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SixTONES 楽屋
テーブルの上
一冊だけ置かれてる
anan
マネ「これ今日発売のやつです」
そう言って去る
樹「え、これ例の?」
ジェシー「〇〇のやつ?」
慎太郎「表紙やばいって聞いた」
高地「もう売り切れてるらしいよ」
きょも「すごいね」
北斗「……」
まだ触らない
視線だけ落とす
樹「開けていい?」
ジェシー「いいでしょ」
慎太郎「いこいこ」
パラッ
開く
一瞬
全員止まる
ベッドのカット
柔らかい光
でもどこか色っぽい
樹「……え、すご」
ジェシー「やば」
慎太郎「これ〇〇?」
高地「大人っぽいね」
きょも「綺麗だね」
素直に言う
ページめくる
白シャツ
ラフなソファ
自然体
でも全部
“見たことない〇〇”
樹「こんな表情すんのな」
ジェシー「ギャップすご」
慎太郎「普段と全然違うじゃん」
高地「でも〇〇っぽさはある」
きょも「うん、ちゃんと〇〇だね」
その横
北斗
無言で一冊取る
自分でページめくる
ゆっくり
一枚一枚
ベットのカット
目が止まる
北斗「……」
何も言わない
でも
ページめくる手
少しだけ遅くなる
頭の中
昨日の〇〇
笑ってた顔
はしゃいでた声
それと
今目の前の写真
全然違う
北斗「……なんだよこれ」
小さく
誰にも聞こえないくらい
樹「北斗どう?」
軽く振る
北斗「……別に」
短い
でも
視線はまだページの上
インタビューページ
きょも「インタビューもあるよ」
慎太郎「読む?」
ジェシー「読む読む」
樹「“一緒にいて楽しい人がいい”だって」
高地「〇〇っぽいね」
きょも「明るい人が好きって」
慎太郎「めっちゃ言ってるじゃん」
ジェシー「分かりやす」
笑い
北斗
その言葉
ちゃんと拾ってる
“明るい人”
“目立ってる人”
北斗「……」
何も言わない
ページ閉じる
廉の顔
一瞬浮かぶ
北斗「……はは」
小さく笑う
でも
全然笑ってない
樹「どうした?」
北斗「いや別に」
いつも通り
でも
内側
全然いつも通りじゃない
“静かな人は苦手”
その一文
頭に残る
北斗「……知ってるよ」
ぽつり
誰にも聞こえない声
でも
それで引く気はない
むしろ
逆
北斗、もう一度本を見る
ベッドのカット
少しだけ目細める
北斗「……いいじゃん」
小さく
今度はちゃんと
認める
そして
静かに思う
(だったら尚更)
(簡単に取られるわけねぇだろ)
表には出さない
でも
確実に
スイッチは入ってる
その頃
ananはもうどこにもない、
売り切れ。
でも
その一冊で
また一つ
関係が動き出してる。
ソファに散らばるスマホ
樹「もうトレンド入ってるわ」
ジェシー「早すぎ」
慎太郎「見せて見せて」
樹、画面スクロール
樹「“〇〇 anan”一位」
高地「すごいね」
きょも「やっぱ反響大きいね」
北斗「……」
何も言わず
自分のスマホ開く
ーーーーー
「〇〇のananやばいんだけど」
「大人すぎて無理」
「今までで一番好きかも」
「売り切れ早すぎ」
「ベッドのやつ反則」
「綺麗すぎて息止まった」
ーーーーーー
慎太郎「めっちゃ褒められてんじゃん」
ジェシー「そりゃそうでしょ」
樹「これは強いわ」
高地「ほんとすごい」
きょも「ちゃんと伝わってるね」
スクロール止まらない
ーーーーーー
「〇〇ってこんな表情するんだ」
「ギャップえぐい」
「普段との落差でやられた」
「透明感なのに色っぽいのなに?」
ーーーーーー
北斗、少しだけ眉動く
昨日の〇〇
頭に浮かぶ
笑ってた顔
水かけてきた顔
それと
今見てる言葉
全部繋がる
さらに流れる
ーーーーーーー
「恋愛観も最高すぎる」
「明るい人が好きって可愛い」
「静かな人苦手なの正直すぎて好き笑」
「分かる、気使うよね」
ーーーーーー
その一文
また刺さる
北斗「……」
無言
でも
指止まる
樹「コメントもいい感じじゃん」
慎太郎「めっちゃ好感度高い」
ジェシー「素直なのいいよね」
高地「〇〇らしい」
きょも「うん、すごく〇〇だね」
北斗
ふっと画面閉じる
ソファにもたれる
北斗「……分かりやす」
ぽつり
でも
嫌じゃない
むしろ
はっきりした
(ああいうのが好きなんだろ)
(分かってる)
北斗、もう一度スマホ開く
今度は
スクロールしない
最初に戻る
ーーーーーーーーー
「〇〇のanan、人生で一番好き」
ーーーーーーーーー
北斗、少しだけ笑う
北斗「……そりゃそうだろ」
小さく
独り言
ジェシー「北斗なんか言った?」
北斗「別に」
いつものトーン
でも
内側
完全に静かじゃない
静かなタイプが苦手
それでも
北斗「……関係ねぇよ」
誰にも聞こえない声
スマホロックする
ポケットに入れる
立ち上がる
樹「どこ行くの?」
北斗「ちょっと」
それだけ
動き出す
今度は
自分から。
ーーーーーーーーー
外
スタジオの廊下
人通り少ない
北斗、壁にもたれてスマホ出す
少しだけ迷う
でも
止まらない
📞発信
〇〇
コール音
1回
2回
3回
北斗「……出ろよ」
小さく
プツッ
繋がる
〇〇「もしもし?」
少し明るい声
北斗「……おつかれ」
〇〇「あ、北斗?」
〇〇「どうしたの?」
少し意外そう
北斗、少しだけ間
北斗「飯」
〇〇「……え?」
北斗「今から」
〇〇、少し笑う
〇〇「急すぎない?」
北斗「暇だから」
〇〇「絶対嘘じゃん」
少し笑う
でも
断る感じじゃない
〇〇「今日撮影終わり?」
北斗「終わり」
〇〇「私もさっき終わった」
北斗「じゃあちょうどいいだろ」
〇〇「まぁ…そうだけど」
少し間
〇〇の中
一瞬だけ浮かぶ
廉
エントランス
「ちゃんと話す」
〇〇「……どこ行くの」
北斗「決めてない」
〇〇「適当すぎ」
北斗「じゃあ決めろよ」
〇〇「えー」
笑う
でも
断らない
〇〇「じゃあ軽くでいい?」
北斗「いい」
〇〇「遠く無理」
北斗「分かってる」
〇〇「何時?」
北斗「30分後」
〇〇「いや無理」
すぐ返す
北斗「じゃあ1時間」
〇〇「それならいける」
少しだけ沈黙
でも
嫌な間じゃない
〇〇「なんか珍しいね」
北斗「何が」
〇〇「北斗から誘ってくるの」
核心
北斗、少しだけ目閉じる
北斗「……たまには」
それだけ
〇〇「ふーん」
少しだけ含みある声
〇〇「じゃああとでね」
北斗「あぁ」
〇〇「場所送って」
北斗「分かった」
通話切れる
プツッ
北斗、スマホ見つめる
数秒
それから
小さく息吐く
北斗「……言った」
ぽつり
さっきまでと違う
少しだけ軽い空気
でも
その奥
ちゃんと決めてる
(様子見じゃ終わらせねぇ)
歩き出す
今度は
自分の番。
ーーーーーーーーー
外
夜
カフェ前
ガラス越しに柔らかい灯り
人通りは少なめ
静かな時間
北斗
先に着いてる
入口の横
スマホ見てるふり
でも
画面はほぼ動いてない
(まだかよ)
小さく息吐く
でも
帰る気はない
その時
視線の先
〇〇
歩いてくる
ラフな私服
少し急ぎ気味
〇〇「あ、いた」
手軽く上げる
北斗「遅い」
〇〇「時間内でしょ」
〇〇「てか早すぎ」
北斗
少しだけ目細める
北斗「別に」
〇〇「絶対待ってたじゃん」
北斗「待ってねぇよ」
〇〇「嘘つき」
笑う
そのまま店内
カラン
ドアの音
奥の席
向かい合って座る
店員「ご注文は?」
〇〇「これと…あとこれ」
北斗「同じで」
〇〇「合わせるのやめなよ」
北斗「楽だから」
〇〇「適当」
注文終わる
少し沈黙
でも気まずくはない
〇〇「なんかほんと珍しい」
北斗「何回言うんだよ」
〇〇「だって北斗から誘うの」
北斗「たまにあるだろ」
〇〇「ない」
即答
北斗
少しだけ笑う
北斗「じゃあ今日が例外」
〇〇「レアだね」
〇〇「記念日?」
北斗「アホか」
料理来る
少し食べ始める
〇〇「今日さ」
北斗「ん」
〇〇「見た?」
北斗「何を」
〇〇「anan」
北斗
一瞬だけ手止まる
でもすぐ戻る
北斗「見た」
〇〇「どうだった?」
軽いトーン
北斗「別に」
〇〇「絶対ちゃんと見てる」
北斗「見たけど」
〇〇「感想うっす」
笑う
北斗、少しだけ視線上げる
北斗「……似合ってた」
さらっと
〇〇「え」
少し止まる
〇〇「ほんとに?」
北斗「嘘言う意味ある?」
〇〇「なんか意外」
北斗「何が」
〇〇「そういうの言うの」
北斗「たまには言う」
〇〇「初めて聞いた」
北斗「じゃあ覚えとけ」
小さく
〇〇「なにを」
北斗「今の」
〇〇
少し笑う
〇〇「はいはい」
軽い
北斗
その反応見て
少しだけ目細める
(ほんと気づかねぇな)
少し間
北斗「あとさ」
〇〇「ん?」
北斗「インタビュー」
〇〇「あー…」
北斗「正直すぎ」
〇〇「え、いいじゃん別に」
北斗「“明るい人がいい”とか」
〇〇「だってそうだもん」
即答
北斗「……だろうな」
小さく
〇〇「なにその感じ」
北斗「別に」
〇〇
気にしてない
普通に食べる
北斗
少しだけ視線落とす
北斗「まぁでも」
〇〇「?」
北斗「全部が全部そうでもねぇだろ」
〇〇「なにが」
北斗「タイプ」
〇〇「うーん」
少し考える
でも
深くは考えてない
〇〇「まぁ人による?」
北斗
それ聞いて
ほんの少しだけ表情緩む
北斗「だろうな」
〇〇「てかさ」
北斗「ん」
〇〇「なんで今日誘ったの?」
核心
北斗
少しだけ間
でも
軽く返す
北斗「暇だったから」
〇〇「絶対嘘」
笑う
北斗「じゃあ気分」
〇〇「それも怪しい」
北斗
少しだけ前見る
北斗「……顔見たくなっただけ」
さらっと
視線は向けない
〇〇「……え?」
一瞬止まる
でも
すぐ笑う
〇〇「なにそれ」
〇〇「急にどうしたの」
完全に冗談だと思ってる
北斗「別に」
北斗「深い意味ねぇよ」
嘘でもあり
本音でもある
〇〇「びっくりした」
〇〇「北斗がそんなこと言うと思わなかった」
笑う
北斗
小さく息吐く
北斗「……言う時は言う」
〇〇「レアだねほんと」
少し静か
北斗
ぽつり
北斗「まぁ」
〇〇「ん?」
北斗「隣は空けとけよ」
〇〇「は?」
〇〇「何それ」
笑う
〇〇「誰の」
北斗「俺の」
さらっと
〇〇
完全に冗談
〇〇「予約制?」
北斗「そんな感じ」
〇〇「空いてたらね」
軽く流す
北斗
それ聞いて
少しだけ目細める
でも何も言わない
(それでいい)
(今は)
2人の距離
変わらないようで
少しずつ変わってる
〇〇は気づかない
でも
北斗はもう止まらない
静かに進む
この関係。
ーーーーーーーー
さっきの空気のまま
でも
少しずつ軽くなる
〇〇「てかさ」
北斗「ん」
〇〇「最近どうなの」
北斗「何が」
〇〇「SixTONES」
北斗「ざっくりすぎだろ」
〇〇「いいじゃん別に」
笑う
北斗「まぁ普通」
〇〇「絶対普通じゃない」
北斗「普通だって」
〇〇「絶対忙しいでしょ」
北斗「まぁ…それなりに」
〇〇「誰が一番うるさい?」
北斗「ジェシー」
即答
〇〇「やっぱり笑」
北斗「ずっと喋ってる」
〇〇「分かる」
〇〇「この前会った時もやばかった」
北斗「止まんねぇから」
〇〇「慎太郎もでしょ」
北斗「アイツは別方向でうるさい」
〇〇「どういうこと笑」
北斗「テンションがうるさい」
〇〇「それ分かる!」
笑い
北斗「そっちは」
〇〇「timelesz?」
北斗「うん」
〇〇「うーん」
少し考える
〇〇「風磨が一番まとめてる」
北斗「だろうな」
〇〇「でもたまに雑」
北斗「想像つく」
〇〇「あとさ」
北斗「ん」
〇〇「この前勝利がさ」
北斗「うん」
〇〇「楽屋で急に真面目な話しだして」
北斗「珍しいな」
〇〇「で、みんなちゃんと聞いてたのに」
〇〇「途中で原ちゃんが普通にボケて」
北斗「はは」
〇〇「全部崩壊した」
北斗「最悪だな」
笑う
〇〇「でもああいうの好きなんだよね」
北斗「だろうな」
〇〇「ちゃんと真面目とか最後ふざける感じ」
北斗「バランスな」
〇〇「そうそれ」
少しテンポ上がる
北斗「この前さ」
〇〇「うん?」
北斗「樹がさ」
〇〇「あーはいはい」
北斗「めちゃくちゃドヤ顔で話してきて」
〇〇「うん」
北斗「全部間違ってた」
〇〇「え笑」
〇〇「なにそれ」
北斗「知識ゼロなのに自信だけある」
〇〇「最強じゃん」
笑い
〇〇「うちもあるよそれ」
北斗「誰」
〇〇「将生」
北斗「あー」
納得
〇〇「絶対違うのに押し切ろうとする」
北斗「似てんな」
〇〇「似てる笑」
〇〇「あとね」
北斗「まだあんのかよ」
〇〇「ある」
〇〇「この前撮影でさ」
北斗「うん」
〇〇「めっちゃかっこいいシーン撮ってたのに」
〇〇「監督が“もう一回!”って言った瞬間」
〇〇「私つまずいて転んで」
北斗「はは」
〇〇「空気台無し」
北斗「お前らしいな」
〇〇「最悪でしょ」
でも笑ってる
北斗
その顔見て
少しだけ目細める
北斗「でも」
〇〇「ん?」
北斗「そういうとこがいいんだろ」
さらっと
〇〇「え?」
〇〇「なに急に」
北斗「別に」
〇〇
また普通に戻る
気づかない
〇〇「てかさ」
北斗「ん」
〇〇「こういう話してるとさ」
〇〇「ほんと仕事感ないね」
北斗「だな」
〇〇「普通に友達って感じ」
北斗
一瞬だけ止まる
でもすぐ
北斗「今さらだろ」
〇〇「まぁね」
軽い
(友達、ね)
心の中だけ
〇〇「でも楽しい」
北斗「だろ」
〇〇「うん」
会話は止まらない
仕事の裏話
どうでもいい話
笑い話
時間が過ぎるのが早い
〇〇「やば、もうこんな時間」
北斗「ほんとだな」
〇〇「話しすぎた」
北斗「お前がな」
〇〇「北斗もでしょ」
少し笑う
でも
この時間
ただ楽しいだけじゃない
気づかれないまま
少しずつ
距離が変わってる
北斗は分かってる
〇〇は分かってない
ーーーーーーーーー
テーブルの上
皿はほとんど空
〇〇「ごちそうさま」
北斗「食いすぎだろ」
〇〇「普通だから」
〇〇「北斗が少ないの」
北斗「そんな食わねぇよ」
〇〇「もったいない」
軽く笑う
〇〇、ナプキン置く
〇〇「そろそろ出る?」
北斗「あぁ」
立ち上がる
椅子引く音
静かな店内
レジへ
先に歩く北斗
〇〇、後ろついてく
〇〇「いくら?」
北斗「いい」
即答
〇〇「いや出す」
北斗「いいって」
〇〇「なんで」
北斗「誘ったの俺だし」
〇〇「いやそれ関係なくない?」
北斗「ある」
〇〇「半分出す」
北斗「いらない」
〇〇、少しだけ睨む
〇〇「こういうのちゃんとしたい派なんだけど」
北斗「知ってる」
〇〇「じゃあ受け取って」
北斗「受け取らない」
店員、少し困り顔
北斗、さっと支払い済ませる
ピッ
〇〇「ちょっと」
北斗「終わり」
〇〇「よくない」
北斗「いいんだよ」
〇〇「よくない」
でも強くは言わない
北斗「じゃあ次出せば」
〇〇「……次?」
少しだけ引っかかる
北斗「あるだろ」
さらっと
〇〇「……まぁ、あるなら」
軽く流す
北斗「決まりな」
〇〇「勝手に決めないで」
でも少し笑ってる
店出る
カラン
夜の空気
少しひんやり
〇〇「寒」
北斗「薄着すぎ」
〇〇「さっきまで暑かったじゃん」
北斗「知らねぇよ」
〇〇「ひど」
笑う
少し並んで歩く
さっきより距離は自然
〇〇「ちゃんと払うからね、次」
北斗「いいよ別に」
〇〇「よくない」
北斗「じゃあ好きにしろ」
〇〇「する」
即答
少しだけ間
静かな道
〇〇「でもありがと」
ぽつり
北斗「……あぁ」
短く返す
それだけなのに
少しだけ空気が変わる
さっきより
少しだけ近い
でも
〇〇はまだ気づいてない
北斗だけが分かってる
ゆっくり
確実に
進んでること。
ーーーーーーーーー
夜の路地
車の音も少ない
北斗、軽く手上げる
ちょうど一台
タクシーが止まる
〇〇「乗る?」
北斗「歩けるだろ」
〇〇「今日は無理」
即答
北斗「だろうな」
ドア開く
〇〇「じゃあ一緒でいい?」
北斗「今さら聞くなよ」
〇〇「一応ね」
軽く笑う
2人、後部座席へ
ドア閉まる音
車、ゆっくり走り出す
窓の外
街の灯りが流れる
少し沈黙
〇〇「なんかさ」
北斗「ん」
〇〇「今日ほんと普通だったね」
北斗「普通ってなんだよ」
〇〇「いい意味で」
〇〇「仕事感なかったし」
北斗「…まぁな」
〇〇「こういうのたまにいいね」
北斗「だろ」
短く
また少し静か
エンジン音だけ
〇〇、少し外見る
〇〇「てかさ」
北斗「ん?」
〇〇「さっきの“次あるだろ”ってやつ」
北斗「うん」
〇〇「あれ確定なの?」
少し笑う
北斗「確定」
即答
〇〇「強いね」
〇〇「断ったら?」
北斗「断らせない」
さらっと
〇〇「なにそれ笑」
完全に冗談だと思ってる
北斗「まぁ見てろよ」
小さく
〇〇「はいはい」
軽く流す
また沈黙
でもさっきより柔らかい
車が信号で止まる
一瞬の静止
北斗、横目で見る
〇〇は外見てる
無防備な横顔
北斗「……」
小さく息吐く
北斗「今日さ」
〇〇「ん?」
北斗「楽しかった」
〇〇「でしょ?」
〇〇「私も」
即答
北斗「知ってる」
〇〇「なにそれ」
笑う
信号変わる
車、また動き出す
〇〇「またこういうのしよ」
北斗「する」
即答
〇〇「早いって」
〇〇「でもいいよ」
軽い
北斗「…約束な」
〇〇「はいはい」
また流す
でも
さっきより少しだけ
言葉が残る
車は静かに進む
目的地まで
あと少し
距離は近いまま
でも
関係は
少しずつ変わってる
ーーーーーーーーー
夜の街を抜けて
ゆっくり減速する
運転手「この辺りでよろしいですか?」
北斗「あぁ、ここで」
車、止まる
〇〇、外を見る
〇〇「先なんだ」
北斗「お前の方が奥だろ」
〇〇「まぁね」
ドアが開く
北斗、降りる
一瞬だけ
そのまま閉めようとして
止まる
北斗「じゃあな」
〇〇「うん」
いつも通りの返し
でも
少しだけ間
北斗、ドアに手かけたまま
北斗「ちゃんと帰れよ」
〇〇「子どもじゃないんだけど」
北斗「分かってる」
〇〇「大丈夫」
北斗、少しだけ頷く
ドア閉める
バタン
でも
車、まだ動かない
北斗、窓の方
軽くノック
コンコン
〇〇、少し驚いて窓下げる
〇〇「なに?」
北斗、少しだけ視線逸らして
北斗「…次」
〇〇「ん?」
北斗「忘れんなよ」
〇〇、少し笑う
〇〇「覚えてるって」
〇〇「払うやつでしょ?」
北斗
一瞬だけ止まる
でも
北斗「それも」
少しだけ含み
〇〇「それ“も”?笑」
北斗「いいから」
〇〇、深く考えない
〇〇「はいはい」
軽く流す
北斗、少しだけ目細める
(ほんと分かってねぇな)
北斗「じゃあな」
今度こそ離れる
タクシー、動き出す
北斗
その場に少しだけ立つ
遠ざかる車
見送る
北斗「……」
小さく息吐く
でも
顔は少しだけ緩んでる
(悪くねぇ)
ポケットに手入れて
振り返る
家の方へ歩き出す
ーーー
その頃
タクシーの中
〇〇
窓の外見ながら
〇〇「…“それも”ってなに」
ぽつり
でも
すぐ
肩すくめる
〇〇「まぁいっか」
深く考えない
でも
確実に
何かは残ってる
言葉の余韻だけ
静かに
ーーーーーーーーー
北斗side🏠
玄関
ドア閉まる音
北斗「……ただいま」
誰もいない部屋
静か
靴脱いで
そのままリビング
ソファに倒れ込む
天井見上げる
北斗「……」
少しだけ笑う
ポケットからスマホ取り出す
画面開く
一瞬迷う
でも
そのまま発信
樹
コール
1回
2回
すぐ繋がる
樹「はや」
北斗「出るのもはや」
樹「なんだよ珍しいな」
北斗、少しだけ間
北斗「今日さ」
樹「うん?」
北斗「飯行った」
樹「誰と」
一瞬の間
北斗「……〇〇」
樹「は?」
樹「お前から?」
北斗「そうだけど」
樹「え、どうした急に」
北斗「別に」
樹「いや“別に”じゃねぇだろ」
少し笑ってる声
北斗「誘っただけ」
樹「で、来たの?」
北斗「来た」
樹「まじかよ」
樹、ちょっとテンション上がる
樹「で?どうだったの」
北斗「普通」
樹「絶対普通じゃねぇ」
北斗「普通だって」
樹「嘘つけ」
北斗、少しだけ間
北斗「……まぁ」
北斗「楽しかった」
ぽつり
樹「だろうな」
即答
樹「顔見りゃ分かるわ」
北斗「見てねぇだろ」
樹「声な」
少し笑う
樹「で?なんか進展あった?」
北斗「ねぇよ」
樹「はや」
北斗「そんなすぐねぇだろ」
樹「いやお前次第だろそこは」
北斗、軽く息吐く
北斗「でも」
樹「うん」
北斗「次はある」
樹「おー」
樹「いいじゃん」
北斗「約束した」
樹「お前が?」
北斗「半分」
樹「で、向こうは?」
北斗「…普通」
樹「気づいてない感じ?」
北斗「全く」
即答
樹、笑う
樹「らしいな」
北斗「だろ」
北斗
ソファに沈みながら
北斗「でもいい」
樹「何が」
北斗「今は」
樹、少し黙る
樹「珍しいな」
北斗「何が」
樹「そんな余裕ある感じ」
北斗、少しだけ目閉じる
北斗「余裕じゃねぇよ」
小さく
樹「じゃあ何」
北斗「……ちゃんとやるだけ」
短く
樹「おー怖」
少し笑う
樹「スイッチ入ってんじゃん」
北斗「別に」
でも否定はしない
樹「でもさ」
北斗「ん」
樹「インタビューのやつ見た?」
北斗「見た」
樹「明るい人がいいってやつ」
北斗「知ってる」
少しだけ沈黙
樹「気にしてる?」
北斗「してねぇよ」
即答
でも
少しだけ間
北斗「…関係ねぇし」
ぽつり
樹「まぁな」
樹「結局そこじゃねぇもんな」
北斗、少しだけ笑う
北斗「そういうこと」
樹「で?次どうすんの」
北斗「別に」
北斗「いつも通り」
樹「それでいけんの?」
北斗「いける」
迷いない
樹「まぁお前ならな」
軽く笑う
北斗、天井見ながら
北斗「……あいつさ」
樹「うん?」
北斗「マジで気づいてない」
樹「知ってる」
即答
2人、少し笑う
北斗「だからいい」
樹「ん?」
北斗「その方がやりやすい」
樹「性格悪」
笑う
北斗「うるせぇ」
少し静か
北斗「でもまぁ」
樹「うん」
北斗「今日は当たり」
樹「よかったじゃん」
北斗「うん」
短く
電話越しでも分かる
少しだけ軽い空気
樹「じゃあ次楽しみにしとくわ」
北斗「やめろ」
樹「報告な」
北斗「気が向いたらな」
通話切れる
プツッ
静かな部屋
さっきより
少しだけ違う空気
北斗、スマホ置く
ソファに沈みながら
北斗「……悪くねぇ」
小さく
目閉じる
今日の会話
表情
全部浮かぶ
北斗「……次な」
ぽつり
まだ始まったばかり
でも
確実に動いてる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
SixTONES 楽屋
マネ「ちょっといいですかー」
ドア開く
全員「はい?」
樹「なに?」
マネ「ラジオの件なんですけど」
きょも「ラジオ?」
慎太郎「またなんかやるの?」
マネ「次回の『オールナイトニッポン』なんですが」
樹「うん」
マネ「北斗、担当です」
北斗「……あぁ」
軽くうなずく
ジェシー「いいじゃん」
高地「久しぶりじゃない?」
マネ「で、その回なんですけど」
少し間
マネ「スペシャルゲスト入ります」
慎太郎「誰!?」
樹「そこ大事なやつな」
マネ、少しだけ視線動かす
マネ「timeleszの〇〇さんです」
一瞬
空気止まる
慎太郎「え!?!?」
ジェシー「まじ!?」
高地「すごいね!」
きょも「豪華だね」
樹「……おい」
ニヤっと
北斗の方見る
北斗「……」
一瞬だけ止まる
でもすぐ戻す
北斗「ふーん」
いつものトーン
樹「“ふーん”じゃないだろ」
慎太郎「絶対なんかある顔してる」
ジェシー「さっきまで普通だったのに」
北斗「何もねぇよ」
マネ「一応、事前打ち合わせ軽く入れるのでスケジュール後で送りますね」
樹「了解です」
マネ「じゃあお願いします」
出ていく
ドア閉まる
一瞬の静けさ
樹「……で?」
北斗「何が」
樹「いやいやいや」
慎太郎「タイミング良すぎでしょ」
ジェシー「さっきの話の流れ的に」
高地「びっくりしたよね」
きょも「うん」
全員の視線
北斗に集まる
北斗「……たまたまだろ」
樹「ほんとか?」
北斗「知らねぇよ」
でも
ほんの少しだけ
目線外す
樹、見逃さない
樹「ふーん」
ニヤっとする
慎太郎「ラジオどうなんの?これ」
ジェシー「絶対おもろいじゃん」
高地「確かに」
きょも「空気どうなるか楽しみだね」
樹「まぁ北斗に任せるわ」
北斗「任せんな」
樹「いや任せるだろそこは」
軽く笑う
でも
北斗の中
全然軽くない
(タイミング良すぎだろ…)
昨日のカフェ
思い出す
“顔見たくなっただけ”
“隣は空けとけよ”
あの空気
そのまま
ラジオ
北斗「……はぁ」
小さく息吐く
慎太郎「ため息ついた!」
ジェシー「珍しい!」
北斗「うるせぇ」
でも
完全に嫌そうじゃない
むしろ
どこか覚悟決めてる顔
樹「まぁいいじゃん」
樹「ちゃんと話せる機会できたじゃん」
北斗「……仕事だろ」
樹「仕事だからこそな」
少しだけ真面目
北斗「……」
何も言わない
でも
否定もしない
きょも「どんな話するの?」
高地「普通に近況とか?」
ジェシー「恋愛トークとか振る?」
慎太郎「やめろやめろ」
笑い
樹「リスナー絶対そこ聞きたいだろ」
北斗「やらねぇよ」
即答
でも
その可能性
ゼロじゃない
北斗、スマホ取り出す
少し迷う
画面開く
トーク画面
〇〇
親指
一瞬止まる
(……いや)
一旦閉じる
北斗「……ラジオでいいか」
ぽつり
樹「何が?」
北斗「別に」
ポケットにしまう
決めてる
今度は
逃げない
ラジオ
生放送
言葉は全部
その場
北斗「……面白くなりそうだな」
小さく
でも
はっきり
その一言で
空気が少しだけ変わる
樹、ニヤッと笑う
(あー、これガチだわ)
誰も言わないけど
全員ちょっと察してる
そして
その頃
〇〇側
まだ何も知らない
でも
同じように
“呼ばれる側”として
準備が進んでる
交わる場所は
ラジオ
逃げ場なし
だからこそ
どうなるかは
本人たち次第
静かに
次のステージが
始まろうとしてる
同日
夕方
timelesz 楽屋
メイク直し終わり
〇〇、ソファに座ってスマホ見てる
マネ「〇〇、ちょっといい?」
〇〇「ん?」
顔上げる
マネ「ラジオの件なんだけど」
〇〇「ラジオ?」
風磨「またなんか出るの?」
勝利「珍しいね」
マネ「『オールナイトニッポン』です」
〇〇「へぇ」
軽い反応
マネ「ゲストで出演決まりました」
〇〇「おー」
まだ普通
マネ「次回の回です」
〇〇「はい」
マネ、少しだけ間
マネ「SixTONESの回で」
一瞬
〇〇の動き止まる
風磨「お、いいじゃん」
勝利「面白そう」
〇〇「……誰?」
一応聞く
マネ「松村北斗さんの回です」
一拍
完全に止まる
〇〇「……は?」
小さく
風磨「え、ガチ?」
勝利「タイミングすごくない?」
〇〇「ちょっと待って」
〇〇、マネ見る
〇〇「それいつ決まったの」
マネ「今日です」
〇〇「今日!?」
風磨「急だな」
勝利「でも楽しそう」
〇〇「いやちょっと…」
珍しく戸惑う
風磨、ニヤっと
風磨「なに、都合悪い?」
〇〇「悪くないけど」
〇〇「タイミングおかしくない?」
頭の中
昨日のカフェ
北斗の言葉
“顔見たくなっただけ”
“隣は空けとけよ”
〇〇「……いや無理」
小さく笑う
勝利「無理って何が」
〇〇「なんでもない」
誤魔化す
マネ「一応、軽く打ち合わせ入ります」
〇〇「はい」
マネ「時間後で送りますね」
〇〇「了解です」
マネ出ていく
ドア閉まる
少し沈黙
風磨「で?」
〇〇「なに」
風磨「顔」
〇〇「普通でしょ」
風磨「全然普通じゃない」
勝利「ちょっとびっくりしてるよね」
〇〇「そりゃするでしょ」
〇〇「普通に」
〇〇「昨日会ったばっかなんだけど」
ぽろっと出る
一瞬
2人止まる
風磨「は?」
勝利「え?」
〇〇「……あ」
やばい顔
風磨「ちょっと待て」
風磨「どういうこと」
〇〇「いや、普通にご飯行っただけ」
勝利「誰と」
〇〇「北斗」
風磨「は????」
声大きい
勝利「昨日!?」
〇〇「うん」
風磨「なんで言わないの」
〇〇「言うほどのことじゃないし」
風磨「いやあるだろ」
〇〇「普通に誘われただけだし」
風磨「北斗から?」
〇〇「うん」
風磨、完全に理解する顔
風磨「……なるほどね」
勝利「どういうこと?」
風磨「いや、繋がったわ」
〇〇「何が」
風磨「ラジオ」
〇〇「え?」
風磨「絶対偶然じゃない」
〇〇「いやいや」
〇〇「それはないでしょ」
即否定
でも
ちょっとだけ引っかかる
勝利「でもタイミングはすごいよね」
〇〇「まぁ…それはそうだけど」
風磨「で、何話したの」
〇〇「普通に仕事の話とか」
〇〇「あとくだらない話」
勝利「いいじゃん」
風磨「それで終わり?」
〇〇「終わり」
風磨「ほんとに?」
〇〇「ほんとに」
ちょっと強め
風磨「ふーん」
ニヤっと
〇〇「なにその顔」
風磨「いや別に」
風磨「ラジオ楽しみだなって思って」
〇〇「普通に仕事だから」
〇〇「変なこと言うなよ」
風磨「言ってないって」
勝利「でもリスナーは絶対楽しみにしてるよ」
〇〇「それはそう」
少し落ち着く
ソファに座り直す
スマホ見る
トーク画面
北斗
指止まる
(言うべき?)
(いや別にいいか)
閉じる
〇〇「……ラジオでいいや」
ぽつり
風磨「何が」
〇〇「なんでもない」
でも
少しだけ
意識してる
昨日と違う
“仕事として会う”
でも
完全にそれだけじゃない
〇〇、天井見る
〇〇「……変なの」
小さく笑う
勝利「どうしたの?」
〇〇「なんでもない」
でも
内側
ちょっとだけざわついてる
気づいてないだけで
同じ
逃げない場所に
引っ張られてる
ラジオ
生放送
隠せない空気
〇〇「……まぁいっか」
軽く言う
でも
その軽さの裏
少しだけ
変化は始まってる
同じ日
同じタイミングで
それぞれに届いた話
偶然みたいで
全然偶然じゃない
次に会う場所は
カフェでも
プールでもない
“声だけ”の場所
だからこそ
逃げ場はない
ーーーーーーーーー
当日
本番前
スタジオ横の小部屋
樹「おい北斗」
ドア軽く閉める
北斗「何」
樹「何じゃないだろ」
北斗「だから何」
ソファに座ったまま
スマホいじるふり
樹、目の前立つ
樹「今日どうすんの」
北斗「何が」
樹「とぼけんなって」
少し低い声
北斗、ため息
北斗「普通にやるだけだろ」
樹「“普通”でいける相手か?」
一瞬
間
北斗「……仕事だし」
樹「仕事だけどな」
樹「相手〇〇だぞ」
北斗「分かってる」
即答
でも
目線は上げない
樹「昨日会ってんだろ」
北斗、少しだけ動き止まる
北斗「うるせぇな」
樹「ただな」
北斗「?」
樹「今日逃げんなよ」
真面目なトーン
北斗、目上げる
樹と目合う
樹「どうせお前、濁すだろ」
北斗「濁さねぇよ」
樹「いや濁す」
即答
北斗「決めつけんな」
樹「分かるんだよ」
少し笑う
樹「お前、自分のことになると急に雑になるから」
北斗「……」
言い返さない
図星
樹「せっかくの機会だろ」
樹「しかも生放送」
樹「変にかっこつけんな」
北斗「かっこつけてねぇよ」
樹「つけてる」
即
少し沈黙
樹、少しだけ声落とす
樹「ちゃんと向き合えよ」
北斗「……」
言葉止まる
でも
目は逸らさない
樹「どうせもう止まってねぇんだろ」
核心
北斗、小さく息吐く
北斗「……止まる気もねぇよ」
ぽつり
樹、少しだけ笑う
樹「それでいい」
北斗「でも」
一瞬迷う
樹「ん?」
北斗「……あいつ鈍いから」
樹「知ってる」
即答
2人少し笑う
北斗「普通に言っても無理だろ」
樹「だから言い方考えろって話」
北斗「難しいな」
樹「お前にしてはな」
北斗「うるせぇ」
でも
少しだけ空気軽くなる
樹「まぁ」
樹「とりあえず」
樹「楽しめ」
北斗「……は?」
樹「ラジオだぞ」
樹「楽しくなきゃ意味ねぇだろ」
北斗、少し考える
それから
小さく笑う
北斗「……まぁな」
樹「その感じでいけ」
肩軽く叩く
樹「変に構えんな」
北斗「分かってる」
立ち上がる
北斗「行くぞ」
樹「おう」
ドア開ける
スタジオへ続く廊下
北斗、歩きながら
少しだけ深呼吸
(逃げない)
(今回はちゃんとやる)
顔上げる
ガラス越し
〇〇の姿
もう準備できてる
北斗「……よし」
小さく
でも
はっきり
スイッチ入る
樹、横でニヤっと
(いい顔してんじゃん)
誰も言わないけど
もう分かってる
ただのラジオじゃ終わらない
そのまま
ブースのドア
手かける
開ける
本番
スタート直前
ーーーーーーーーー
生放送スタジオ
赤いランプ
ON
スタッフ「5秒前でーす」
樹「はいはい、いきますよ〜」
北斗、ヘッドホン直す
〇〇も軽く深呼吸
スタッフ「3、2、1…」
ジングル
樹「こんばんは、SixTONESの田中樹です」
北斗「松村北斗です」
〇〇「timeleszの〇〇です」
樹「はい、ということで本日はですね」
樹「スペシャルゲスト来ております」
〇〇「どうも〜」
樹「いやほんとにね、珍しい組み合わせ」
北斗「そうか?」
樹「そうだろ」
樹「だってこの2人、不仲って言われてますから」
〇〇「いや言われてないって」
北斗「言われてるだろ」
〇〇「言われてない」
樹「いや言われてるのよ」
樹「リスナーめっちゃ気にしてるからねここ」
〇〇「なんで」
樹「距離感が謎すぎるから」
北斗「それはある」
〇〇「認めるな」
笑い
樹「まぁ今日はね、その辺も含めて」
樹「ちゃんと暴いていこうかなと」
北斗「やめろ」
〇〇「怖い怖い」
樹「じゃあ早速メールいきます」
紙めくる音
樹「ラジオネーム、△ちゃん」
〇〇「ちゃん付けなんだ」
樹「『〇〇さんのanan見ました』」
〇〇「あー来た」
樹「『大人っぽすぎてびっくりしました。北斗くんは見ましたか?』」
樹、ニヤッ
樹「どうですか北斗さん」
北斗「見ましたよ」
〇〇「どうでした?」
北斗、少し間
樹(横でニヤニヤ)
北斗「……普通に良かった」
樹「“普通に”きました」
〇〇「うっす」
北斗「いや綺麗だったよ」
さらっと
樹「お〜言ったねぇ」
〇〇、一瞬止まる
〇〇「…ありがとうございます」
少しだけ照れ
樹「珍しいよ今の」
樹「北斗がちゃんと褒めるの」
北斗「ラジオだからな」
樹「関係ねぇだろ」
〇〇「ほんとだよ」
笑い
樹「でもマジで反響すごいですよ」
樹「トレンド1位だからね」
〇〇「らしいね」
樹「見た瞬間“おぉ…”ってなったもん」
北斗「お前も見てんのかよ」
樹「当たり前だろ」
〇〇「なんか恥ずかしいんだけど」
樹「いやでもほんと良かった」
北斗、横で小さくうなずく
樹「はい次いきます」
紙めくる
樹「ラジオネーム、きょも担の猫さん」
〇〇「強そう」
樹「『お二人は不仲とよく言われていますが本当はどうなんですか?』」
樹「来ました」
北斗「来るよな」
〇〇「だから違うって」
樹「じゃあ北斗どうぞ」
北斗「なんで俺から」
樹「いいからいいから」
北斗、少し考える
北斗「……別に普通」
樹「雑」
〇〇「雑すぎ」
北斗「普通に話すし」
〇〇「うん」
北斗「普通に仕事するし」
〇〇「うん」
北斗「普通に飯も行くし」
〇〇「……え?」
樹「お?」
スタジオざわ
〇〇「ちょっと待って」
〇〇「それ言う?」
北斗「別にいいだろ」
樹「え、昨日?」
北斗「昨日」
樹「タイミングえぐ」
〇〇「言うなよ!」
軽く叩く
樹「うわほんとだ」
樹「これガチのやつじゃん」
北斗「何がだよ」
〇〇「違う違う!」
〇〇「普通にご飯行っただけだから!」
樹「それを世間は特別って言うのよ」
〇〇「言わない!」
笑い
北斗「ほら仲良いだろ」
樹「いやこれはもう“仲良い”寄りだな」
〇〇「違うって!」
樹「いやでもいいですねぇ」
樹「裏で何もないと思ってた2人が」
北斗「勝手に決めんな」
樹「はいはい次いきます」
笑いながら進める
樹「ラジオネーム、明るいオタクさん」
〇〇「来たな」
樹「『〇〇さんは明るい人が好きと話していましたが北斗くんはどう思いましたか?』」
樹「これいい質問」
〇〇「やめてほんと」
北斗「まぁでも事実だろ」
〇〇「うん」
樹「即答」
〇〇「だってそうだもん」
樹「北斗どうするこれ」
北斗、少しだけ笑う
北斗「分かりやすいよな」
〇〇「いいじゃん分かりやすくて」
樹「確かにね」
少し間
北斗「……でも」
樹「お?」
〇〇「?」
北斗「それだけじゃないだろ」
ぽつり
樹「おぉ」
〇〇「何が」
北斗「タイプ」
〇〇「うーん」
少し考える
〇〇「まぁ人によるかな」
樹「出ました」
樹「万能回答」
北斗「だろうな」
小さく
樹「今ちょっと安心した顔したな」
北斗「してねぇよ」
〇〇「してた」
樹「してたしてた」
北斗「してない」
軽い言い合い
樹「いいねぇこの感じ」
樹「不仲どころか普通に仲いいじゃん」
〇〇「違うって」
北斗「もういいだろそれ」
笑い
スタッフ合図
樹「はいここで一旦CMです」
マイクOFF
空気ゆるむ
樹「いやおもろいな今日」
〇〇「びっくりするんだけどさっきの」
北斗「何が」
〇〇「ご飯の話!」
樹「いやあれは出すだろ」
〇〇「出さなくていい!」
樹「いやリスナー的には神情報」
北斗「別にいいじゃん」
〇〇「びっくりしたって」
樹「でも顔出てたよ」
〇〇「え?」
樹「“え?”の顔」
北斗、少し笑う
北斗「してたな」
〇〇「最悪」
でもちょっと笑ってる
スタッフ「10秒前でーす」
樹「はい戻りまーす」
マイクON
樹「さぁ後半戦です」
〇〇「早くない?」
樹「楽しいと早いのよ」
北斗「だな」
〇〇「……まぁね」
少しだけ素
樹、横でニヤッ
樹「いい空気じゃないですか」
樹「このままいきましょう」
そのまま番組続く
不仲コンビのはずなのに
会話は止まらない
笑いも自然
樹が回して
北斗が差し込んで
〇〇が拾う
バランスが出来ていく
リスナーにも伝わる
“ただの不仲じゃない”空気
そして
誰より
樹が分かってる
(これ、始まってるな)
でも言わない
あえて
このまま
流す
ラジオという場所で
少しずつ
距離が変わっていく
生放送はまだ続く
止まらないまま。
樹「じゃあもう一通いこうか」
紙をめくる音
樹「ラジオネーム、ほく〇〇尊いさん」
北斗「名前やめろ」
即ツッコミ
〇〇「やば笑」
樹「さっきと似たような質問」
樹「“北斗くんと〇〇ちゃんの絡みが大好きです。実際の関係はどうなんですか?”」
樹「また来ましたよこれ」
ニヤニヤ
〇〇「絶対来ると思った」
北斗「テンプレだろ」
樹「で、どうなんですか?」
あえて振る
少しだけ間
〇〇「普通だよ?」
北斗「普通」
被る
樹「いや一番信用できない“普通”きた笑」
スタジオ笑い
樹「でもさ」
樹「さっきのご飯のくだり聞いたあとだと説得力ないのよ」
〇〇「いやほんとに普通だから」
北斗「そういうことにしとけ」
〇〇「なにそれ」
樹「“そういうことにしとけ”は怪しいんだよな〜」
笑い
樹「でもあれでしょ?」
樹「お互い別に嫌いではないでしょ」
〇〇「嫌いではない」
北斗「まぁな」
樹「おぉ、素直」
〇〇「でもめっちゃ仲いいってわけでもない」
北斗「それはそう」
樹「ちょうどいい距離感ってやつ?」
〇〇「そうそう」
北斗「……たぶんな」
少しだけニュアンス含む
樹「“たぶんな”ってなんだよ」
北斗「別に」
樹「今日“別に”多いな笑」
スタジオ笑い
樹「じゃあさ、せっかくだから聞くけど」
樹「お互いの第一印象どうだった?」
〇〇「あー…」
北斗「……」
〇〇「暗い人」
即答
スタジオ爆笑
樹「はやっ!!」
樹「遠慮ゼロ!!」
北斗「だろうな」
〇〇「なんか近寄りにくい感じだった」
北斗「今もだろ」
〇〇「今は慣れた」
樹「おぉ〜」
樹「距離縮まってるじゃん」
北斗「縮まってねぇよ」
〇〇「ちょっとは縮まってるでしょ」
北斗「気のせい」
樹「はい、両者譲らず〜笑」
樹「じゃあ北斗は?」
北斗、少し間
北斗「……うるさいやつ」
〇〇「は?」
樹「出た笑」
北斗「ずっと喋ってるイメージ」
〇〇「それはそうだけど!」
樹「認めるんかい笑」
〇〇「でもその方が楽じゃない?」
北斗「まぁな」
ぽつり
樹「え、今“まぁな”出たよ?」
樹「結構デカいよそれ」
〇〇「ね、珍しい」
北斗「いちいち拾うな」
笑い
樹「でもさ」
樹「なんだかんだ相性いいんじゃないの?」
〇〇「えーどうだろ」
北斗「知らねぇ」
樹「また逃げた笑」
樹「じゃあここで曲いきましょうか」
樹「SixTONESで——」
曲紹介
音楽が流れる
マイク少し外れる
小さめのオフ空気
樹「いやマジで意外だったわ今日」
小声
〇〇「なにが?」
樹「普通に会話成立してるの」
〇〇「ひどくない?」
北斗「それな」
樹「いや褒めてんのよ笑」
〇〇「ちゃんと話せるからね?」
北斗「一応な」
〇〇「“一応”多いなさっきから」
北斗「便利なんだよ」
樹「逃げ道ワードな笑」
3人、少し笑う
一瞬
自然な沈黙
でも気まずくない
樹「…なんかさ」
ぽつり
〇〇「ん?」
樹「このまま普通に仲良くなりそうじゃない?」
北斗「ならねぇよ」
即答
〇〇「ならないね」
被る
樹「なんでだよ!!」
スタジオ外でも笑い
でも
ほんの一瞬だけ
北斗、〇〇の方見る
〇〇は気づかない
曲が終わりに近づく
樹「はい、そろそろ戻りまーす」
スイッチ入る
オンの空気へ
でも
さっきより少しだけ
距離は変わってる
気づいてないのは
〇〇だけ
そして
まだ誰も言わない
この空気の正体
続く。
曲終わり
樹「お送りしているのはSixTONESのオールナイトニッポン」
樹「引き続きゲストに〇〇が来てくれてます〜」
〇〇「お願いします」
北斗「……どうも」
樹「いや〜いい曲でしたね」
樹「っていう流れでいきますけど」
樹「さっきの話ちょっと気になるんだよな」
北斗「どれ」
樹「“顔見たくなったから誘った”」
〇〇「それそれ」
思い出して笑う
北斗「言ってねぇよそんなちゃんと」
樹「いや言ってたって」
樹「俺さっき聞いてびっくりしたもん」
〇〇「普通にびっくりした」
北斗「大げさなんだよ」
樹「いやいやお前が言う側じゃないから」
笑い
樹「〇〇的にはどうなの?そういうの」
〇〇「え?」
樹「急に誘われて“顔見たかった”って言われるやつ」
〇〇「えー…」
少し考える
〇〇「まぁ…普通に嬉しいは嬉しいけど」
樹「おぉ〜」
北斗、少しだけ視線逸らす
〇〇「でも北斗だからさ」
北斗「なんだよ」
〇〇「冗談にしか聞こえない」
樹「はははは!!」
北斗「……だろうな」
小さく
樹「いやでもそれさ」
樹「結構もったいなくない?」
〇〇「なにが?」
樹「本気でも冗談扱いされるってことでしょ?」
〇〇「まぁたしかに」
北斗「別にいい」
さらっと
樹「よくねぇだろ」
笑い
樹「じゃあここでコーナーいきますか」
樹「“リスナーからの質問、即答で答えていこうのコーナー!”」
〇〇「なにそれ笑」
北斗「雑だな」
樹「いくよ!」
紙めくる
樹「“好きな休日の過ごし方は?”」
〇〇「外出る!」
即答
北斗「家」
樹「真逆〜!」
〇〇「やっぱそうだよね笑」
樹「“デートするなら?”」
〇〇「水族館とか!」
樹「いいね〜」
北斗「……どこでもいい」
樹「雑!!」
〇〇「興味なさすぎでしょ」
北斗「相手による」
ぽつり
樹「おぉ〜出ました」
〇〇「なにそれ普通」
気づいてない
樹、ニヤッとする
樹「“理想の相手の性格は?”」
〇〇「明るい人!」
即答
樹「出ました!」
北斗「……知ってる」
小さく
樹「北斗は?」
北斗、少しだけ間
北斗「……うるさすぎないやつ」
〇〇「え、それ私ダメじゃん」
北斗「ギリだな」
〇〇「ひど」
笑う
樹「でもさ」
樹「嫌いではないんでしょ?」
北斗「まぁ」
〇〇「まぁ」
また被る
樹「はい出ました〜笑」
スタジオ笑い
樹「なんなんだよほんとにこの2人」
〇〇「普通だってば」
北斗「普通」
樹「その“普通”が一番怪しいのよ」
少し間
でも空気は軽い
樹「じゃあラスト」
紙めくる
樹「“今、隣にいてほしい人は?”」
〇〇「えー?」
少し考える
〇〇「友達とかメンバーかな」
樹「いいね〜」
樹「北斗は?」
北斗
一瞬だけ
〇〇の方見る
でもすぐ逸らす
北斗「……別に」
樹「逃げた!!」
スタジオ爆笑
〇〇「またそれ」
北斗「便利なんだよ」
樹「今日の名言出ました」
笑い続く
樹「はい、ということでね〜」
樹「そろそろエンディングです」
〇〇「早いね」
樹「どうだった?」
〇〇「楽しかった」
北斗「……まぁ悪くなかった」
樹「素直じゃねぇな〜笑」
〇〇「でもほんとに楽しかった」
樹「また来てよ」
〇〇「ぜひ」
樹「次は仲良くなってから来てください」
北斗「なら一生来ねぇな」
〇〇「ほんとそれ」
即答
樹「なんでだよ!!」
最後の笑い
樹「ということでお相手はSixTONESの田中樹と!」
北斗「松村北斗と」
〇〇「〇〇でした!」
樹「また来週〜!」
音楽流れる
マイクオフ
静かになるスタジオ
樹「……いや面白すぎたわ」
〇〇「ね」
北斗「……疲れた」
樹「お前が一番動いてたよ」
〇〇「珍しいね」
北斗「うるせぇ」
でも
少しだけ笑ってる
今日
確実に
何かは変わった。
ーーーーーーーーー
X反応
スマホ画面
次々流れる投稿
ーーーーーーーーー
「今日のラジオ神回すぎた」
「〇〇ちゃんゲスト最高」
「普通に相性よくない?」
「不仲コンビとは??笑」
ーーーーーーーーー
スクロール止まらない
ーーーーーーーーー
「北斗くんいつもより喋ってたよね」
「樹くんの回し神」
「〇〇ちゃんのテンションちょうどいい」
ーーーーーーーーー
さらに流れる
ーーーーーーーーー
「“顔見たくなった”はやばいって」
「え、あれ普通にドキドキしたんだけど」
「でも〇〇ちゃん全然気づいてないの可愛い笑」
ーーーーーーーーー
ファンの温度
どんどん上がっていく
ーーーーーーーーー
「この2人なんかいいな」
「距離感リアルで好き」
「仲良すぎないのが逆にいい」
ーーーーーーーーー
別の投稿
ーーーーーーーーー
「北斗って恋愛の話あんましないよね」
「プライベート見えなさすぎて逆に好き」
「こういうタイプが一番沼る」
ーーーーーーーーー
さらに
ーーーーーーーーー
「理想のタイプ“うるさすぎないやつ”って言ってたの笑った」
「〇〇ちゃんギリって言われてるの草」
ーーーーーーーーー
そして
ーーーーーーーーー
「でも北斗って絶対本音言ってないよね」
「なんか含みある感じした」
「分かる、全部“別に”で逃げてたけど絶対何かある」
ーーーーーーーーー
考察勢
ーーーーーーーーー
「隣空けとけよ(仮)案件」
「いやあれ冗談じゃないでしょ」
「でも〇〇ちゃん全然スルーしてたの面白い」
ーーーーーーーーー
笑いとドキドキ混ざる
ーーーーーーーーー
「この関係めっちゃ好き」
「進展してほしいけど今のままも良い」
「絶妙すぎる」
ーーーーーーーーー
でも
誰も知らない
ーーーーーーーーー
「北斗って恋愛興味なさそう」
「淡白そうだよね」
「自分からいくタイプじゃなさそう」
ーーーーーーーーー
その認識
全部ズレてる
ーーーーーーーーー
「〇〇ちゃんの方が主導っぽい」
「北斗振り回されてそう」
ーーーーーーーーー
「この2人また共演してほしい!」
「次も絶対呼んでほしい」
ーーーーーーーーー
トレンド入り
“ほく〇〇”
“顔見たくなった”
画面の中は大盛り上がり
でも
その裏で
北斗の気持ちだけは
誰にも届いてない
ーーーーーーーーー
北斗「……分かるわけねぇだろ」
小さく呟く
スマホ閉じる
でも
少しだけ
口元は緩んでる
否定されてない関係
気づかれてない感情
それでもいい
今はまだ
見えてないくらいが
ちょうどいい
でも
確実に
一歩は進んでる
静かに
誰にも気づかれないまま。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜 25:00過ぎ
スタジオ裏口
収録終わりの空気
少し疲れたままのテンション
スタッフ「お疲れさまでしたー」
樹「おつかれー」
それぞれ帰る準備
外に出ると
夜の空気が少し冷たい
タクシーが並ぶ
〇〇「どうする?」
北斗「帰るだけ」
〇〇「方向一緒だよね」
北斗「まぁな」
〇〇「じゃあ乗る?」
北斗「いいけど」
自然に決まる
タクシーのドア開く
2人並んで乗る
行き先をそれぞれ伝えて
車がゆっくり動き出す
静かな車内
エンジン音だけ
さっきまでのラジオとは違う
落ち着いた空気
〇〇「…なんか不思議」
北斗「何が」
〇〇「さっきまであんな喋ってたのに」
〇〇「急に静か」
北斗「そんなもんだろ」
〇〇「まぁね」
小さく笑う
少し間
街灯が流れていく
〇〇「今日さ」
北斗「ん」
〇〇「楽しかった」
北斗「……そうだな」
短いけど
ちゃんと肯定
〇〇「またラジオ呼ばれたらいいね」
北斗「どうだろうな」
〇〇「なんで」
北斗「仲良くなったら呼ばれねぇだろ」
〇〇「それはそれで問題じゃん」
2人、少し笑う
また静かになる
でも気まずくはない
〇〇「…ねぇ」
北斗「ん?」
〇〇「さっきのさ」
北斗「どれ」
〇〇「“顔見たくなった”やつ」
北斗、少しだけ視線動く
〇〇「結局なんだったの?」
軽いトーン
深く考えてない
北斗「……そのままだろ」
〇〇「えー」
〇〇「絶対なんかあるでしょ」
北斗「ねぇよ」
〇〇「嘘だ」
北斗「じゃあ嘘でいい」
投げる
〇〇「なにそれ」
笑う
でも
それ以上は突っ込まない
タクシーが減速
運転手「この辺りですね」
北斗の家の前
車が止まる
北斗「…着いた」
ドア開く
降りる
その瞬間
後ろから
〇〇も降りる
北斗「……は?」
〇〇「ちょっとだけ歩く」
北斗「帰れよ」
〇〇「すぐそこだから」
〇〇「なんかこのまま帰るのもあれだし」
軽い理由
でも
完全に“なんとなく”
北斗、少しだけ見る
北斗「……好きにしろ」
ぶっきらぼう
でも止めない
夜の道
2人並んで歩く
街灯だけの静かな道
足音だけ響く
さっきより
さらに静か
〇〇「ほんと静かだね」
北斗「夜だからな」
〇〇「ラジオの後だと余計」
北斗「まぁ」
少し間
〇〇「でもさ」
北斗「ん」
〇〇「こういうのも嫌いじゃない」
ぽつり
北斗、少しだけ横見る
北斗「……だろうな」
〇〇「なんで」
北斗「静かすぎるの苦手なんだろ」
〇〇「そうだけど」
〇〇「今は大丈夫」
さらっと
北斗、少しだけ止まる
でも何も言わない
また歩き出す
〇〇は気づいてない
その一言の意味
夜は静か
でも
確実に
距離はまた少し動いてる。
ーーーーーーーーー
〇〇side
夜
北斗と別れて少し
〇〇
一人で歩く
さっきまで隣にあった気配がなくなって
少しだけ静かすぎる
でも
街灯の光がやわらかくて
暗すぎない
ちょうどいい明るさ
〇〇「……いい夜」
小さく呟く
足音だけが一定に響く
頭の中
今日のことが少しずつ流れる
ラジオ
笑い声
北斗の「顔見たくなった」
〇〇「……何あれ」
少し笑う
でも
深く考えない
いつも通り
そのまま歩く
エントランスまで
あと少し
見慣れた道
見慣れた建物
でも
ふと
足が少し止まる
〇〇「……ん?」
視線の先
エントランス付近
誰かいる
シルエットだけ
暗くて顔は見えない
立ってる
動いてない
〇〇「……誰」
小さく
距離はまだある
でも確実に“人”
スタッフでもない
住人っぽくもない
なんとなく違う
少しだけ警戒
歩くスピード
無意識にゆっくりになる
相手は動かない
ただそこにいる
〇〇の足音だけが近づく
少しずつ距離が縮まる
心臓がほんの少しだけ速くなる
〇〇「……」
何も言わない
でも
完全に気づいてる
あと数メートル
街灯の光が少し強くなる位置
その境目に
その人は立ってる
顔はまだ見えない
でも
なんとなく
“知ってる気がする”
〇〇、足止まる
一瞬の沈黙
夜の音だけ
そして
その人が
少しだけ動く
光の中に
一歩
踏み出す
〇〇「……え」
小さく声漏れる
まだはっきりとは見えない
でも
確実に
ただの通行人じゃない
空気が少し変わる
静かな夜に
別の緊張が混ざる。
ーーー
エントランス手前
光の中に出てきたその人
〇〇「……え」
思わず止まる
一瞬だけ
頭の中に浮かぶ
廉
背の高さ
立ち方
なんとなくの雰囲気
似てた
〇〇「……」
でも
次の瞬間
はっきり見える
全然違う
知らない人
ただの住人か
通りすがり
その人も少し驚いた顔で
軽く会釈して横を通る
何も起きない
静かにすれ違うだけ
足音が離れていく
〇〇「……なんだ」
小さく息吐く
少しだけ肩の力抜ける
〇〇「びっくりした…」
苦笑い
さっきの一瞬
完全に勘違い
でも
心臓の速さが少しだけ残ってる
〇〇「……似てたな」
ぽつり
なんで浮かんだのか
自分でも分かってる
今日
何回も思い出してる
エントランスでのこと
「ちゃんと話す」って言葉
〇〇「……」
少しだけ黙る
でも
すぐ首振る
〇〇「違う違う」
考えないようにする
ポケットから鍵出す
いつもの動き
オートロック開く
ガチャ
中に入る
さっきの外の空気とは別世界
静かなロビー
〇〇「……ただいま」
誰もいないのに小さく
エレベーター待ちながら
ふと
スマホ見る
通知なし
〇〇「……」
一瞬だけ考える
誰にでもなく
でも
すぐ画面閉じる
〇〇「考えすぎ」
ぽつり
エレベーターが来る
扉が開く
乗り込む
ドア閉まる
鏡に映る自分
〇〇「……」
少しだけ無表情
でも
完全にいつも通りでもない
今日
楽しかった
でも
それだけじゃない
何かが引っかかってる
でも
まだ名前はない
エレベーターが上がっていく
静かに
ゆっくり
その間も
頭の中には
少しだけ残ってる。