煩くなる。著しく密度の上がった空気を入れ替えるように、窓際の席である自分は、窓を小さくスライドさせる。隙間から入ってくる小風が心地よく、机の表面に腕と額をつけて、うっとりと目を瞑る。
なんで気になるんだろう…。
「〜〜〜」
ぼんやりと先生の話し声が聞こえ、なんとなく顔を上げる。視線を一応黒板に向けるが、意識は別だ。
「〜〜…」
真夏に不釣り合いなあの格好か…?
「_さ」
俺は他人を心配する程お優しい筈はないんだけどなぁ…………。
「_はらさん!」
なんだろう、このむしゃくしゃする感じ……。
「中原さん!!」
「ひぁっ…⁉︎」
急に名前を呼ばれて、思わず情けない声を出す。目の前にはいつの間にか、目を吊り上げた先生が眉を顰めながらたっていた。
「ぇ~…と?」
「え~と?じゃないですよ。先ほどからずっと呼んでいるでしょう。」
どうやら、朗読で指名されていたようだ。もう、と怒りながら教卓に戻る先生の背中を見つめていると、隣の席の子がこそりとページを教えてくれた。
……なんか、本当にツイてねぇ…。いや、これは俺が悪いか……。
ぼんやりとまた考え出す前に、集中しねぇと、と一人で気合を入れる。そしていつの間にか大量に書かれた、文字だらけの黒板を少しうんざりとしながら見つめ、板書に取り掛かったのだった。
▪️
▪️
「は~い、では今日は此処まで。今日は大雨予報のためもう帰ってもいいそうです。」
午前までのうざったいほどの太陽が、初めからなかったかのように、空には灰色の雲が広がっている。大雨になる前に帰りなさい、と言う先生の言葉を聞きながら、傘あったっけ、と鞄を探る。
「ぁ…。 」
硬い感触が手に当たった。本だ。貸し出し履歴をみると、一週間前。とうに返却期限が過ぎているのに警告が来なかったのは、司書の先生が長らく風邪で休んでいたからだろうか。早めに返しておかないと、と思い、曇り切った空を一瞥。
「まだ雨ふらねぇよな…」
天気の事情は知らないが、まだ雨が降る前の湿った匂いがしない。10〜15分くらいであれば、降って入れども小雨だろう。そして今日は大事な用事がある。そう考えると、これは時間との勝負になる。先生の話が終盤になると少し腰を浮かして構える。そうしていると、まるで早く遊びたいからと腰を浮かして、すぐに外へ出る準備をしている小学生みたいだ、なんて事を考える。まぁ自分は、そんな小学生では、決してなかったけれど。
そんなことを考えていると、先生の話が終わったようで、周りが動き出した。クラスメイト達がだらだらと立ち上がって、放課後どうする~?なんて話をしている間を通り抜け、一目散に鞄を背負って図書館に駆け込んだ。
「…くっそ…司書の先生話なげぇよ…。」
図書館へ着くと、司書の先生が、どうやら電話をしているらしかった。教材の輸入の具合など、初めは真面目な話をしていたので、適当に館内を彷徨いて待っていたが、途中から話が脱線し、最近は景気が悪いだ、最近の子は個性的だのと言った世間話となっている。
暇を潰すように興味もない本を取っては本棚に戻してはを繰り返す。すると一冊の本が目に入った。本とは言っても、小説ではなく、絵本だ。今時高校に絵本だなんて珍しい、と興味本位で手に取る。 絵本の表紙に思わず目を見開く。それは、クレヨンのような画材で書かれた青紫色の花が綺麗に咲き乱れている絵であった。
「この花……何処かで…」
どうにも見覚えがある。なんだっけ…。うーんと頭を悩ましていると、いつの間に司書の先生が話終わったのか、話し声か聞こえなくなっていた。
「あ、返さねぇと、」
慌てて鞄を背負い直すと、絵本と借りていた小説を持って、カウンターへ向かった。
「すみません…これ返却期限が過ぎてしまってて…」
謝罪を溢しながら本を返す。司書の先生は笑いながら気にしないで、私も最近来れてなかったから、どうせ返せなかったでしょうし、と話した。
「あの、これ借ります」
ついでに、と先ほどの絵本を借りていこうと思い、差し出すと、先生はぽかんとした表情で本を見た。
「これ…ここのじゃないわね…、誰かの私物かしら?」
「え…?」
きっちりと本棚の中に綺麗に収まっていたから、てっきりここの本かと思っていた。この学校では、すぐに持ち込まれた本か私物であるかを判断するために、本の最後のページにスタンプが押されている。どうなんだろう、と本の最後のページをめくってみると、確かにスタンプはない。
「うーん、中原さん、それ貰っちゃったら?」
「へ?」
笑いながら予想外の言葉を口にした先生に、思わず変な言葉を出す。
「ほら、借りたいんでしょう。ここにずっとあったってことは、無くした本人も忘れているのよ、きっと。」
貰っても問題ないと思うわ、と冗談なのかわからないお茶目な口調で言う。どうやら本を借りれないと知った時に、無意識にもがっかりとした表情をしてしまっていたのだろうか。ふふ、と笑う先生の顔には、暖かく見守る視線がある。
「別に、そこまでして借りたいわけじゃ_」
「はいはい。じゃあ先生その対処に困ってるから、中原さんが預かっていてくれない?」
駄目だ…。完全に俺が絵本を読みたくて仕方がない高校生みたいになってる…。
でもこの絵本をじっくりと見たいのは確かだ。お言葉に甘えて、少しだけ預かることにした。
はは…一話目の伸びが悪い…が、私は書くことをやめない!!!←連載に力入れなさいよ
この後はあーなってこーなるんですよ!!!
楽しみですね!(((()