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記憶
「だから、一緒に生きよう」
一緒に
「一緒に」?
は?
死んじゃうんだろ…
涼夏
なあ、涼夏
何処にも行くな
頼む
御願いだから
待ってよ
ねぇ
涼夏
涼…夏
りょ…う…か
涼夏!
ピピビッピピビッ
黒部「……最悪だ」
午前3時45分
あの夢を見ると何時も起きてしまう
黒部「…喉渇いたなァ…なんかジュース…無いわ…あ゛~~…水道水…飲もうかな…」
俺はそんな独り言を呟きながらベッドから起き上がった
今は7/8
暑い夏の日
涼夏が死んだ日でもある
幼馴染みの涼夏の甘くて優しい匂いが、母のような顔が、記憶に染みついている
厭な記憶でもある
だって、涼夏が死んだ事を思い出してしまうからだ
記憶を頭の中で掻き消そうとしながら水を飲んだ
生温かった
黒部「う゛ぁ…う゛っ…ぁがっ…」
余りにも生温くて、気持ち悪くて、吐いてしまった
胃酸とカップラーメンの匂いが混ざって俯いてしまった
なあ、御願いだよ涼夏…またいつか、逢おうよ
…何て、子供の頃に約束した
青い空が太陽で輝いている下で
指切りげんまんしてさ
笑い合ってさ
よくお互い裸になって川に飛び込んだろ?
よく一緒にゲーセンで遊んでたでしょ?
よく夏休みの宿題やったでしょ?
よく手を繫いだよね
よく喋ったよね
よく怒られたよね
子供ぽいってよく云われたっけ
ね、涼夏
次は何時逢える?
コメント
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幼馴染かァ……… なんか此れだと黒部が幼く見えるなァ…