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コメント
24件
一気読みしました!続き楽しみにしてます!
もう最高です😭!
このような感動系で病み系な作品たまに 読みたくなるんですよね.ᐟ 最近はずっと1話から見直して、 新しいのを見て見直してってやっちゃいます…笑 そのくらいお気に入りです.ᐟ.ᐟ
青ーside
「何か欲しいものはありますか?」
昔、入院していた時にふと、そう尋ねられた
その時でも、今と相変わらず物欲が少なかった。
その時はずっと愛情とか、同情とかそういうのが欲しかったと思う。けどそんなものは頼んでもありゃしない。だから、適当に答えた。
青「ピアノが…ほしい」
その時には愛情を求めていたから、ピアノを弾いていれば完璧で居られるから、母さんが喜んでくれるから。そう答えたらお医者さんはすぐに俺に小さなキーボードをくれた。
けど、鍵盤に手を伸ばそうともしないし、見向きもしなかった。
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ここの病院に来てから1日くらいが経った。やっぱり俺にはする事もやることもない。ただ、メンバーの事を考えて暗いどん底に落ちるだけ、そんな事しかしていなかった。りうらはかわいいし、かっこいい人。ほとけは俺のことを精一杯笑わせてくれてとっても優しい人。しょうはみんなを気にして空気を読んで絡んでくれる人。ないこはみんなをだれよりも愛していて頑張っている人。あにきはみんなをまとめることができて愛す事に慣れている人。考えている内に自分が嫌になって虚無状態になりそうになる。そうしている内に急に小さなキーボードの事が頭に浮かんだ。今は、誰にも求められていないから、楽な音で俺を描きたい。そう思い、何もわからない足取りで手探りでキーボードを探した。
青「あった、」
埃を被っていたが、まだ弾けるだろう。
ふと、嫌な記憶が頭をよぎる
母「いーくんは天才ね!」
母「これなら、目を瞑ってでも出来ちゃいそう!」
父「なんだよ、この気色悪い音」
俺に与えられた物は全てプレッシャーであり、期待だった。
青「大丈夫だもんッッッ、まろならできるッ」
目が見えないけど目を瞑って弾いたことがあるから、大抵の音はわかるだろう。そうやっと悪い記憶で俺の中のQ&Aを埋める。
そして、何となくで覚えた何回も弾き続けた曲をぎこちない指で辿る。
すぐマスターしてしまうと、弾くのが楽しくなってきた。そうしている内に俺の部屋のドアがノックされた。