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炬燵の話
「コタツ出そーぜ!コタツ!」
牢王蓮が久しぶりに起床したかと思いきや開口一番これである。
「外さみぃって!なあいいだろー!?」
そう言いながら早くもハウジングの姿勢。
そういえばロスヨントスに居た時も、俺たちの部屋には炬燵が置いてあった。
冬の時期には芹沢が1辺丸々使ってよく怒られていたな。
「出すのは良いけど、皆が入れるやつにしてくれよー。」
「え11人入る炬燵ま!?あーもう2つ並べる2つ。」
「おーいー狭いってぇーw」
リビングのテーブルを隅へ押しやり、くっつけて置かれた炬燵。
少々部屋を圧迫している。
「蓮先輩おはようございます。」
「先生たち何してるんですか?」
トピオとジョアが帰ってきたようだ。
堂々と部屋の真ん中に鎮座する炬燵をみて目を丸くしている。
「これね、炬燵っていうの。寒い時に入れるテーブル兼ふとんみたいな感じ。」
「へぇー、初めて見ました。」
「入ってみたいです!」
「待ってなー。…すいっちー、ON!」
皆に見守られながら配線を終えた蓮がリモコンのボタンを押す。
静かな駆動音とともに捲られた布団の中が赤く光る。
「「おぉーー…。」」
「今シーズン初だわ。んじゃ早速。」
「2人も靴脱いで入っていいよ。」
奥の角席を陣取り、その隣に蓮が座る。
左の角に2人がいそいそと潜り込んだ。
「ふわぁぁ…あったかい…。」
「気持ちいいっすねこれ…。眠くなりそう。」
「だろ!?やっぱ炬燵最強だわ。」
「炬燵で寝たら風邪引くからね、ちゃんと布団で寝なよー。」
8人がけの炬燵の1辺をくっつけて出来た12人がけの大炬燵。
牢王蓮はどこから取り出したのかミカンの皮を器用に剥いている。
「1個ちょーだい。」
「スタッシュあるから取ってくればいいじゃん。」
「やだ寒い。」
「もー…、ほら。」
「やったー、……すっぱこれ。」
「はァ!?もーやらん!?そんなん言うなら!」
「ごめんごめんちゃうやん、まだ時期早いんだって。」
そんなやりとりを見ていたトピオとジョアがけらけらと笑いだす。
「おはようございます。」
「!おはようございます!」
「おはよー!」
無線に無機質な機械音が入る。ケインが起きたようだ。
「豪邸に良いもんあるからケインも来な!」
「了解しました。素材下ろしてから向います。」
今日もウチのロボットは偉い。
「ケインはfizz裏のとこので入ったことあるからね。」
「あ、そっか。でも懐かしくは思うんじゃね?」
ガチャリ
「ただいま戻りました。」
「おかえりなさい!」
「わー!ケイン早く閉めて!寒い!」
ケインの開けた扉から冷たい外気が吹き込んでくる。凍えそうだ。
「ああ、すいません。今日は気温が低いですね。」
「よーケインおひさ。」
「蓮さん、お久しぶりです。もしかして、良いものとはコレですか。」
「そう!炬燵を出したんよ!ケインもほら入れ入れ!」
「肌装甲の方が良さそうですね、着替えてから入ります。」
確かに。普段の装甲ではなんだか視覚的にも物理的にも冷たそうだ。
「失礼します。」
構成員2人は早くもとろけている。
「はー…ぬくい……。」
「やっぱ炬燵いいわぁ…。」
「最高です……。」
これは今日はチルDayになりそうだな。
欠伸をして布団の中で身じろぐ。
「炬燵って入ったら出れないよな。」
「わかる。マジ出れん。」
「居心地が良くてもここで寝てはいけませんよ。」
「「はーいママ。」」
「ママではないです。」
その後集まったほかのメンバーにより席がしっかり埋まるのは、また別の話。
気が早いと言われそう。でも私の部屋くそ寒いんですもん……。実家帰りたい…。